2016年10月3日月曜日

円山西町の家 ディテールその一

「円山西町の家」の特徴は角部分の視界が開けた窓。コーナーウインドウです。小さな家を広々と見せるためには色々な工夫が必要です。視線を極力遮らないのもその一つ。部屋の角を閉めてしまうと人の眼はそこで空間の大きさを勝手に決めてしまいます。もちろんうんと大きな家ならそれでもかまいませんが、小さな家はなかなかそうは行きません。そこで建物の隅から外に視線が通る窓を考えました。南東と北東に付いていてそれぞれの視線を外に通します。南側の窓はキッチンと食堂そして夏場の日射遮蔽を考えて高さを抑えて横長に作り、北側の窓は眼下に広がる街の景色と素敵な夜景を楽しむ窓として高さを大きく取りました。

こちらが北東のコーナーウインドウ室内の天井部分がガラスの外に伸びる庇の軒天上と連続するように高さを合わせます。視線が目印を追いながら外へと広がります。

手前の空間と奥の空間をつないで広々と見せるためにはドアの上にある下がり壁をあえて取り去ります。要はドアを開けると天井が奥まで連続しているように見せることで空間の区切りを曖昧にしてしまうのです。

こちらは白樺積層合板を用いた階段。U棟梁の腕の見せ所です。

普段はこんな風に拡大して建築の部分を見ることは少ないでしょう。しかしこうした部分の緻密さもとても大切なところです。

階段からニ階の空間を見上げたところ。視線が抜けたり、受け止めたり近くから遠くまで飽きのこないパノラマ(室内の遠近感)を作ります。階段を単に壁で囲んでしまうと二階に上がるワクワク感が減少します。難しくもあり悩ましい部分です。

今日はカーリーなんていかが?相変わらずキュートです。(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=H7HmzwI67ec