2012年12月28日金曜日

2012年おせわになったみなさまへ

今年も明日で仕事納め。不況が慢性化し建築業界になかなか新たな展望が見出せない中、今年もみなさまのおかげを持ちまして無事終えることが出来ます。この場をお借りして心より御礼申し上げるとともに来年も引き続きあたたかなご支援をいただければ幸いです。

今年は、ものづくりに対する設計思想を大胆に見直す年になりました。昨年の3.11東日本大震災の反省から電力依存を見直し、電気は電気にしか出来ないことに使い、ガスやペレット、それ以外のエネルギーで置き換えられるものは極力リスクを分散するように努めました。また万が一エネルギーを失っても建物単体で通常必用な室温の7割程度は確保できるように日射熱の取得や遮蔽、300mm断熱のローコスト化にも積極的に取り組みました。

「北海道スタイルの間取り」にも本格的に向き合い、大きな土間玄関のある間取りや室内からも室外からも使える物置、極力道産材を用いることを一層意識しました。

また光栄にも一般紙、建築各誌より多数の執筆依頼を頂戴し全国に向けて北海道の建築の今を発信する機会をいただきました。



昨年同様、たくさんのご依頼やお引き合いを頂戴しものづくりの機会に恵まれた一年でした。来年の竣工を目指すみなさまにおかれましては、少しでも理想に近づけますよう精一杯努力いたしますので今後ともどうぞよろしくお願いいたします。素敵な家づくりにしましょう!

■冬期休暇のおしらせ

2012年12/29(土)~2013年1/6(日)まで冬季休業とさせていただきます。
1/7(月)より通常営業とさせていただきます。

来年が皆さんにとってよい年でありますように心よりお祈りしています。
それではよいお年を!

やはり年末はベートーベンでしょうか(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=hEX445Nf0W4



2012年12月27日木曜日

西野の家Ⅱ 木製サッシ工事

本日は、厳しい寒さの中、すっかりおなじみ!ヘビー級の木製サッシ工事です。とは言ってもいつもとは少々内容が異なります。まず「西野の家Ⅱ」の建つ敷地は基本的にほとんどが準防火地域内。要は窓のほぼ全てが防火窓(法律では防火設備という)であることが求められるのです。通常なら網目模様が目にウルサイ「網入りガラス」を用いる必用がありますが、ガデリウスのエリートフェンスター(窓の製品名)は高価な結晶ガラス(鉄網を用いなくても防火性が担保できる特種板ガラス)を用いた防火窓をラインナップしています。そのおかげで準防火地域ながら通常の住宅地と変わりないクリアーな窓からの視界を楽しむことが出来ます。しかし問題はその尋常ではない重さ。火災のときにガラスが容易に落下しないように対策した枠周りや、防火性も大切ながら断熱性も犠牲に出来ぬことからトリプル化されたガラスの重量はハ.ン.パ.ナ.イの一言。 
重たいトリプルガラスに慣れた「チーム西野Ⅱ」のS職長も大苦戦。大の男三人で持ち上げることもままならず、慎重にずらしながら作業を進めます。



最大のものは1.8m×1.9m。重量は140kg級といったところ。



ほぼ真南にむいた二階のリビングは「発寒の家」に似た構成。異なるのは向かいが作業場のためにそこからの視線を外部テラスの腰壁によって完全に遮断するところ。庇の奥行きは「発寒の家」よりもさらに深くなり約2.7m。夏場の日射遮蔽を外付けブラインドに頼らずに行う仕掛けです。

ステンレス製の筋交いコボットは最近登場回数が多くなりました。

連日の雪が降り積もった屋根からの眺め。空は冬空鉛色!

外貼りされる断熱材はおなじみパラマウント硝子工業社製の新開発製品。今後主力となる超高性能グラスウールです。20kg/m3超細繊維で従来の16kg細繊維の製品より約1割の性能向上を果たしています。熱伝導率λは0.035W/mk。硬く腰が強いために垂直面のみならず斜め天井のようなところにも使え、結果として建物、内装デザインの自由度が大きく増しています。

いよいよ横綱クラスの取り付け。

無事中央に取り付けました。

前田の家 お引渡し

昨日、「前田の家」のお引渡しがありました。  ほっ!   今は充実感で一杯です。(笑)

昨年に引き続き厳しい冬場の工事を支えてくれた「チーム前田」のみなさん。ほんとうにごくろうさまです。また最後まで現場を統括していただいた剛建築工房のI所長とI棟梁、細部にわたるきめ細やかな対応に心より感謝いたします。思えば、クライアントさんから最初にご連絡をいただいたのが、2011年の2月17日のこと。当時のメールには...

「何度かブログを拝見させていただいて、「山本様のお仕事ぶりに非常に興味がありご連絡させていただきました。 」 (原文のまま)

こんな書き出しで全てが始まりました。

けしてめずらしいことではありませんが、その後はまたいろいろな展開がありました。
当初の敷地が変更になったことや、新たな土地探しのために約半年を費やさねばならなかったこと。単世帯住宅から親世帯の同居を視野に入れた間取りにコンセプトを変更したことや、建物の大きさのイメージが難しく、面積圧縮に苦労したこと等々...懐かしく想いだします。

でもできましたよー!(笑)

時間だけで見ると、ものづくりってなんて効率が悪いのでしょう?(はぁ~↓)しかし悩むことの素晴らしさ!、気付きを得ることの喜び!、出来上がるにつれて、あんなに悩んだことのどれ一つとして無駄ではないと気付き、深まる確信の数々!

ここ40年、日本の家づくりは出来合いの間取りを住宅展示場で買うことでした。それは忙しい日本人にとって手軽であるというだけで、自らの暮らしを考えることの大切さやものづくりの楽しみ、なにより住い手としての当事者意識を奪ってしまいました。
しかしそれ以外の選択肢もあることを示すことが出来てほんとうに幸せです。
また、この素晴らしい機会を与えてくれた若きクライアント夫妻にこの場を借りて心より御礼申し上げます。
吹き抜けから差し込む光が印象的なLDK。テレビとサラウンドシステムは全て隠蔽配線。

LDKの一角の畳コーナー

北向きの敷地ながら午前中も午後も日が入るキッチン。

I棟梁渾身の小屋組みと手摺。

オープンで明るく広いユーティリティー。

エコジョーズ(ガスボイラー)は格納され余分なスペースは物入れに。

玄関前にふわりと浮かした階段。下はワンちゃんのトイレに水呑み。

玄関横の靴箱は内照式照明で軽く浮かして奥行き感をじゃましないように。

洗濯スペースは明るい二階。

おなじみパッシブ換気の心臓部。奥に見えるレジスター(給気口)より外気を導入。手前のパネルヒーターで予熱。暖められた空気は建物各所に熱を配り換気も同時に行い排気されます。

進化したパッシブ換気の排気口。デマンド型。(上部スリット状のもの。下二つはパイプファン。)室内の湿度を感知して自動で換気量を調整する優れもの。

今日はアメイジンググレイス!ケルテックウーマンなんていかが!

2012年12月20日木曜日

雪の降る夜は!

先日は私の所属する(社)日本建築家協会の忘年会でした。仲間たちと久しぶりに交流し、今年と来年のお話しをし、貴重な情報交換の機会となりました。写真はその帰り道に撮った雪景色です。場所は植物園近くの北5条通りです。最近は住宅の照明に白色光をほとんど使わなくなりました。この写真を見ていると風景がその理由を教えてくれているような気になりませんか?(笑)

暖かみのある黄色の光が雪に映えて、何気ない日常が幻想的に一変します。効率的には水銀灯のような白色光の方が断然明るく感じますが、今私がしているようにその風景に感じてブログを書く人が増えるでしょうか?効率や数値はこんなふうに、「なんだか良い雰囲気」を説明するために使いこなすものであって、まず効率や数値の方面からばかりものを見ると大切な瞬間を見失いますよね~(笑)
でもみなさん、雪ってほんとうに美しいものですよね~(笑)

西野の家Ⅱ  建て方完了



みなさん、連日の大雪まいりましたよね~(笑)。雪かき出動率が限りなく上昇する今日この頃です。(笑)しかしそうは言ってももうすぐ今年も終わり、休んでばかりもいられません。「西野の家Ⅱ」では雪かきしながらの建て方が無事完了いたしました。U棟梁をはじめ大工のSさんHさんほんとうにごくろうさまです。いつもながら見事に建ち上がり、これからが楽しみです。


北側にそびえる子供室の塔屋。屋根の上にとび出すことで南側からの光で明るく室内を満たします。

いつものように接合部の金物の確認をしてゆきます。

各部分のホールダウン金物の指定強度や

先張りビニールシートとの取り合い

極端な傾き等がないか否か確認してゆきます。結果はかなりバランスの取れたものでした。基礎の精度も高く良好です。引き続き、本日からグラスウールを入れ込む断熱工事が始まります。もうだいぶ慣れましたが、現場に搬入されるグラスウールの量が一般的な住宅の約3倍程度になるので置き場所もたいへん。しかしブログで何度もお伝えしたり、内覧会の会場で実際に体感していただいているように200mm断熱と300mm断熱では室内の穏やかさが比べものになりません。つくる立場の大工さんはたいへんですが、住まう人にとって圧倒的なメリットが実感できるのが断熱工事の特徴です。もちろん200mm以上の断熱は夏季の暑さ対策にも非常に有効。「夏に窓を閉めていたほうが涼しいなんて不思議です。」なんて声も私のクライアントさんの中には多いのです。一見、北海道では常識のように感じる断熱工事ですが、実はまだまだ冬の寒さに対する後ろ向きな欠点対応と捉えるむきがほとんどです。しかしその実態は通年を通し居住者に恩恵をもたらすものであることはまだまだ知られていません。簡単に言うと「北海道では冬型断熱しか理解されていないのです。」私は作り手の一人としてクライアントの皆さんから与えていただく貴重な実践の機会を通して「通年型断熱」に北海道の建物を進化させたいと思うのです。

今日は川村結花でもいかがでしょう。

2012年12月17日月曜日

前田の家 内覧会のお礼

暮れの選挙に加え雨で足元がよくない中、「前田の家」の内覧会には70名を超えるご来場をいただくことが出来ました。この場をお借りして心より御礼申し上げます。
「さすがに選挙に雨じゃ日曜はまったく暇だよね~」と思っていたにもかかわらず、お昼を食べる暇もないくらい、かなりの盛況!今回は新聞広告をまったく入れていないにもかかわらず遠方からお越しいただいたご家族の方も多くてほんとうに嬉しく思いました。

大きなLDKと家の中心に置かれた大テーブルにストーブの炎。まだ小さな子供たちが、大らかな北海道らしさを感じながら育つことを意識しました。子育てに忙しいお母さんのために、キッチンから家中ほとんどの管理ができる工夫や、室内からも屋外からも使える北海道スタイルの物置、危険な寒さを除く一方で安全な寒さを残した心地よい揺らぎを感じる室内。北海道に住まう人なら「これ北海道の家ですよね~(笑)」と”にやり”とする工夫を詰め込みました。

ストーブ横の畳コーナーはお父さん達に大人気でした。夜は炎を眺めながらビールを一杯、昼間はお母さんと一緒に子供たちのお昼寝スペース。来客時には気軽な腰掛けとして大活躍しそうです。また印象的だったのは、ご来場いただいた方のひとりに「山本さんやみなさんは何気ない暮らしをデザインされているんですね!(笑)」と帰りしなに声を掛けていただいたことです。何気ないことの中にもっともっと素晴らしさを見つけられるようがんばろうと思いました。(笑)

2012年12月14日金曜日

明日は前田の家の内覧会!


さて明日は、「前田の家」の内覧会です。ぜひお越しくださいね。「チーム前田」一同、心よりみなさまのお越しをお待ちしています。(笑) 
三角屋根だから出来る子供室ロフトの提案や

間接照明に映える大垂木の斜め天井。

室内からも屋外からも使えるパントリー(食品庫)。その他、見所満載です。

2012年12月13日木曜日

明日は旭川へ

明日は、久しぶりに旭川へ行ってきます。実は今年、(財)北海道建築指導センターさんからのご依頼で私を含め4人の建築家で「北方型住宅をデザインする」という本を執筆させていただきました。その本をテキストにした北方型住宅の講習会が今年から来年にかけて全道8ヶ所で行われるのです。みなさんの街にもお伺いするかもしれませんからその節はどうぞよろしくお願いいたします。(笑)

そんな私の担当はまずは旭川地区さん。というわけで、明日の講習に道北各地から会場に集まる皆さんを退屈させることのないようにさっきまで準備中でした。(笑)

1988年に生まれた「北方型住宅」は北海道の優れた住宅仕様書として数度の改訂を経て今に至ります。寒冷地に相応しい家のつくり方を示す教科書として、たくさんの技術者に読まれ、今では結露や寒さで困る家はずいぶんと少なくなりました。反面、仕様規定(とりあえずはこうしなさい)の立場で書かれているために、建物の意匠性や街並みに関しては具体的に示すことが難しい点も指摘されていました。

北方型住宅とは? http://www.kita-sumai.com/

*:北海道の人は驚くかもしれないけど、たとえば全国には北海道と同じくらい寒い地域も多い。しかしたとえば軽井沢仕様とか長野地方版建設仕様みたいな、地域の実情に即した断熱の厚さや正しいつくり方を行政や公的研究機関が研究し、誰でも無料で使えるばかりか、大工さんや各工種の職人さんまでその知識が徹底している。なんていう、とんでもない地域は稀なのです。それじゃ~みんなどうやってるかって言うと、お見込みの通り、てんでばらばら。北海道に負けない積雪地域なのに、断熱すると建物が腐るからと頑ななまでに、伝統的な工法にこだわる作り手も未だに少なくない。特に専門家も熱に対する建築的な知見が乏しく、東京のホテルの窓が冬にびっしり結露し窓廻りが寒いことも当然と考える市民が圧倒的。

いくら性能がよくても無骨で無愛想な家に住みたいとは思いませんよね~?(笑)建築の難しいところは性能も見栄えも両立した上でバリエーション豊かな個性を住い手が選択できることではないでしょうか?たとえば街並みがよい!とか時がたつほど良い!なんて「とりあえずはこうしましょう」の世界ではうまく解決できません。でも確かに函館の坂の街並みや小樽の運河沿いの歴史的風景みたいに「これは良い!と全国から人が集まる場所が存在することも確かです。建築を問わず先進国のものづくりが必ず経験するように目で見て魅力的で使ってみて使いやすいといった魅力と訴求力あふれる建築をいかに作ってゆくのか?そんなお話しを明日はしたいと思います。
当日も会場に入れますからぜひお近くの方はお出かけ下さい。

北方型住宅技術講習会 詳しくは
(財)北海道建築指導センターHPまで http://www.hokkaido-ksc.or.jp/

今日はもうすぐクリスマスなので!http://www.youtube.com/watch?v=ys16HgDR3yI

2012年12月11日火曜日

前田の家 内覧会のご案内



ブログを通して現場の様子をお届けしてまいりました「前田の家」の内覧会を行います。ぜひ当日はお誘い合わせの上ご来場いただければ幸いです。
今回は、「子育て世代の方々」へのプレゼンテーション!お楽しみに!

週末はサービス残業という方のために、土曜日は夜21:00まで見学可能です。 

「チーム前田」  プロジェクトマネージャー   山本亜耕



「前田の家」とは?
■コンセプトについて
最近、二世帯同居の良さが見直されています。子供たちにとっても身近に両親以外の大人がいる環境は楽しいものです。私の子供時代も母方の祖父と祖母に育てられました。腕白坊主でしたからずいぶんお灸もすえられましたけど(笑)..そんな懐かしい時代も今や昔、最近ではどんどん子育てが難しい時代になっていますよね~。核家族は気楽な反面、子育てを両親で分担せねばなりません。しかし育児に参加する環境が十分とはいえない中ではお母さんにより多くの負担が集中しがちなのが実情です。少子化が社会問題化する反面、父親も育児を理由に定時の退社や休みがまだまだとりにくい私たちの社会。そんな時、二世帯同居は双方の世帯や子供たちにとってもメリットの多い選択肢のひとつです。たとえば家の中に親世帯、子世帯のエリアがあることは循環的な住み替えが可能になりますし、子供が独立したあと、家の大きさをもてあます必要もありません。親から子へそして孫へと住みつなぐ家を目指してクライアントとその母上と一緒につくった家です。

■全体デザインについて
「前田の家」はカジュアルな印象が特徴です。三角屋根のシンプルでオーソドックスなシルエットは時を経ても古くならないように考えました。全体的にはほぼ単世帯の面積で二世帯同居が可能なように建物の容積を目一杯使うために屋根を外貼り断熱とし天井裏も全てロフトとしました。(天井裏ナシ)吹き抜けの梁は新しい家族が増えたときにも個室の増築を可能にする備えです。またインテリアは茶系の好きなクライアントの奥様の好みを生かして落ち着いたトーンを心がけています。母上が大切にしているペットとの同居を考えた各部の設えやLDKにホール階段までも一連の空間に取り込んだ間取り、炎の見える居間やごろ寝が気持ちよい畳コーナー、この家のために特注されたキッチンセット。玄関を入ると思いっきり落書きが楽しめる黒板コーナー、床以外の各部の造作は北海道では一般的なアッシュ(タモ)材ながら各部に職人の技が光ります。まあ~「普通であることが素敵に感じる家!」そんなジャンルを目指しました。もちろん外からも内からも使える北海道スタイルの物置や家族で焼肉の楽しめるデッキ等々も健在です。さて、南側の空き地で家庭菜園でも始めちゃいますか~(笑)

■データー

①:Q値   0.9W/㎡/k
②:C値   0.1cm2/㎡(中間検査時)
③:必用暖房容量3.0kw(*:但し外気温-13℃、室温22℃の場合) 
④:断熱        新型グラスウールによる外貼+充填壁:33cm、屋根:40cm相当
             (*グラスウール24kg/m3換算)
⑤:換気      パッシブ換気(デマンド型排気口/㈱マツナガ)
⑥:暖房      主暖房:ペレットストーブ、予備暖房:温水パネルヒータ
⑦:給湯      ガス潜熱回収式暖房+給湯ボイラー(エコジョーズ/LPG熱源)
⑧:断熱サッシ  木製トリプルサッシ エリート社製/スウェーデン:㈱ガデリウス
           (アルゴンガス入りLOW-E3層ガラス+樹脂スペーサー) U:1.25w/㎡k
⑨:断熱材     極細繊維(λ=0.035w/mk)新型グラスウール
                         パラマウント硝子工業㈱ 

*:建築主さまのご好意により会場をお借りしています。内覧会終了後はお引渡しが決まっておりますのでご見学の際には、ご配慮をいただければ幸いです。また会場は住宅街ですので車でご来場の際は、近隣の迷惑になりませぬようお願い申し上げます。

「チーム発寒」 紹介

■プロジェクトマネージメント(設計、監理)  山本亜耕建築設計事務所

■生   産(ゼネラルコンストラクター)   ㈱剛建築工房

■建築環境計画                 (有)タギ建築環境コンサルタント

■断熱材                     パラマウント硝子工業㈱

■断熱サッシ、断熱玄関ドア         ガデリウス㈱

■ペレットストーブ及び道産ペレット     ㈱イワクラ

■オーダーキッチン              クリナップ㈱直需事業部

■製作家具                   ㈱匠工芸

■構造材                     イワクラプレカットシステム㈱



前田の家 製作家具工事

さてさて今週末の内覧会を控え製作が進むのは、「前田の家」のダイニングテーブルです。「発寒の家」のものはナラ材を用いた重厚なイメージですが、こちらは若いクライアントに合わせて明るく美しい木目が特徴です。「前田の家」の製作キッチンはエコシラ合板とステンレスを用いたデザインですから時間と共にあめ色に変化する表情を楽しんでほしいと思います。

すっかりおなじみになったテーブルのVの字脚。お誕生日席に座っても脚が当たらぬように、また6人掛けの際にもテーブルの脚が四隅に来ないので窮屈感がありません。匠工芸さんの家具を見ていつも感心するのは、日本屈指の高級家具のメーカーながら素材の豪華さや単なる見栄えで勝負をしない「ものづくりの哲学」を感じるところです。どんなに高級なラインナップも実際に道具として毎日使うことを考えて美しく丈夫に作る。私のつくる建築もそうありたいと思います。

2012年12月10日月曜日

発寒の家 お引渡し

さて、今日は「発寒の家」のお引渡しです。今までいろいろありましたけど、無事出来上がってほんとよかった~(笑)。道南杉のよい匂いに包まれて今は充実感で一杯です。納品の準備を妻と共に終え現場に向かいました。

リビングからの眺め。明るい家になりました。

こちらはキッチンからの眺め。製作はクリナップ直需事業部。

家具は旭川家具の㈱匠工芸。

二階にもかかわらず吹き抜け付きの明るい浴室。内装は道南杉板貼りです。

主寝室と間接照明。最近は茶系が人気のようです。

すこし日本以外のアジアの香りを意識した客間の障子です。

葛布を貼り、引手はアルダー材で加工したフスマ。

北海道の家に広めたい玄関土間。天井の格子が二階の明るさを下に落とします。

職人の手による各部のディテールも内覧会の楽しみですよね~(笑)写真は鉄製の丸棒を美しく曲げた階段の手摺の一部です。

キッチン収納の扉の手掛け部分。

シャープに薄く折り曲げられたキッチンの天板です。

下階に光を落とし、気配を感じさせる床のスノコ。もちろんアルダー材です。

かわいい!と大人気だった㈱匠工芸による床の換気ガラリ。

㈱店舗什器製作所によって削り込まれたアルダー材の手摺。

縦格子のように見える壁の杉の押し縁と遮熱ブラインド。縦と横の美しい縞模様もすっかりおなじみになりました。

今日は一緒にS.ブライトマンでもいかがですか。