従来は壁よりも窓枠の方が少し飛び出すことが多かった木造の窓廻り。しかし断熱をどんどんと厚くして行く過程で、窓は壁よりも引っ込むことがむしろ近年は多くなりました。外壁より窓が引っ込む利点としては、雨によるサッシの痛みの軽減。また建物外観の印象も薄いシャープさよりも彫の深い陰影に富んだものに変わります。石造りの街並みの多いヨーロッパの建物よろしく、北海道の建物の特徴が際立つ意匠として最近は特に気に入っています。
壁面よりも窓枠が外に飛び出すシャープな納まり。「鷹栖の家2002」
窓枠が壁よりも引っ込む最近の納まり。「西野の家2011」
そんな訳で、簡単に窓が壁よりも引っ込むといっても色々と工夫が必用になりまして、窓の下に欠かせない水切りなんかは板金工の技量がもろに出る部分となります。写真は職長による完成した窓下水切りの様子。ピシッと直進性の良い精度が出ていてぜんぜんゆがんでいません。さすが職長!(笑)
0.4mmの薄板を二枚合わせに加工して端部を折り曲げ、0.8mmの厚板にして、一見アルミの厚板の水切りのようにピシッと精度よく見せています。
こちらは木製デッキが敷かれる梁の上の水切り。
デッキの下に雨が回りこんだ時に梁が痛みづらいように梁の天端(てんば:雨や日光の当たる面)には全て板金の水切りが回ります。こちらも美しい納まり。
おぼろげながら、縦張りの松板が見えてきた「西野里山の家」。
さてみなさん!明日も頑張りましょう。
さて今日はヘンデルのハープシコード組曲なんていかがでしょう。
http://www.youtube.com/watch?v=dYi6EcEkLmQ