ふと気付けばゴールデンウイーク。そろそろお花見も~なんて言っていたら・・・あっという間もなく桜ももう終り。そんな中で「山の手の家」の性能向上リフォームが始まります。
でも一見して「えっ?」とお感じの方もいらっしゃいますよね、「リフォームといったってぜんぜん古く見えないじゃないの?」大勢の方がほぼ例外なくそうした印象をお持ちだと思います。実際に完成したのは平成14年の6月ですからまだ13年も経っていません。実は2015シーズンの始まりは「新しい家なのに大規模なリフォーム」というプロジェクトです。
内覧会で数回お会いしたのをきっかけにお話しを伺うことになった「山の手の家」のクライアントさん。築12年の新しい立派なお宅にも関わらず一番の問題点は寒くて仕方がないとのこと。暖房は温水式パネルヒーターが窓の下に設置されていて一見なんの問題もありません。しかし奥さまからひと月の暖房費を聞いて絶句してしまった次第・・・。まずはその原因も含めて究明すべく図面をお借りして調べてみると色々と改善点が見つかりました。まず前提としては施工も設計も取りたてて悪いということはありません。しかし1階部分を無断熱のRC(鉄筋コンクリート)で作り木造の二階と三階をその上に載せるという基本構造は高断熱化の工夫なしには温熱的に非常に不利です。無断熱のコンクリートは冬になると冷えるばかり、その上に作られた二階は床が冷えてたまりません。暖房機はありますが床全体を暖めるには小さすぎて役に立たず、大きくしようにも既に暖房費が限界という状態。三階は熱的には二階よりも暖かですがLDKとなっているために今後は上下の動線的に難儀が予想されます。また大きなトラックが家の前を走るとかなり三階が揺れるそうで動線ともども耐震性も心配という状況でした。実はこの「寒い」と「耐震性」の問題、よくリフォーム時に話題になります。それくらい一般的な悩みという訳ですが、基本的にこの二つに答えることは建築的にかなり大掛かりな取り組みが必要となることは憶えておいた方がよいでしょう。言い換えるとこの二つを解決するためには建物の骨組みから見直す必要がある場合がほとんどなのです。
お話しを伺い、話しに話し合って出した解決策は、写真の3階部分を丸ごと解体(減築)し、ニ階の床と壁を300mm断熱化した上でLDKを二階に下ろし作り直すというものです。もちろんそのために二階の間取りはがらりと変わり寝室エリア+水廻りエリア+LDK+収納エリアが全て二階に集中します。要は二階に浮いた平屋感覚の住まい。一階はカーポートや玄関エリアとなります。
さてGW明けから着工、まずは三階の解体ですが建て替えとは異なり、直すための解体ですから大工さんを三階に上げて丁寧に少しづつ行います。したがって解体現場にお約束の重機は使いません。いわゆる手解体というやつで大工さんの腕が頼り。
担当は丸稲武田建設のU棟梁、クライアントさんと一緒にどうぞよろしくお願いいたします。(笑)
素敵な家に生まれ変わらせましょう!
今日は山下達郎!なんていかが https://www.youtube.com/watch?v=XbLCcMmm7UE