2016年8月6日土曜日

北広島の家 板金工事

「北広島の家」の敷地は準防火地域。設計者ならお馴染み、”延焼の恐れのある範囲”の外装や開口部に制限が必要になる地域です。そこで外装はお馴染みの木貼ではなく板金で仕上げることにしました。北海道では150年以上前から板金で屋根を葺いてきましたが、近年は様々な薄板の成型板や充分仕上げに耐える上等の立平葺きで屋根ばかりか外装も全て板金の家が増えています。軽くて丈夫、色見や素材感の豊富な板金仕上げは近年その良さが見直されつつある木製の外装と並んで人気の仕上げなのです。担当していただくのは、(有)赤塚板金工業 さん。いつも丁寧な仕事で各種水切りや雨切、破風廻りや袖壁、300mm断熱の家は壁より窓が引っ込みますから窓周りの役物等々・・・実にスッキリ納めてくれます。写真は建物の左から板金の下地となる石膏ボードを貼ってきている様子。一昔前は板金の防水に屋根は22kg、壁は17kgのアスファルト防水紙を用いました。その頃は壁の石膏ボードも高価な耐水ボードでしたが近年は透湿防水紙の普及で一般的なボードが増えています。
 
写真はインナーガレージのキャノピー(小屋根)の破風廻りを細工しているところ。

歪みやシワを極力避けるために強力な両面テープを用いて下地に固定します。
 
こちらが完成したところ。破風見付け150mm、軒先の厚みは26mmで納めます。

こちらは腰水切り。普段は省略する場合もありますが、「北広島の家」は長期優良住宅なので水切りの設置が求められます。こちらの見付け厚は15mm。精度良く見せるために0.35mmの薄板を二枚重ねで使用します。

こちらは窓上の雨切。内部にイーブスベンツが入り、たとえ壁内の通気層に水が浸入しても窓上からストレスなく排水できるようにディテールを工夫しました。こちらも見付け15mmでシュッとね!(笑)
 
細かなお話しですが、木口は箱折にして板金の板の薄さが見えないように、それと同時に強度が出るように工夫されています。 

先程の破風の反対側がシート防水。壁の通気層に雨水が流れ込まぬように雨水堤の立ち上がりが付きます。
 
今日はTOTO・・もちろん絶頂期の!音もリッチで輝かしいね(笑)