こちらは美しく割り込まれたタイル。縦方向にウマ目地貼りとしていただきました。担当したのはI所長の下で現場を担当していただいているMさん。私との現場は二軒目で最初が「宮ノ丘の家」。入社4年目とのことですが、そんな彼がタイル屋さんと共に頑張ってくれたのがまずはUTの壁。ところで何がすごいの?という方に説明いたしますね~(笑)。
この輸入物のタイルは外国製らしく寸法にばらつきがあります。日本製のタイルの場合、通常は30cm角のシート貼りがほとんど。このタイルの寸法は一辺10cmですから、日本製だと縦横3枚ずつ、都合9枚を正方形の1単位として貼り付けてゆきます。しかしこのタイルはそんな日本の技術標準とは関係のないイタリア製。タイルはもちろん1枚1枚ばらばら...。ここまで書けばお分かりの方も多いと思いますが、そうこの模様にタイル屋の親方が一枚一枚貼り付けて出来たのがこの壁という訳なのです。実際9枚ずつ作業が進む貼りやすい日本製タイルと、半端が出ないように壁に割付を細かく計算してから景色を作る外国のタイルではまったく難しさが異なります。
日本製なら角(かど)用の面落としタイル(通称:役物といわれる)なんかが用意されているけど、そんなことなど頓着しない外国製ではこうしたコーナー部分もタイル工の技がもろに出る。要は1種類のタイルで平面ばかりかコーナーも全てきれいに納めなくてはいけないのです。
正面から見て、タイルの厚みを見せぬように美しく納められたコーナー部分。
窓の横方向は11枚で余りが出ないようにピッタリ割付、縦方向は5枚でこちらも余りナシ。
うーんさすが!
二階の洗面コーナーに取りかかった親方。こんな風に簡単に割付をして1枚1枚貼り込んでゆきます。まあ~こうして見ると私の設計って誠に人的アナログ度の高い作り。親方のみなさんもう少しお付き合いよろしくお願いいたします。(笑)
こちらは1階まで下りてきた左官屋さん。一心不乱に壁を塗ります。
様々な仕上げの鏝(コテ)を駆使して、大らかで暖かみのある鏝の表情を壁に作ってゆきます。
一時期は均質であることがとても大切にされましたが現在ではむしろ職人さんの手仕事の良さが見直されています。でもそれって大人の感性ですよね~(笑)。ずいぶん社会の見る目が変わってきたな~と感じます。(笑)
押尾コータローのギターなんていかが!こちらも凄いです!