写真は繊維系断熱材を用いて壁を30cm断熱したときの温度分布の様子をシュミレーションしたものです。コンター(等値)線図と呼ばれ、線が水平に近づくほど温度分布が穏やかであることを示しています。在来軸組み工法は1間(1.8m)間隔に柱が立つ構造なので作り手は壁の断熱構造をよく工夫しておかないと同じ30cm断熱の壁でも部分的に極端な温度むらのある構造になりやすいものです。
自分が普段何気なく書いている平面詳細図が実際にはどんな温度性状を示すものであるの...か知っておくことは、意匠ととても深い関係があります。意匠設計者の多くは壁や天井の仕上げに水性ペイントや珪藻土なんかを好みますが壁の断熱性が低く温度むらの多い構造だとこうした繊細な仕上げの多くは暖房シーズンの後にクレームを起こしやすいのです。けして職人さんが下手なわけでもなくまして、手抜きなわけでもなく温度むらの激しい同一面で同じように乾燥し収縮させようと考える方に無理があることも少なくありません。要は何センチ断熱すれば内装が痛みにくい均一な温度分布になるのか?普段から意匠設計者は自らの壁や屋根や床の「断熱仕様:温度分布」を感覚的に身体化しておくことが結果的に仕上げ選択の自由度を広げます。
それに~...精神的な安心感を得ることが制作意欲の維持にどれほど必要か?意匠設計者なら知らない人なんていませんよね。(笑)
写真は外気温-10℃、室温+22℃の条件で壁内部の温度分布をシュミレーションしています。室内側の石膏ボードの表面温度が21.3℃でほぼ水平に安定していることから柱の室内側に入れた5cmの断熱材が意外に機能しているのが分ります。また間柱や断熱の下地をジグザグに雁行させ熱橋がストレートに通らないように工夫した点も1~6の部位別のU値から効果が認められます。しかし柱という大きな断面はやはりU値がかなり下がることも事実。たとえば建物の隅角部は構造材が集中しやすいところなので事前にディティールをよく検討しておく必要があると思います。
*注:写真中の温度条件、室内:20℃、室外:0℃は誤り。室内:22℃、室外:-10℃が正解。
*:解析:(有)タギ建築環境コンサルタンツ
今日は実施設計中なので気分はあげあげ!グリンデイなんていかが!
最高だぜ!ビリージェイ~!
http://www.youtube.com/watch?v=cDBlqu6KF4k