2016年8月12日金曜日

北広島の家 板金外装工事 直前

こちらは、外壁の板金工事直前となった「北広島の家」

薄く長く跳ね出した庇やキャノピー、窓廻りもうすぐ板金屋さんが外壁を葺き始めます。

窓廻りの板金の役物。窓上から通気層内に侵入した雨水は排水できるようにしました。


窓下の水切りと出入りを揃えてピシッと納めます。

円山西町の家 屋根断熱工事

外壁の外貼り断熱下地の取り付けと屋根の断熱工事に入った「円山西町の家」。

話は変わるが現場でよく顔を合わせるカナヘビ。今日はでかいアブをゲットしてご満悦・・・(笑)

「円山西町の家」の300mm断熱構造は「ニセコの家Ⅱ」の構造と従来型の二層構造を合わせたもの。構成としては柱の外側に190mm、柱の間に105mm、合計295mmの断熱構造を外部と内部から充填して完成させます。防湿+気密ラインは通常通り柱の内面で取ります。

208の断熱下地。

こちらは屋根の外貼り断熱を上から下に押し込んでいるところ。厚みは350mm

こちらは3層目のGW。
 
 

 
 





山の日

8月11日は山の日・・・三男と小樽の塩谷丸山へ向かう。天気はカンカン照り・・もの凄く暑い・・・しかし森の中を歩くのは気持ちがいい!
でもしかし・・・今日はきつかった(笑)

遠くに余市のまちが見える。

なんとか頂上にたどり着いてパチリ。
 
先日買った高度計が意外に正確でびっくり・・・

美しい色のカミキリ虫

600mちょいの山なのにこの雄大な景色は毎度ながら不思議にさえ思う。

海のまちの山らしく、頂上には海の安全を祈願するたくさんの錨が置かれている。

しかし頂上でさえこの気温・・・夏らしくてよいとも言えるけど(笑)


北広島の家 エコシラ合板

8月10日にはすっかりおなじみになった白樺積層合板(エコシラ合板/瀧澤べニア)を選びに行きました。このシラカバ製合板、たいへん美しくて近年凄く人気があります。地元産ですし中々他にないし、いいことづくめなんですが結構色や木目に変化があって、化粧に使うものは基本的に私がぜーんぶ選んでます。(笑)まあ~たいへんといえばたいへんなのですが・・・実は仕上げの塗装オイルに相性のよい色目というものがありまして・・・(笑)

写真は積んである板を一枚一枚見ているところ。

面白い柄やよい色目が見つかると立てかけて使い方をM所長と相談・・・
 
見立てた合板で作ったキッチン http://ako-re.blogspot.jp/2012/05/blog-post_14.html
 
エコシラ合板のディテール    http://ako-re.blogspot.jp/2014/03/blog-post_24.html
 

8条の家 現地調査

 
 
先日行ってきた今年後期のプロジェクトの敷地。実は30代の頃近くに住んでいたので妙に親近感を感じます。並木のある素敵な通りに面した閑静な住宅街、住まい手さんのお話しをしっかり聞いて素敵な家にしたいと思う。

お墓参りとクワガタ取り

8月8~9と先日他界した義母のお墓参りに行きました。
お墓のある倶知安までの途中、立ち寄った積丹町・・・海は青いしね、底まで見えて積丹ブルーを満喫・・写真は今が旬のナマコ漁、一時期は中国からわんさかバイヤーが押し寄せました。乾物は超高級食材。夏の旬はこの他だとやっぱりウニでしょう。

遊覧船の屋根の上のカモメ

なかなかに精悍な面構え・・

夜泊まった宿の近くでは・・クワガタの採れること採れること・・・三男の夢だったでかいノコギリクワガタのオスが二匹も取れて大満足。大学に通う長男も我を忘れて鼻の穴を膨らませていました。(笑)ちなみに二匹目のノコギリのオスは彼のお手柄。

こちらはメス。楽しませてくれてありがとう!来年もよろしくね!ということでキャッチ&リリース。(笑)

海に行く!

8月7日は三男と海に行きました。札幌の西区は海も山も近い。ちょいとJRで15分。駅前が海なんて言うロケーションが当たり前。
 
むっ!とするような海の香り・・波の音と渡る風・・・彼はすっかりかに採りに夢中

ここは石浜なんで足は汚れません。小樽までの沿線に海水浴場はいくらでもありますが、駅によって砂浜、石浜、岩場等々いろいろ楽しめます。

はるか~沖行く~・・・海員を目指している次男が航海実習とバイトを兼ねて近海フェリーに乗り組んでいます。おーいい今頃どのへんだーい(笑)
 
ネットのつながらない君へ、お気に入りのラブライブの曲を贈ります。


2016年8月6日土曜日

円山西町の家 屋根断熱工事

暑い・・・もの凄く・・・屋根の上は灼熱です。「みんな!熱中症に気をつけて、マメに給水して下さいね。頑張りすぎるとすぐに目が回る。屋根の上は37℃。朝から一日かんかん照りです。
 
本日は建て方の完了後すぐに屋根の外貼り断熱工程に突入した「円山西町の家」。
建て方(構造)が完了すると間髪を入れず、断熱工程を屋根の下からではなく上から行うこの工法は雨が大敵。工事中に不幸にも大雨の直撃を受けると悲惨なことになります。(澄川の家 http://ako-re.blogspot.jp/2014/09/blog-post_12.html
 
その反面、屋根の外貼り断熱は性能的には凄く優秀。従来の屋根の下から上向きに梁の間にだけ断熱材を詰めるやり方と比べると熱橋がほとんど生じません。設計的にはたったこれだけですが、現場はたいへん!この理想を実現させるために建て方終了後も引き続き屋根の上に残って雨を気にしながら急いで作業を続けなくてはいけません。性能を気にしなければ、屋根の下で日陰の中で断熱工事をすることの方が断然楽ですが、屋根の外貼り断熱の凄さを一度知ってしまうと、大工さんには申し訳ありませんが、特に夏場は過酷な状況になる場合がままあるのです。丸稲武田建設の一番手であるU棟梁、S職長、Hさん、Sさん、ほんとうにごくろうさま、お仕事にはいつも頭が下がります。

美しく割付けられた断熱下地。防湿は屋根の厚物合板の上で行います。

居間から見える札幌の街。夜景はきっと素敵でしょうね~(笑)

断熱材は地元のSUN。
 
今日はMichelle BranchとSantanaなんていかが(笑)
 

北広島の家 板金工事

「北広島の家」の敷地は準防火地域。設計者ならお馴染み、”延焼の恐れのある範囲”の外装や開口部に制限が必要になる地域です。そこで外装はお馴染みの木貼ではなく板金で仕上げることにしました。北海道では150年以上前から板金で屋根を葺いてきましたが、近年は様々な薄板の成型板や充分仕上げに耐える上等の立平葺きで屋根ばかりか外装も全て板金の家が増えています。軽くて丈夫、色見や素材感の豊富な板金仕上げは近年その良さが見直されつつある木製の外装と並んで人気の仕上げなのです。担当していただくのは、(有)赤塚板金工業 さん。いつも丁寧な仕事で各種水切りや雨切、破風廻りや袖壁、300mm断熱の家は壁より窓が引っ込みますから窓周りの役物等々・・・実にスッキリ納めてくれます。写真は建物の左から板金の下地となる石膏ボードを貼ってきている様子。一昔前は板金の防水に屋根は22kg、壁は17kgのアスファルト防水紙を用いました。その頃は壁の石膏ボードも高価な耐水ボードでしたが近年は透湿防水紙の普及で一般的なボードが増えています。
 
写真はインナーガレージのキャノピー(小屋根)の破風廻りを細工しているところ。

歪みやシワを極力避けるために強力な両面テープを用いて下地に固定します。
 
こちらが完成したところ。破風見付け150mm、軒先の厚みは26mmで納めます。

こちらは腰水切り。普段は省略する場合もありますが、「北広島の家」は長期優良住宅なので水切りの設置が求められます。こちらの見付け厚は15mm。精度良く見せるために0.35mmの薄板を二枚重ねで使用します。

こちらは窓上の雨切。内部にイーブスベンツが入り、たとえ壁内の通気層に水が浸入しても窓上からストレスなく排水できるようにディテールを工夫しました。こちらも見付け15mmでシュッとね!(笑)
 
細かなお話しですが、木口は箱折にして板金の板の薄さが見えないように、それと同時に強度が出るように工夫されています。 

先程の破風の反対側がシート防水。壁の通気層に雨水が流れ込まぬように雨水堤の立ち上がりが付きます。
 
今日はTOTO・・もちろん絶頂期の!音もリッチで輝かしいね(笑)


2016年8月3日水曜日

ニセコの家Ⅱ 完成!

8月2日(火)に無事お引渡しが完了した「ニセコの家Ⅱ」緑の中に建っています。ニセコの夏は世界中からたくさんの人が避暑に訪れる季節ですが、あらためて見ると自分も住んでみたくなります。西側に傾いた屋根は冬場2mを超える雪の重みで軒先が折れぬよう、頬杖を内蔵した独特の形。低い西日の熱量で落雪を促します。 

窓の外の景色は緑のパノラマ。眼前に広がるジャガイモ畑が北海道らしさ満点。
 
24坪の小さな家、これから南側に住まい手さんが木製デッキを作る予定。
 

階高は2.5m、天井高2.4m、低い天井は2.15m。薪ストーブが楽しい1階の居間。
 
北側のキッチンの窓辺。窓の外はジャガイモ畑。
 
寝室から南側の森を見る。窓の上に見えるのがパッシブ換気の排気口。
 
床下に内蔵された給気予熱用ヒーター。
 
今年、最初の竣工となった「ニセコの家Ⅱ」、想えば今日まで乗り越えねばならない課題はたくさんありました。最近のニセコは、地域的に建設費の高騰が続き、敷地は札幌から大工さんが通うには遠すぎます。周囲には当初電気もなかったため電力事業者のインフラ整備に合わせて全体工程を練ると同時に建設コストと作り手の宿泊(今や世界的な避暑地であるニセコは宿泊も半年以上前からめぼしを付ける必要あり)の課題をクリアする必用がありました。電気とコストは段取りと検討を充分に行い、設計段階で断熱や構造、内外装仕上げ、住宅設備、燃料供給、浄化槽、各種補助に到るまで徹底的に考えシンプルに無駄を削ぎ落としました。しかし基礎工事や中でも長期滞在が必要となる大工さんの宿泊に関しては土地勘の薄い私たちには高いハードルだったのです。しかしその答えは意外なところから見つかりました。観光業に携わる建て主さんのご尽力で地元に定宿を見つけることができ、二ヶ月以上に渡る大工工事を乗り切ることができました。今は充実感一杯・・・(笑) 
 
工事を担当していただいた飛栄建設さん、現場をまとめていただいたM所長、細かな気遣いと鍛え上げた大工の技で仕上げていただいたU棟梁、M職長、Kさん、札幌から出向いてくれた各工種のみなさま、なにより私たちにまた新たな挑戦の機会をご用意いただいた建て主さまにこの場をお借りして心より御礼申し上げます。 できたー(笑)
 
今の気分はモーツアルトですね(笑)
 




2016年8月1日月曜日

円山西町の家 建て方開始

気温32℃、湿度80%の暑くて息苦しい空気の中、予定通り始まった建て方工事。まずは気密レール、土台敷き、大引、鋼製束、根太の順。明日はクレーンを入れて一気に建ち上げて行きます。
 
今日は大工さん4人で暑い中、ほんとうにごくろうさま。
脱水症状に気を付けて、お茶の差し入れです。(笑)
 
土台と大引の間に見えるのが床下暖房の温水パイプ。最近では大工さんの土台敷きの前に終らせてしまいます。床下に僅かな熱源を入れることで建物の完成時期を気にせずいつでも床下のコンクリートを温めて乾燥を促すことが可能となります。結果的に床下はいつでもすぐに乾燥するのでカビや結露を避けることができます。比較的乾燥した気候と言われる北海道でも床下に熱源と換気の備えが不十分だと基礎断熱の良さを生かすことができません。
 
300mm断熱の家の場合はほとんどの場合、家全体の暖房用熱量(外気温:-13℃、室温22℃時)は最大で3kw以下(換気:0.5回/時)とできますし、照明や調理、家電や人体の発熱も有効な熱源として利用可能になりますから、床下の温水パイプは写真のように基礎外周部に少しだけで充分です。私も昔は住い手さんに寒いと言われるのが恐くて床下全面パイピングのような現場をやりましたが、熱源の面積を増やすことで、かえって部屋ごとの温度調整は難しくなり、最小にしても暑苦しいと言われる始末。(笑) しかし今では断熱に応じて、安全に減らしてよい暖房設備の大きさが分ってきましたし、暖房を「快適温度」と「快感温度」に分けて捉え、それぞれに適した解決策(暖房器具や方式)を割り振ることで、人によって感覚の異なる「暖かさ」という課題に概ね答えることができるようになりました。
 
従来のように、断熱化に伴って、設備もどんどん大規模になり同時にコストもUPするといった悪循環から開放されると、設計者本来の仕事である空間作りやそれに関連する様々なマネージメントの余裕が生まれてきます。この感覚はぜひ若手のみなさんに伝わるといいと思います。(笑)
 
 設備的な新機軸に飛びついてコストの調整に悪戦苦闘することもひとつの経験かもしれませんが「断熱」や「温水暖房」のような地味な地域の「当たり前仕様」を徹底的に使いこなして、安くて良い家作りを目指すのも素敵なことだと思います。笑顔で同級生の仕事だってできるようにね。(笑)
 
そのためには断熱とトレードオフ(交換)可能な設備の減らし方(費用対効果の高め方)や商流の種類、建材の決済や支払いについてもよく学ぶ必要があります。よく減額調整に行き詰まった若手から相談をいただきますが、設備ばかりか、建材やその商流も全て工務店やその協力各社にまる投げの人が多くて驚きます。その反面、室内の石膏ボードは全て9.5mmにしました!とか、仕上げを止めて化粧釘打ちとしました!布基礎の厚みを15cmから13.5cmにしました!なんてよくあります。
 
子育て前提の家庭に壁の強さは大切なことですし、せっかく仕上げを減らしたのに、簡単なボードビスではなく、ピッチ(間隔)を割り付けて化粧釘を使うのなら減額とは言えません。(笑)もちろん地震国で基礎のコンクリートを減らすのも賛成できません・・・
 
話しが脱線しましたが、マイホーム取得中心世帯の年収がどんどん下がりつつある現在、「環境建築」が高価になることにはある種の矛盾を感じます。やはり地域の特性をよく掴んで健全なコストダウンに前向きに取り組むべきだと思います。

今日はバラードでも
https://www.youtube.com/watch?v=bvtdjIIcgWQ