2021年11月15日月曜日

ニセコの家テラス補修その他工事

 

2007年竣工の「ニセコの家」14年ぶりの補修工事の様子です。

最も痛みの激しい場所は二階のテラス。アクリル板の屋根が付いていましたが雪で壊れてしまい、床のデッキに直接雨が染み込む状態が続いていました。数年前から気になってはいましたが、建て主さんにとっては住まいながらの工事という事もあり、延び延びになっていました。新築時から使っていたペレットストーブが壊れたこともあり、一通り直そうと相成った次第・・さて約15年の傷み具合とは?

傷み具合とは裏腹に住まい手に取って一番好きな場所でもある二階のテラス。補強も兼ねて頬杖を追加して強度を上げます。

竣工当時は跳ね出し梁でしたが厳しい風雪に曝されて腐ってしまい梁継ぎが必要になったのです。やはり定期的なメンテナンスや点検は改めて大切だなと感じます。

こちらが腐ってダメになった材料。雨や雪に曝される環境で、木材がどのように傷むのかをよく知ることができました。

梁は集成材ですが、デッキを留めるビス孔から雨が侵入し梁の内部を腐らせているのが分かります。
こちらは柱の根元ですが、水を吸い上げて腐りやすい様子がよく分かります。やはり屋根がなくなるとすぐに傷み始めるところはデッキを作る際の大切なポイントです。

特に傷んだ時に直すことが難しい2階以上のテラスではこうした雨仕舞と定期点検&メンテナンスが重要な反面、外装の木羽目板は築14年でも痛みは少なく、水の滞留がなければ木材は非常に丈夫なことが分かります。

今年はもう冬なので外部の塗装は来年に回しますが、15年ぶりにきれいに生まれ変わる姿が今から楽しみです。











2021年11月1日月曜日

「サーム千歳」MS外断熱改修工事10月の様子

こちらは着々と進む「サーム千歳」の外断熱改修現場。4棟ある大規模マンションを順次、外断熱化して行くプロジェクトです。地球環境の未来を考える上で今後益々重視すべきは「既存ストックのグリーン化」。そのためには、先細る新築の高性能化だけでは難しい!なので、積極的に取り組んでいます。

上の写真は、シール材の接着強度を下地別に確認しているところ。下地の違いによって接着強度は当然異なるのでよく確認して、適材適所に相応しい製品を使用する。

この日は北海学園大学工学部のみなさんが現場視察にお越しになりました。現場解説をしていただいているのはH主任。

こんな風に壁に75mmの断熱材で外断熱し既存のコンクリート躯体をスッポリ包んでしまします。もちろん室内の温熱環境が改善するのはもちろん、躯体の経年劣化も軽減できますから、定期的な修繕サイクルが伸びて住まい手の負担が減ります。

2021年現時の新築工数は概ね80万戸/年・・今後益々新築が減る中で既存住宅の総数は約5400万戸だそうです。2050年の0カーボン社会を本気で目指すなら、いかに既存住宅をグリーン化して行くのか・・悩ましいですが逃げずに積極的に向き合いたいと思います。