5/17(木)は建築家仲間の灘本幸子さん大杉崇さん、建築ジャーナリストの登尾未佳さんらと旭川へ。目的は毎年恒例の北方建築総合研究所(通称:北総研)の調査研究発表会への出席です。以前は札幌に在った寒地建築研究所を道北の旭川市に移し早10年。10周年も兼ねて今年も興味深い催しとなりました。
そもそもなぜ、北海道にこうした大きな研究機関があるのか不思議に感じる方々も多いと思います。ひとつには広大な面積、地域により異なる厳しい気候や開拓、殖民の歴史が信頼性の高いさまざまな分野の暮らしの知恵を必要としてきた。といえると思います。移民が新たな地で暮らすために必要とする広範な知恵。歴史的にいえば札幌農学校(現:北海道大学)に見られるような、農学(食糧生産を中心としそれらに附帯する多くの事柄)との取り組みなどもまさに好例といえるのではないでしょうか?当然ながら食の次は住と衣に関する要求が高かったことは想像に難くありません。そんな意味では私たち地域の建築家が普段から何気なく使っている知識や設計の手法といったものは、実は長い歴史や経験というよりは、熱心な研究者や貴重な実践を行ってきた先輩たちの功績に頼るところが大きいともいえます。しかし毎年残念なことは、こうした素晴らしい知の財産ともいうべき催しに地域の建築家の参加がたいへん少ないことです。
毎年ですが、実務ですぐに使える資料がたくさん配布されています。
北海道も過去、たくさんの災害を経験してきました。そうした体験から作られたパンフレット。開くとまず、東日本大震災の被災者に対するお見舞いから始まる。
以前は1冊にまとめられていた「リフォームマニュアル」は今回、計画編と技術編に分けられてリニューアルされました。
再生可能な建築材料として木材に対する注目が高まる中、難易度を要求される接合部に関する設計の手引き。
興味深い研究発表の内容は次回のブログに書きますが、まあ今回も仲間たちと感じたのは、自分たちが幸せ者であること。今後急激に建物に対する省エネや創エネが求められるようになるでしょう。北海道の建築家でよかった~(笑)