昨日は「ドイツの省エネ住宅政策に学ぶ」と題したシンポジュウムにプレゼンテーターとして参加させていただきました。環境先進国として今や世界をリードする国の一つとなったドイツ。会場にはドイツ連邦環境建設省よりラータートさん、パッシブハウスや+エネジーハウスのコンサルティングを行っているエコセンターNRWの代表取締役であるラウシェンさん、そしてドイツ住宅供給公社のディルガーさんが来日され、ドイツの現状を踏まえた貴重なお話しをお聞きする機会となりました。会場は教育文化会館の小ホールということで、「なんだ、小さいんだ~」と安心していたら・・・実は300席もあってほんとうに平日の昼間から人が来るんかいな?と思ったのも束の間、ありがたいことに満員御礼でした。(笑)
興味深かったのは、ドイツから来られた方々が、少々お堅い印象とは裏腹にとてもフランクで正直だった事。印象的だったのは「ドイツは環境的なイメージが高いが石造りの建物を断熱改修することはほんとうに大変です!」とか「断熱は重要なれどそれによって伝統的な建物がなくならぬよう、そうした建物向けの断熱技術開発を進めつつ実態に即した施策を辛抱強く続ける事が重要!」と言った指摘。「またドイツにも地域によって経済力に格差があり、建物の構造も木造の多い地域やそうではない地域がある。地域別に最適なトレンドを見つけることが必用。」はたまた「環境的であることがデザインの自由を奪うという思い込みは短絡的で、必ず両立の道はあるはずだしこれからはそれを意識して前進する時代。最初から両立は無理だとあきらめてはいけない。」さらには、「古い建物が多いドイツでも喫緊の課題である省エネリフォームに投資する人より旅行やソニーのTVを買っちゃう人も少なくない(笑)。」といったまさに日々北海道の私たちが悩んでいる事と同じ意見が聞けてとても勇気が沸きました。
会場には同時通訳も配置され雰囲気は国際シンポっぽさ抜群。
テーマもたいへん率直で親しみやすいものでした。
こちらは講演直前の楽屋裏の様子。
北海道の家づくりの変遷と実情に付いて講演された福島先生。
長年に渡る家づくりへの関わりから貴重な資料をもとに興味深いお話しが聞けました。