2010年10月26日火曜日

南あいの里の家 断熱気密工事

今、現場では気密工事が終了に差し掛かっています。室内部分に貼る気密フィルムは経年変化に強いJIS A6930-1937、厚手の0.2mmフィルムを重ね、更に長寿命のアクリルテープでテーピングしてゆきます。

トップライト周りです。今週末に予定されている、気密測定に向けて入念に気密化工事が進みます。

長期優良住宅の構造要件である、通常設計+25%UPを満足させるために、南あいの里の家の現場ではステンレス鋼のブレース(筋交いを)用います。サッシを構造の外側に持ち出し、筋交いに干渉しないように工夫することで、外部には水平に窓を連続させながら、構造強度も確保します。

難しいのは気密層を破る部分。しっかりふさぎます。

今日は、みぞれ混じりの寒い日ですが、屋根が完璧にできているので安心です。日本の在来工法は、屋根から先に作りその下で外壁を貼り、内装をします。反対に枠組み壁工法(2×4工法等)では最後に屋根を乗せるために今時期の季節だと現場はぐっと大変になります。何気ない順序や手順の中にも、日本独特の四季に対応した工夫を感じませんか?

屋根の雨水が、破風を伝わるのを防ぐためと、シュッとシャープに屋根のラインを出すために破風は内側に45度転ばして(傾けて)あります。さらにこのまま、妻側(三角の屋根型が見える方向)は、登りながらさらに屋根の中央部が大きく跳ねだす破れ破風ですから、二次元の図面を見ただけではコーナー部分の寸法を出すことは出来ません。日本の大工さんは1:1の寸法の他にルート2倍の寸法も自在に差し金で扱います。うらがねと呼ばれ差し金の裏に書かれた目盛りを用いてこうした寸法を決めるのです。

妻側の破風と桁行き側の破風が転びながら閉じるコーナー部分。