2010年5月13日木曜日

石の産地札幌

「札幌はすばらしい石の産地です」と聞くとけげんそうな顔をする人がほとんどでしょう。確かに今北海道札幌と言えばメジャーな特産品は近郊で採れる農作物だったり、味噌ラーメンやとうもろこしに最近ではなんといってもスープカレーでしょうか?(笑)/ちなみに私は幌平橋のサヴォイというお店のスープカレーに目がアリマセン。話が横にそれましたが、そうかつて札幌は軟石の特産地として全道的にも有名でした。石山通の石山は軟石の石切り場を指しています。用途は主に倉庫や畜舎、サイロその他の建築物に用いられ多孔質で断熱性に富み軽量で加工性に優れた外壁の材料として大いに使われたものでした。その明るい灰色は穏やかで主張が少なくなんにでも合います。こけが生えやすく味わいを増してゆく様子は、ほんとうにすばらしい材料のみがもつよさでしょうか。小樽の運河沿いに建つ倉庫群も産地はさまざまですが軟石を用いていますよね。昨年32年ぶりにフルリフォームを行なった西岡の家。今年はお庭のデザインをお願いされました。お庭屋さんと考えたのが札幌軟石の庭。気取りすぎず、リーズナブルながら穏やかで建物ともけんかしないそんな庭。最近若い世代のクライアントさんは「お庭?いりませんよ面倒だから~」なんて方も多いのですが、ぜひこれを機会に土いじりを始めてはみませんか?

素朴なのに、醤油くさくなりすぎることもなく、和風の松にも薔薇にも合います。
石切の鋸目がきれいです。

タガネで引き割る様子、石目をはずさづに槌を振るうと。


気持ちよく割れます。断面もきれいです。


軽量な軟石といっても土留めの石は70kg以上あります。庭の奥に運ぶにはユニックのお世話になります。