本日は、菊水の家の配筋検査です。要領は構造図とよく照らし合わせて、鉄筋のサイズ、本数、間隔、結束の具合、ぐらつき、定着長さ、補強筋の位置、ベース底盤の被り厚さ(鉄筋がコンクリートに覆われる厚み)等々を確認します。最近では、医療で言うところのセカンドオピニオン。施工者と設計者の他に瑕疵担保責任保険の検査員(建築士)の検査にも合格せねばなりません。監理者としては緊張しますが、長い目で見るとむしろ良いことの方が多いのです。自分以外の目で客観的に現場を見てもらったり、アドバイスをもらうことに聞く方も言う方もどんどん慣れることで結果的にはミスが減り品質も向上すると思います。
基礎の十字交差部は鉄筋の混み合うところ。縦筋(垂直方向の鉄筋)に対して外廻しか?内廻しか?後ほどセットされるアンカーボルトが基礎の中央に入るクリアランスは取れているか?確認して廻ります。余談ですが、菊水の現場は、現場所長の好みで、基礎の底に捨てコンを敷く方法です。ビル物出身の所長の多くはこの捨てコンに直墨(直接線を引くこと)を出してゆく方法を好む人が多いです。反面、木造出身の所長達はあまり捨てコンを使いません。作る基礎の横に平行に水糸を張り、そこを基準に寸法を追い出します。つまり図面の寸法に平行に離れた分の寸法を絶えず足して図面通りか否かを確認してゆくのです。図面寸法が3.6m、逃げ寸法が0.2mならば基準から3.8mで図面どおりといった具合です。前者は洋風の工法に属し、後者は和風の工法に属します。寸法の押え方一つでもいろいろな工法があって興味深いものです。