2011年10月22日土曜日

西野の家 気密測定2回目

本日は雨の中、西野の家では最終の気密測定が行われました。ブログでも回を重ねて訴えているように、建物のデザインと同様、性能もたいへん重要です。日本においては建物の性能を担保するために、長らく「仕様規定」といって厚さや量をとにかく遵守することが求められてきました。たとえば断熱材の厚さはグラスウール24kg/m3相当の場合15cm以上とする。といった具合です。こうした決め方は一見、明解にも見えますがそもそもなぜ15cmなのか?といった疑問には答えていません。建物の断熱性能は単純に使われている断熱材の性能ではないのです。確かに15cm使ってもそれ以外の部分が不完全なら実際は10cm分すら性能が出ない場合もままあるのです。そこで家全体に使う材料や敷地の日当たり、窓等の性能を勘案して家全体の断熱性能や燃費を一軒一軒個別に弊社では求めています。そのためにこの世のあらゆる建材や物質の熱伝導率に詳しいDr.タギ氏の能力が必要になるのです。ご存知建築に使うことができる物質は膨大ですよね?それらをクライアントの好みに応じて使えば当然1軒ごとに異なります。たまに「山本さんの壁仕様は300mmと決まっているのだから、ひとつ計算すればどの家も同じですよね?」と聞かれますが残念ながらそうではありません。同じ性能の壁でも、窓を少なくすることが求められた「西野の家」と景色を室内に取り込むために最大限に大きな窓を求められた「宮ノ丘の家」では家全体の断熱性能は異なります。要は壁のみに注目すれば同じであっても、日当たりや、窓と壁の面積の割合や敷地の特性から求められる間取りや建て主の考え方によって一軒ずつ計算し、実際の計測によって確かめられるところは確かめる必要があるのです。一度設計したら、後は同じコピーを行うのみといった考え方は、建築のものづくりには残念ながらそぐわないのです。前置きが長くなりましたが、最終の気密試験の数値は0.1cm2/m2と最高の結果になりました。本日は生産を担当した、武田社長の機嫌がさぞよろしいことでしょう。(笑)それにしても昨年の「南あいの里の家」についで二軒目は立派。さすがです!(笑)

ちなみにH22年度北方型ECOプラスの仕様規定によれば、「隙間相当面積C:1.0cm2/m2以下を実測で確かめる事となっています。」

それでは今夜は武田社長とDr.タギ氏のために!送ります!