2013年10月19日土曜日

発寒の家 外構工事

ガーデンジャパンの小坂さんと取り組んできた「発寒の家」の外構工事が完了しました。日当たりの良い家の前の南側スペースをどんな風にしようかといろいろ迷いました。デザインの定石から行くとコンクリートのスラブでピシッと!なんてありがちですが、最近大切にしているのは馴染むことで味わいを増す材料。建物を見てもお分かりいただけると思いますが木材は雨掛かりは日の光により美しい灰白色にそれ以外だと赤くあめ色に変化します。この変化がしょぼくれて行くのか、味として喜ばれるのか?そんなことを最近よく考えます。小坂さんの使う枕木はユーカリ材の貴重なものですが、耐久性も高く、一年で美しいグレーに色変わりし、周囲に馴染みます。同じくよく彼女が使う札幌軟石も表情は控えめながらけして不協和音にならない優れた素材です。むしろできたてが一番違和感があるのかもしれません。来年がとても楽しみです。

東側には一部黒土を入れて植栽のスペースを確保しました。

枕木を透かして敷いてその間に化粧砕石を入れ込んでいます。今後少しづつ下がるので随時足すことで砂利と枕木の高さを簡単に調整できます。

ポーチに置かれた鉢植え。ポーチをコンクリートで作り付けてしまわないのは、現在の建物の教訓を大切にしているからです。高齢化してくるとなんでもなかった階段がどんどん辛くなります。そんな時、壊すことがたいへんな作りは困りますよね~。そこで将来的に発生するであろうスロープのニーズに簡単に対応できるようにポーチを撤去可能に簡便に作ることが最近多くなりました。

裏の隣地との高低差を考え雨水が溢れ出さぬよう縁石を入れています。隣地が同じ高さでも新築すると僅かにこちらが高くなることが多いですからこうした配慮も必要になります。

階段横には札幌軟石の花台を置いて夏場の鉢植えが並べられるようにしています。この軟石もすぐに柔らかく苔むして周囲に馴染んでゆきます。
 
最近思うのは、時間の経過に対する可変性や環境に優しい素材で作る建物周囲のデザインです。一時期はアスファルトとかコンクリート素材なんかを多く使っていましたが最近は極力今までとは反対の材料を使うことにしています。クライアントさんの中にも家庭菜園や庭いじりが好きな人が増えてきました。とても嬉しく思っています。
 
今日は手島葵なんていかが?コクリコ坂より