2012年11月7日水曜日

前田の家 内外装工事

毎日、毎日雨ですね~...。みなさまいかがお過ごしですか。写真は無事に葺き終った「前田の家」の屋根です。一見普通の横葺き屋根に見えますが、実は無落雪タイプのものです。以前にもお話したようにここ最近は落雪する屋根は作っていません。三角屋根の無落雪がなぜ良いかというとひとつには、雪が落ちないために「建物のどの面にも玄関を計画できる。」ということが言えます。当然のように雪が落ちる三角屋根だと雪の落ちる勾配方向の面には窓や出入り口は配置し難くなります。要は三角形のかたちが正面に見える方向にしか玄関は計画し難くなってしまうことが、結果として間取りの自由度を狭めてしまうのです。

たとえば道路が北側の敷地の場合、通常だと玄関は道路に近く、反対に居間は南側といったように離れがちになります。両者が離れると双方を結ぶために長い廊下やホールが出来やすいのは想像がつきますよね~?(笑)しかし無落雪の屋根を使うことで、玄関を落雪を気にせず居間の近くに取ることが出来るのです。面積条件が厳しい事が多い住宅はこの長い廊下が必要か否か?は、実に大きな問題です。さらに敷地内に雪が落ちないならば、駐車や敷地内の通路も自由に計画することが可能になります。車の依存度が高い地方都市で、自家用車の置き場を敷地内に取れるか否か?これまた大きな違いですよね~?(笑)。

結局、屋根のかたちは三角が良い、間取りは極力自由に、面積は無駄なく使いたい。車は複数台敷地内に停めたい。といったような、建て主ならば皆当たり前に思う事柄が「雪を落とさなくてよい!」三角屋根ならば比較的楽に実現できます。

四角い陸屋根は形が要求(無落雪)を満たすという意味で素直なデザインと言えますが、シンプルな三角屋根の街並みや屋根裏の斜め天井の心地よさもなかなか捨てがたいと私は思うのです。そんな理由で「雪の落ちない三角屋根?」といった、一見矛盾するようなスタイルも私的には「あり!」と思います。もちろん世の中にはかたちが素直に機能や要求を満たすものこそ本物である!といった考え方や美学もあるとは思いますが、私はむしろ色々なかたちがあったほうが四角い屋根一辺倒よりも街並みが楽しい気がします。(笑)さてみなさんはどう思いますか?

窓を雨や雪から守る役目の雨切り屋根こちらは雪が少量落ちます。

さてこちらは内部の様子。アルダー材の床が貼りあがってゆきます。

厚みは19mm、巾は120mmという見事なアルダー材(ギターなんかの材料)のフロア。もちろん無垢材です。

今日はポリスなんていかが?