明日は妻と子供たちが札幌に帰ってきます。夏休みで妻の実家に一緒に帰省したのです。かくいう私は、昨日旭川から戻り、今日は事務所で図面を書きつつ予算調整の仕事をしています。最近、巷では「育メン」といって積極的に子育てや家事に参加する男性が増えているとのことですが、私としては誠に嬉しい限りです。日本の男性ももっと家族のための時間を大切にするべきですし、家族と楽しみながら、子供たちに家庭の味を(昭和の頃、味の分野はもっぱら「おふくろ」まかせでしたが/笑)伝えてほしいと思います。
さて今日は我が家のミートソースをご紹介します。もともとは学生時代にバイト先の洋食屋の料理長から教わったレシピですが、たいへんシンプルで美味しいので子供たちには大人気です。男の子なら、カレー、ハンバーグ、ミートソースといえば三大好物なのではないでしょうか?そんな意味ではこのブログをお読みの数少ない独身女性の方にもぜひ試していただきたいと思います。(笑)
材料:(4人前)
ひき肉300g(70g~80g/人として計算)
トマト1kg(家庭料理なので種類は問いません。)
にんにく一かけ(みじん切り)
たまねぎ中1個(粗みじん切り)
赤ワイン(安価なもので可)
ハーブ類(特に決まりはないが、ローリエ、セージ、パセリ、オレガノ等)
スパイス:ナツメグ(ひき肉料理にはたいへん愛称がよい。)
水:100cc
塩:少々
まず材料をよく洗い。
大きなトマトは半割にしてスプーンの柄を使って種を出します。本来のよい仕事はトマトに隠し包丁を入れ熱湯にくぐし湯剥きした後にこのように種を取りますが、今日はながら仕事の間に作る家庭料理ですから、ざざっと大雑把に簡単に行きます。
完熟したトマトならミニ、中球、大玉なんでもOKです。大きいトマトの種だけとったら、小さいものはそのまま乱切りにします。
100CCの水と塩一つまみを入れて水煮にします。
沸騰したら焦げ付かないようにかき混ぜながら、中火で火を入れてゆきます。レストランのよい仕事は、ここでトマトのあくをとりますが家庭料理なら植物のあくはさほど気にしません。
七分目まで煮詰めたらピーマンを一個丸ごと入れます。但し投入後10分程度したら取り出すので、けして最初から入れてはいけません。
投入直後は水っぽかったトマトソースが約10後には
こんな感じになります。やく半分のかさになるまでトマトを煮詰めたらトマトソースの完成です。
これからは、もう一つのレンジでミートソースのお肉部門を解説しますが、実際はトマトの調理と平行して行っています。
フライパンにオリーブ油大匙一杯を熱しひき肉300g程度を炒める。
ひき肉を使った料理で大切なことはひき肉の水分を十分に飛ばしてから次の工程に移行すること。このコツを守らないと、なんとなく獣臭さ(肉のあく)の残る仕上がりになってしまいます。目安は油が澄むまでしっかり炒めること、水分が残っていると、油は白く濁って見えます。
もう一つミートソースを一段美味しくするコツは狐色にひき肉を焦がすこと。但しけして焦げ付かせてはいけません。最初はずっとフライパンとにらめっこかもしれませんが、慣れてくると弱火にして仕事をしながらたまにかき混ぜるといった程度で、なんとなく上のような感じになればOKです。
料理長曰く:「なぜ家庭で洋食のプロの味が出せないか?焦げ=苦味=旨みを知っている人が少ないから。」だそうな、たしかに家庭では焦げることは、失敗=わるい事と考えられる傾向が強く、はじめて聞いた時は目からうろこでした。
しっかりきれいな焦げ目が付いたら、たまねぎの粗みじん切りとにんにくのみじん切りを投入する。
よく混ぜて、再び弱火にして蓋をし、たまに見ながら、たまねぎがなくなるくらいまでしっかり火を通してゆく。料理長曰く:「第二のコツはたまねぎを普通の家庭の三倍じっくり炒める」だそうな、理由を聞くと、洋食では基本的に砂糖やみりんを使わないから、旨みの根幹になる甘みはねぎ類をじっくり炒めることで得ることが基本との事、旨みはコンソメや旨み調味料と考えていた自分にはまたまた目からうろこ。
ここで隣のトマトソースの濃度を確認しておく。この程度の濃度は必要なので薄い場合は煮詰めておく。パサパサとしたトマトの皮の食感が苦手な人はこの後ざるなどで裏ごししておく、種も皮もきれいに取れてソースがより滑らかになります。
先にも書きましたが、ひき肉に狐色に焦げ目を付ける事で、獣臭さはほとんどなくなりますが、それでもお肉くさいのは苦手という方は、ハーブをそのまま投入して下さい。写真はパセリ+オレガノ+セージ。後から取り出しやすいように刻んだりはしません。蓋をしたフライパンで蒸し焼きになったハーブが香りをお肉に移してくれます。
たまねぎがどんどん炒められ水分が甘みに変りかさが減ってきました。しかしここで油断してはいけません。もう少し根気よく炒めて...
このくらいになるまで炒める。ほとんどたまねぎの姿は消失。ひき肉の苦味に甘みが加わり、このままでも十分美味しい。何度も書きますが、最初は加減が分からないのでフライパンとにらめっこだと思いますが、慣れると弱火にして→蓋して→放置で全く問題ありません。もちろん途中で数回はかき混ぜますけど。
ひき肉はかなりぽろぽろ、たまねぎは姿を消してしっとり。が頃合です。
フライパンに、でき上がったトマトソースと赤ワイン(100cc)を加え再び加熱します。(10分程度)目的はアルコールを飛ばすことと、肉とトマトを馴染ませること。料理長曰く、焦げの苦味、たまねぎの甘みに、ワインの渋みを加えるのだそう。渋みというのも、そういえば、家庭料理ではほとんどお目にかからないジャンルの味覚。料理って奥が深いよなーと当時も思った次第。
最後にナツメグを二振り程度投入し完成。旨み調味料もチキンブイヨンもまったく使わない。料理長曰く:「洋食の煮込み料理は次の日が旨いよね、前の日に仕込んで次の日の夜に出すのはそういう訳なの。」だそうな、しかしここまで読んでくれた方はきっと辛いでしょうから、そのままパスタと絡めてください。(笑い)、最後に料理長曰く:「ナツメグの後に塩+コショウをしないのは、パスタをゆでる際に、お湯に1パーセントの塩が入っているから、」なのだそう。実際に、料理長はフライパンに茹で上がったパスタと昨日作った塩の入っていないミートソースをいれ、レードル(お玉)でパスタのゆで汁を加えながらソースの伸び具合を調整し、最後に塩+コショウで味を付けていました。
最終的なソースの濃度はこの程度、理想を言えば次の日が食べごろ、冷蔵庫に入れると乾燥が進み、水気がさらになくなるので、調理長のように、塩味の利いたパスタのゆで汁で濃度を緩めパスタにからみやすくした後に味を付けるのが理想となります。
タッパーに入れて家に持ってかえります。今の時期でも冷蔵庫で一週間はもちますから、時間のあるときに作り置きもよいのでは?
ところで、料理の話題の後にこの曲懐かしくない?(笑)/蘇れ~っ!!
http://www.youtube.com/watch?v=Kg1IjbIBXZQ&feature=fvwrel
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