2013年1月15日火曜日

西野の家Ⅱ 各部確認!


本日は準防火地域に立つ「西野の家Ⅱ」の各部分を確認しに来ています。日本で建物を設計する場合、なんと言っても配慮を求められるのが耐震性、次に防火性でしょう。「西野の家Ⅱ」では外壁は全て「防火構造」、建物で延焼の恐れのある部分に設置する窓は防火窓(防火設備)、外壁を貫通するパイプで一定口径以上は防火ダンパーが要求されます。特に防火窓は断熱性の良いものが少ないので悩ましいのですが、この北欧製の窓は国内の防火窓の認定も取得しているばかりか、抜群の費用対効果で価格、デザイン、性能を高度に両立することが出来ました。
寝室をわずかに暖かくするために部分的に床下に敷設した樹脂製の暖房用パイプ。(本来はコンクリートに埋め込んで使いますが今回は床下のコンクリート上に置いて用います。


最近は1階の床下の点検を容易にするために大きな床梁(大引)を用いません。その代わりに鋼製束と呼ばれるつっかえ棒を細い梁の下に取り付けて床のたわみを防止します。注目するのはコンクリートとのつなぎ目。接着剤を用いて不用意に束がずれないように配慮してあります。

一見、頼りなげですがこれで床が上下にたわむことはありません。

切断面がきれいな新型グラスウール。張りが強く形状の安定性も抜群。隙間なく施工することが簡単になります。

この防火窓の優れているところは、ガラスに網入ガラスを用いないで防火認定を取得しているところ。街中のマンションや繁華街のお店なんかを見ると気づきますが、日本の場合は防火用のガラスはこの網入りが普通。それなのにわざわざ高価な結晶ガラスを用いて認定を取ってくれるなんて...ガデリウスさんありがとうございます。(笑)

室内から屋外に跳ね出す天秤梁。窓の外に2m以上も張り出した庇が折れないように支えています。ちょうど窓の上の梁が、室内から屋外に跳ね出してゆく梁を受けているのが分かるでしょうか?

こちらはおなじみの通気部材ですが、防火地域専用のもの。火災に合うと内部の耐火発泡剤がふくれ、空気を遮断して延焼の拡大を防ぎます。

内部に見える耐火発泡剤が見えるでしょうか?


こちらはおなじみシート防水の0勾配屋根(通称:小室屋根)の最先端部分。立ち上がりが雨水を右側に落とすのを防ぎます。

最近こだわっているのがこの軒先の薄さ。シャープに丈夫にデザイン性と強度の求められる部分ですので色々と考えながら進化させてきた納まりです。下に先ほどの防火用の通気部材が見えます。

今日はパリスマッチなんていかが? http://www.youtube.com/watch?v=vOH76AqxwrQ