2023年の北海道は年明けから波乱の年となりました。ウッドショックに加え長引くウクライナ戦争、円安のトリプルショックで大幅な土地・建材費の高騰、職人不足・・・そして前年同月比-22%にも及ぶ全国一の新築着工戸数の下落。低迷する景気の中で実質賃金は下がり続け、それに輪をかけるようにお金にまつわる不祥事の数々・・家を建てようという人々のマインドもさぞ冷え込んだことでしょう。
そんな中、長期優良住宅の増改築認定を取得した300mm断熱の性能向上リフォーム「発寒の家Ⅲ」、制度設計から参加させていただき、太陽光パネルと蓄電池を実装した「新札幌版次世代住宅基準」のプラチナグレード「発寒の家Ⅳ」、そして「北7条の家」(この二棟は北方型住宅ZEROでもあります)、また旭川市においては西側斜面の景観を楽しむ300mm断熱の家「神楽岡の家Ⅱ」(北方型住宅2020)と4棟の住宅を任せていただきました。2009年の「銭函の家2009」から数えると、40~43棟目の「300mm断熱の家」となり、これ以外に200mm、250mm断熱の新築&改修まで含めると住宅だけで50棟を超えます。これも全てはチャンスを頂いた住まい手さまのおかげです。この場をお借りして心より御礼申し上げます。また1998年の事務所開設から25周年の記念すべき年に最高の仕事の数々に恵まれたことは設計者冥利に尽きると思っています。
少し別の視点からのお話しになりますが、冒頭のような社会の状況を受けてか近年は新築から改修へと大きくニーズが変化している印象を受けます。戸建て住宅のみならず最近では既存マンションの外断熱改修、木賃アパートの断熱改修&長期優良住宅化による再生。各自治体においても従来中心的な住宅施策だった新築から改修基準へのシフト。当事務所にとっては新規事業分野ですが、おかげさまで多くのお声がけを頂くことができました。心より感謝申し上げます。
コロナが過ぎたこともあってか、今年は本州において「住まいの断熱化」に取り組む方々に呼んでいただく機会が少しだけ戻ってきました。毎年「断熱修行の旅」と題して北海道に研修旅行に来られるミライの住宅さんやコロナ前よりお世話になっているYKKAPさん。たくさんの貴重な学びをありがとうございます。
おかげさまを持ちまして、今年も一年なんとか乗り切りました。みなさま、よいお年をお迎えください。しっかり充電して来期もよろしくお願いいたします。
当事務所の仕事始めは2024年1月9日(火)とさせていただきます。