明日は、久しぶりに旭川へ行ってきます。実は今年、(財)北海道建築指導センターさんからのご依頼で私を含め4人の建築家で「北方型住宅をデザインする」という本を執筆させていただきました。その本をテキストにした北方型住宅の講習会が今年から来年にかけて全道8ヶ所で行われるのです。みなさんの街にもお伺いするかもしれませんからその節はどうぞよろしくお願いいたします。(笑)
そんな私の担当はまずは旭川地区さん。というわけで、明日の講習に道北各地から会場に集まる皆さんを退屈させることのないようにさっきまで準備中でした。(笑)
1988年に生まれた「北方型住宅」は北海道の優れた住宅仕様書として数度の改訂を経て今に至ります。寒冷地に相応しい家のつくり方を示す教科書として、たくさんの技術者に読まれ、今では結露や寒さで困る家はずいぶんと少なくなりました。反面、仕様規定(とりあえずはこうしなさい)の立場で書かれているために、建物の意匠性や街並みに関しては具体的に示すことが難しい点も指摘されていました。
北方型住宅とは? http://www.kita-sumai.com/
*:北海道の人は驚くかもしれないけど、たとえば全国には北海道と同じくらい寒い地域も多い。しかしたとえば軽井沢仕様とか長野地方版建設仕様みたいな、地域の実情に即した断熱の厚さや正しいつくり方を行政や公的研究機関が研究し、誰でも無料で使えるばかりか、大工さんや各工種の職人さんまでその知識が徹底している。なんていう、とんでもない地域は稀なのです。それじゃ~みんなどうやってるかって言うと、お見込みの通り、てんでばらばら。北海道に負けない積雪地域なのに、断熱すると建物が腐るからと頑ななまでに、伝統的な工法にこだわる作り手も未だに少なくない。特に専門家も熱に対する建築的な知見が乏しく、東京のホテルの窓が冬にびっしり結露し窓廻りが寒いことも当然と考える市民が圧倒的。
いくら性能がよくても無骨で無愛想な家に住みたいとは思いませんよね~?(笑)建築の難しいところは性能も見栄えも両立した上でバリエーション豊かな個性を住い手が選択できることではないでしょうか?たとえば街並みがよい!とか時がたつほど良い!なんて「とりあえずはこうしましょう」の世界ではうまく解決できません。でも確かに函館の坂の街並みや小樽の運河沿いの歴史的風景みたいに「これは良い!と全国から人が集まる場所が存在することも確かです。建築を問わず先進国のものづくりが必ず経験するように目で見て魅力的で使ってみて使いやすいといった魅力と訴求力あふれる建築をいかに作ってゆくのか?そんなお話しを明日はしたいと思います。
当日も会場に入れますからぜひお近くの方はお出かけ下さい。
北方型住宅技術講習会 詳しくは
(財)北海道建築指導センターHPまで http://www.hokkaido-ksc.or.jp/
今日はもうすぐクリスマスなので!http://www.youtube.com/watch?v=ys16HgDR3yI