2021年9月30日木曜日

桂岡の家Ⅱお引渡し

2021年9月26日に「桂岡の家Ⅱ」を無事お引き渡ししました。約4カ月以上に渡り建設に携わっていただいた全てのみなさま、丸作吉田建産株式会社の吉田社長、N所長、M棟梁そして、今回の貴重な挑戦の機会を与えていただいた建て主さまにこの場をお借りして心より御礼申し上げます。みなさん本当にごくろうさま!そしてありがとうございます。

眼下に広がる雄大な石狩湾を眺めるために敷地のどこに窓を設けるのがいいのか?そんな検討から始まった「桂岡の家Ⅱ」でした。

北東側に広がる美しい石狩湾の眺めを得る居間の窓は、順光で照らされた緑も室内に取り込みます。これからの季節は毎日進む紅葉の赤や黄色が楽しみとなるでしょう。

山と海を愛しサーフィンとウインタースポーツが大好きな家族の住まいです。

こちらがその眺め。晴れて天気がよいと対岸の浜益方面まで見渡せます。普段は沖を行く貨物船、夜間は漁船の漁火も見えて、坂の街小樽の素敵な住宅街が桂岡です。

小樽と言えば市街地の運河や歴史的保存街区が有名ですが、こんなに札幌に近くて環境の良い住宅街は中々ありません。

ご近所さんも古くから住んでいる人たちが多くコミュニティーがしっかりしている印象。住まい手さんと一緒に土地探しをしている間も目が合うと必ず挨拶してくれる姿が好印象でした。

南東側からの立面は前面道路からの視線の侵入を抑えながら、最近特に対策が必要な夏の暑さを抑えるために窓面積を意識的に絞っています。また海を見下ろすテラスは大胆に左手の斜面の上に跳ね出して設けました。

その分一般的な建物よりも断熱を強化し、北側の窓を最大化して景色を取り込みます。

南面には山が迫っているために、南西の光は山に隠れて届きません。そうした理由も定石としての南面採光にこだわらなかった一因です。

雑木林の続く傾斜地を切り開いて作った住宅地なので、建物周囲には様々な高さが存在して、建物の間取りと呼応させることで面白い空間体験ができます。

テラスは丘上からの視線に配慮しつつ雑木林の中にあえて貫入させて、テラスに出るとふわりと緑の中に浮かんだような気分になります。

夜間はまちの照明器具のように浮かび上がるお馴染みの縦格子です。

こちらは海を眺める居間の大窓とテラスの位置関係がよく分かるカットです。階段状に切り土された住宅地に建つ感じがよく分かると思います。

テラスからは雑木林越しに海が見えます。

こちらは夜景。雑木林に貫入したテラス。暖かな室内の光が漏れる夕暮れの風景です。

居間からはいつも海が見渡せます。

今日はBTSなんていかがでしょう。国連より













 

2021年9月15日水曜日

南沢の家お引渡し

 

本日は「南沢の家」のお引渡しでした。

先ほど取り扱い説明とお引渡しが完了したばかり。5月の連休明けから早4カ月の耐震&断熱改修が無事完了しました。
この場をお借りして現場に携わったみなさん、そして貴重な学びの機会を頂いた建て主さまに心より御礼申し上げます。みなさん今までごくろうさま。そしてありがとうございます。

想えば築30年の断熱建物を現在の視点で耐震&断熱改修するという経験は中々得難いもので・・新築では当たり前にできることがそもそも難しかったり、「作る」という作業の前に必ず「解体」と「修理」という工程が欠かせなかったり・・

いつもながらいかに新築慣れし過ぎているのかを痛感するよい機会でした。

中でもリフォームは熟練の大工さんの腕が何倍も必要なことがよく分かった現場でした。

2021年現時で、国内には約5400万戸の既存住宅のストックがあるそうで、これからの省エネや、温暖化ガス削減はまさに新築のみならず、こうした膨大な中古ストックをいかに改修するかに掛かっているそうです。

そんな意味では凄く現代的で最先端の仕事を体験できたと感じています。ここ10年で採用して来た0勾配シート防水屋根やパッシブ換気、新築にも既存改修にも有効な外張り断熱工法、木製外壁、木製カーテンウオール、白樺合板による美しい内装等々・・建て主さまにはまた新たな住まいとして毎日楽しく住みこなして頂けたらと思います。

いつものようにお祝いのお花を買って・・・

まずはクリナップさんによるキッチンの取説から・・

飛栄建設の松田社長による各部の取説、保証書等のファイリングの確認。そして鍵のお引渡しです。
取説が一通り終わるころには外は夕暮れに

住宅街にまた新しい風景が加わりました。

あれっ、新しい感じなのに前からあったような・・不思議な感じ。そんな風に街のみなさんに感じてもらえたら嬉しいと思います。リフォーム最高!(笑)

今日はVan Halenなんていかがでしょう







2021年9月14日火曜日

グッドマン換気口

 昨日、いつもお世話になっているパネルヒーターのPSさんのことを書いたら「ところでヒーター上のBOXはなんですか?」というメールを頂きました。毎度ながら・・というか最近特に「そこっ!」ってところに食い付いていただいて誠にありがとうございます。(笑)


実はこの「南沢の家」築30年の家で間取りがまだ「寒さを解決できていない時代」のもの・・要は寒い玄関やホール、階段といった共用部に対してすべての居室が間仕切り壁とドアで仕切られる一般的なスタイル。間取りは気に入っていて変更はしないでほしいという要望を前提に・・現在の断熱建物の水準に引き上げるのが私のミッション。もちろん断熱改修が目的なんでメインは開口部を含む「断熱」なんだけど単に窓やその他を断熱強化するのは間違い。っというか副作用の方が大きくて危険・・ご存知「計画暖(冷)房」と「計画換気」をどうやって改修後の断熱レベルに最適化させるのか?/但し閉鎖的な従来の間取りのままで・・っていうところが計画上のキモなんです。はなから開放的な間取りならいつも新築でやるような給気と排気をまとめたスタイルで解決できるけど・・部屋どうしが仕切られて独立しているような保守的な間取りの場合は・・各室独立して使えるパッシブ換気とその給気予熱を考えないといけない。

もちろん中間期は機械換気併用となるのでその時は給気口としても使えないといけない。そんな理由でパネルヒーターの上部近辺に給気口を配置するのが輻射式暖房の代表的な計画手法なんです。もちろん給気口は冬場、単独で給排可能なもの、中間期や夏季は専用給気口となるものをチョイスしています。

グッドマン換気口 http://www.kankiko.com/goodman.html

2021年9月13日月曜日

PSのパネルヒーター


今日は北海道でお馴染みの暖房器具パネルヒーターの話題です。

 PSさんのHRヒーター。縦型がHX、横型のVXシリーズ。そしてタオルボーイの通称で呼ばれるYUCCA・・古くは札幌オリンピックの選手村や旧荒谷邸に採用されたのも同じく北広島工場から出荷されたもの・・そう考えるともう半世紀のお付き合い。PSさんいつも最高の製品をありがとうございます。

PSさんの製品はとにかく各部がきれい

横型のVXは地域の定番

室温で自動的に温度調整を行うサーモバルブ周り

うーん・・今や私の設計でははずせない信頼のブランドです。

おかげで音もなく気流も感じず最高の暖房品質が実現できます。あまりに身近過ぎて・・慣れすぎちゃっていてごめんなさい。また工場見学に伺います!(笑)

PS株式会社 https://ps-group.co.jp/