2020年6月19日金曜日

宮の森の家Ⅱ 気密測定一回目

本日は「宮の森の家Ⅱ」の気密測定の第一回目。結果はC:0.1cm2/㎡と最高でした。特に気密に関するディテールは断熱の品質と耐久性に直結するために2009年から防湿&気密層を傷付けない納まりを始めましたが、その間にお付き合いさせていただいた多くの工務店さんから様々な改良点をご提案いただき、10年以上に渡り改良を積み重ねてきたものです。そんな中、当現場が初めてのお付き合いになるヨシケンさんの大工さんの手によって良い結果となったことは設計者としてもひと安心。それと同時に、協働という対等な目線のコミュニケーションがいかに大切か、また今まで様々な改良点のアイディアを頂いた工務店さんたち、現場で実践を重ねてくれた棟梁さん大工さんたちに心より感謝したいと思いました。 
室内側に気密層がある納まりは、耐力面材の外側に気密層がある納まりと比較すると対結露上はより安全側になるものの気密シートの連続が複雑で数字は出難いです。

厚手の気密シートは挟み付けることで性能がぐっと上がりますから、従来の気密施工の名人たちは室内側の石膏ボードを全て貼った状態で気密測定をしていました。

但しこの工法はもし万が一漏気が分かっても治す術がありません。理由は簡単で漏気部分は既に石膏ボードで覆われてしまっていて目視が困難だからです。そもそも石膏ボードを貼ることで気密を出しているのですから、ボードを外しながら漏気部分を見付けることも状況を難しくします。平たく言えば室内側の石膏ボードを用いた従来のボード気密とは一発勝負・・コツを体得した名人限定の工法とならざるを得ない点が課題でした。

果たして目の前の気密施工が満足すべきものだったのか?改善点があるのか?を確認し、仮に後者ならその時点で対策を行う余地を残すためには写真のように気密シートが目視できる状態で気密を出す納まりが必要でした。 
こんな感じで室内側の細い間柱で気密シートを挟み付けて、シートが見える状態で気密測定が行えるようにします。

言ってしまえば簡単ですが・・ここまで来るのに意外に時間が掛かりました。

今日はスカパラなんていかがでしょう