西野の家も後半戦に突入です。10月には内覧会も企画していますのでお楽しみに!さて現在の工程で大切なことは、出来上がりをイメージした下地や骨組みができているか否かの確認作業です。どんな家でも工事中の注意書きがそのまま床に残っている家なんてありませんよね~?当然ながら、内装工事の最中に最後の仕上げを待つばかりの壁や床に指示や注意書きなんて書けません。そこで内装工事のちょっと前がすんごく大切になります。上の写真はアイランドキッチンの置き場所と排水の位置を床に書き入れたもの。特に床を貫通する管の位置や大きさには注意が必要です。画面中央に「下の天井はありません」との注意書きが示すとおり、排水の位置によっては1階の天井が残念なことになります。
武田社長自ら、レンジフードの位置や電源コードの位置、隣り合う吊戸棚の高さ等々をグラスウールに直接墨出しして行きます。腰の左右にある黒いボックスはコンセント、天井から下がるのは照明に電源を供給するコードです。
西野の家の内装の特徴は針葉樹合板という気取らない素材を用いて、ざっくりとおおらかに作ろうと思います。繊細な材料を用いる緻密な仕上げも大好きなのですが、今回は気取らず暖かみを感じる仕上がりを特に意識します。頑丈でありながらともすれば素朴すぎる材料である針葉樹合板。着色して板目を生かすのも悪くありませんが、今回は柱や梁と一緒にあめ色に味わいを増すことを狙ってあえて生成りのまま使います。貼り方は「目透かし貼り」。板と板とをぴったりくっ付けるのではなく、一定の巾を空けて貼ってゆく方法です。目地割の規則性が素朴な表情に秩序を与え、最後に印刷をやすりで消せば、一見無愛想な針葉樹合板が、ざっくり暖かなまま適度な緊張感を保って内装に仕上がります。目透かしのコツは貼る材料の厚さと透かす目地の幅の関係性をしっかりとデザインすること。簡単に言えば材料の厚さ以上の目地巾は出来上がりが大味になって誠によろしくありません。今回は9mm厚の合板を5mm目地で貼り込みます。なぜ目地巾を材厚より小さくするか?下の写真のように離れてみると目地の底が影になってピシットした表情になります。上の写真はストロボを焚いているので目地の底が見えていますがなんだか締まらないでしょう?(笑)ちなみに構造金物も平坦部の小さなものを指定して少しでも目に付きづらくしています。
極力柱や梁の芯で割り付けて、構造材の間隔をリズム感として室内のデザインに表現します。古くは日本の真壁(和室は柱や梁が露出し、その間が壁になっている。)のように構造材=内装デザインといった用即美の感性をちょっとだけ意識します。
屋上に飛び出した塔屋、手稲山を望むと共にパッシブ換気の排気口、機械換気の排気口を兼ねます。もちろん等間隔に管径も揃えて割り付けます。
いよいよ来週は外壁に道南杉を貼りはじめます。
さてさて今日はこんな感じでいかがでしょう?秋がそこまで来ています。