外装の黒い板金が葺きあがってきた「発寒の家Ⅱ」。雪の中、毎日板金屋さんごくろうさま。
冬場の工事で板金の伸び縮みがあることを見越して、通常の縦ハゼ葺きではなくて、さざ波加工された板材を用いています。0.35mm厚の薄い鉄板を使って壁を葺くとどうしてもボコボコとした歪みが気になります。もちろんそれも含めて板金の味わいなのですが、中には仕事の雑さ・・と取る人も多く、特にハゼの間が離れた葺き方の泣き所でもありました。従来は板厚を0.4mmに上げてみたり、吊り子と呼ばれるハゼの下地を長く連続させてみたり色々と工夫もしましたが、仕事的にはどんどん大変になりコストも増すので、最近は歪みを気にする住い手さんにはこのさざ波加工をお勧めしています。
意外にも、酪農王国北海道は開拓の歴史と同じくらい長い屋根板金の歴史を持っています。材料のコイルは道外から入れますが、それをさまざまな板材に加工する工場は道内に多く存在し、注文に応じて色々な製品を作ってくれます。北海道の建築家の中にはこうした地元の板金が大好きな人も多く(私もその一人ですが/笑)、個人の作風を示す存在になっていることもめずらしくありません。「ああ~○○葺きならAさんみたいな感じね~」なーんて私たちもよく使います。
下は1877年竣工の北海道大学(旧札幌農学校)のモデルバーンですが、菱葺と呼ばれる伝統的な葺き方で屋根を葺いています。
棟飾りなんかも板金の手仕事・・今見ても凄い!
室内は内装下地がどんどん進んでゆきます。化粧柱はばっちり養生済み、天井を貼る前に各種配管、配線をしっかり確認しておきます。
今日はClean Banditなんていかが