春光の家が着工しました。まず最初に着手する基礎廻りの打ち合わせを橋本川島コーポレーションさんの本社で行いました。近年では基礎の役割が非常に大切になってきています。耐震性もさることながら、今回のプロジェクトでも基礎を断熱化し、室内の一部としてさまざまな用途に使う予定です。
①:床下暖房の敷設空間 比較的大きな面積を効率よく暖房することに有利な床暖房。単位面積当たりの床温度を25℃以下に下げ、全体の容量は面積でカバーする方式です。ただ一点の難点は、床に埋め込む管や線にもしトラブルがあった場合に床を壊さねばならないというところ。住人は一時仮住まいが必要ですよね~、そこで床下暖房の登場です。人が歩く床には暖房を埋め込まず、床下を配管用の床にします。こうすることで後になにかトラブルがあっても容易にメンテナンスに床下に潜ることができるのです。床下の天井高を約60cmとしましたから、平時は床下全体を大きな床下収納としても利用できます。
②:室内空気の熱回収の経路 北海道の中でも特に寒冷な気候の道北圏は、冬季間の平均室温が道央圏に比べて高いところが特徴です。札幌よりずっと寒冷でありながら建物の断熱仕様は大差ないものが多いところが残念ですが、結果としてより多くの燃料を必要とすることで前述の結果となるようです。地元の設計者にはぜひ奮起を期待したいところです。(笑)そこで春光の家ではこうした道北圏の特性にあった暖房方式を考えています。昨年「菊水の家」で試みた空気熱源のヒートポンプ。現在の技術を用いれば札幌圏の中でも比較的温暖な中心市街地近郊では、条件の厳しい冬場の外気から採熱しても十分省燃費でした。しかし同じ空気熱源のヒートポンプを外気温のはるかに低い旭川で採用したらどうなるでしょう?はたして「菊水の家」の建つ地域より10℃も気温が低い場所で、建物を温めるのに十分な熱が外気から採れるでしょうか?そんなことを考えて「東光の家」では同じ空気熱源でも外気ではなく、室内空気を熱源のヒートポンプを用います。より寒い外気から採れる熱は少なくとも、室温が高めなら、求めるものはそこにあります。また室内の調理器具や乾燥機に発生熱量の多いガスを選択していることも室内から豊富な熱を回収できる要因です。ヒートポンプは少ない熱を元手に大きな熱量を比較的簡単に作り出せるテクノロジーとして今後ますます私たちの社会に欠かせないものですが、建設地の気候やライフスタイル、地質の状況等を勘案しながら、ぴったりの熱源(外気熱源?地熱熱源?等々)を的確に選択できる見識が設計者には求められると思います。前置きが長くなりましたが、(すいません。)そうした室内の熱回収のための配管経路として床下を用います。管内の空気は床下の管越しに床下暖房で予熱されることで、温度降下を極力押さえながらヒートポンプの元手となるのです。
旭川からの帰りに美しい夕焼けに遭遇いたしました。がんばれ!チーム旭川!
夕焼けを見ながらカーペンターズでも。