内部のボード張りがほぼ終了し、造作家具の組み立てと取り付けが進行中の「福井の家」です。
写真は薪ストーブを置くコーナーですが、3方向にガラス窓のある薪ストーブを45°振って設置します。結果、従来のように低い位置から壁を抜いて煙突を出すのではなく、高い位置で煙突を壁抜きし室内に垂直に降ろした煙突の中心軸を基準にストーブ本体を45°傾けて設置する予定です。
燃焼炉の3方向にガラス窓のあるストーブですから、使用時その輻射熱が壁を熱くしてしまいます。そこで防火内装壁を工務店さんストーブ屋さん共々しっかり打合せ。下地共不燃材料のケイ酸カルシュウム板を下地に用い、25mm以上の通気層を持ったタイル仕上げの壁としてデザインしました。
防火壁詳細図:壁の石膏ボードの上に25mmの通気層を取って不燃材料で製作します。
外壁の色が太陽の影響で少しづつ色合いを増してきました。
テラスの端にはBBQ道具やお野菜等を入れておける冷温庫(夏場は物置)を設置しました。
例えば・・冬場ならお野菜をまとめ買いして凍らないように工夫さえしておけば一冬、特にジャガイモ、ニンジン、玉ねぎ等の根菜類は常備保存できます。なので、私のお客さんの多くはジャガイモや玉ねぎを秋口に10kg単位でまとめ買いしてしまう人が多いと聞きます。
但し・・各地域や各人の保管方法によって、段ボールに古毛布を巻いて保温(凍らないように)の人もいれば、夏場キャンプで使う大型のクーラーを冬場は野菜保管庫として物置内に置いている人もいます。もちろんそうしたさじ加減は各住まい手さんで見つけてくださいね/笑
先日の洗面台の移動に伴い、壁の照明位置も移動。しっかり実行済みな点を現場確認させていただきました。仕上げの工程に入ると、最新情報の共有とそれを維持するコミュ力が現場の完成度を左右します。
移動後の壁照明が水栓の上部にぴたりと来ていることを確認しました。仕上げの完成度を落とさない監理のコツは冷静に総合的な視野をキープし続けること。
今回であれば、洗面器移動⇒鏡移動⇒タイル⇒照明⇒コンセント&スイッチ⇒お湯水に排水がすべて同時に変わります。さらに言えばそれらを各工種に間違いなく知らせ、電気屋さん、設備屋さん、大工さんの間の矛盾を解消しておかねばいけません。素早く全体のバランスを見て判断し、その判断が追加工費を伴うものであれば施工前に必ず、建て主さんに確認が必要です。
いつも階段の制作をお願いする什器屋さんによる美しいスケルトン階段。山本設計の階段は一段の高さが18cm。どの家でもすべて共通です。一般的には20~23cmくらいが多いのですがこれだと高すぎてよくありません。35歳で家を建ててもローンが終わるのは70歳・・階段なんて低いに越したことはありませんし、極力各階に設けるトイレと洗面台も同様の理由です。
よく実家が今となっては住みにくい、使いにくいと聞きますが・・そうした親の代の失敗の原因は・・若い時目線で素人が間取りを決めたこと。住まいって、個性も大切ながら誰が使っても妥当な動線や部屋の順番という基本がしっかりある。要は鉄板というのかスタンダード。これを理解せずに、玄関なんて寒いから小さくていい、そのかわり他の部屋を大きく!とか、トイレなんて掃除が大変だし1か所で十分!なーんて分かったつもりで決めたけど、わずか30年後には違いました・・というのが多いパターン。
少し話は横道にそれますが・・・
そんな既存住宅がわが国には約600万戸もあるのだそうですが・・不思議と地域を問わず共通するのは、玄関は小さく寒く、水回りも寒く貧弱で狭く、部屋数こそあるものの、寒くて全室暖房は難しく(家計的に)、おまけに積雪寒冷地を前提とした収納と普遍的な動線がぜんぜんなっていない・・という散々なもの(泣)。人生85年といわれて久しいですが、到底こんな家で安全に余生を過ごすなんて難しい。だから結果として売れない・・
今、何らかの決定をするということはそれが間取りでも外装でも内装でも未来のリアルを決めるということ。せめて40年後にも魅力を失わぬようどうしたらよいかを建て主さんは考えてほしいと思います。
美しく太鼓面が取られカバ材の暖かな色合いで作られた段板+コマ+力桁。BONAのワックスで丁寧に拭き上げて仕上げます。
今日は完成に向けてJUMP!つーことで・・