あっという間に雪が融け・・・ふと気が付けばもうすぐ4月。今年もおかげさまで8月までに3軒の着工が決まっています。そんな今の時期、実施設計(工務店との契約や各種申請に使う正式な図面を作ること)の前に行う大切な工程が工事費の概算です。東京オリンピックや震災の影響で建設物価は変動します。
もちろん人がいない。物がないとなれば、その工事種目は高騰します。建設費は比較的安価といわれるものでも数百万~数千万という額になりますから、時には、ほんの数パーセントの上昇が想定外の予算オーバーを引き起こすのです。そこで当事務所ではクライアントさんと概ね間取りが決まった段階で一度概算(工事費シュミレーション)を行うようにしています。
特に近年はインターネットで簡単に映像や情報が手に入る時代。クライアントさんの中には、そうした素敵な写真ばかりを集めてご相談に来られる方も少なくありません。作り手側としては、丁寧にそうした要望をお聞きしますが、あまりに素敵なものばかりの詰まった図面を描き過ぎると、予算を大幅に振り切ってしまうことも珍しくないのです(笑)まあ~当然と言えば当然ですが・・・
平たく言えば・・・誰でも予算と要望は別人格ですから(笑)。双方が大きく乖離しすぎないようにこうした工事費のシュミレーションが大切なのです。もちろん私は普段から各工務店ごとに同じ設計の見積りに大きな差が出ないように気を配るとともに、生産者から直接見積りも取って各工務店の単価が妥当かどうかに目を光らせています。しかしデーター(相場)の取りやすいものならまだしも、300mm断熱の付加下地を手間賃を掛けて安価な材を使うべきか?それとも手間の掛からない高価な断熱材を使うべきか?といったことは前例が乏しいためにデーターが貯まるまで色々と苦労しました。
誰でも作れる平凡な家でよいのなら一番安く作る!という工務店さんにお任せでよいのかもしれませんが、そうではない場合は単なる価格だけではなく、その費用対効果(内容)にまで踏み込んで検証が出来なくてはいけません。そんな意味で当事務所の工法は複数の工務店さんと話し合いを深めながら少しづつ改良を加え作り上げてきた財産だと感じています。もちろんそういった気付きや発見の機会をいただいたのはこれまたクライアントさんなんですよね。
今シーズンもクライアントさんの予算を精一杯生かした最高の家づくりができるようにこれからも頑張りたいと思います。
今日はClean Banditなんていかが