本日は、仮設足場工事です。言い遅れましたがお隣の敷地も工事が始まりました。さすがに二階建ては進行速度が速く、もう一階の柱が建っています。私たちの現場も遅れないように頑張ります。
2010年9月30日木曜日
2010年9月22日水曜日
南あいの里の家 トラス工事
本日の工程は、小屋組みの製作に入っています。二階を総吹抜けにする為にA型トラスを組み、二階の床上で組み立ててから、柱の上に乗せ掛けます。ユニッククレーンを応援に呼んでトラスを吊り上げ乗せ掛けるのでかなり豪快な景色になりそうです。
二階の床上で製作中のA型トラスです。
細かなことですが、不細工な構造金物が露出せぬように特殊な引き寄せ金物を用います。
菊水の家 並木撤去工事
本日は、前面道路の並木を撤去しました。菊水地区は古くから開発が進んだ住宅街です。並木や花壇等々、都市インフラが多い反面、ガス管の埋設等々掘り返す場合は特に注意が必用です。
長らく通りを守ってきた銀杏の並木。極力残す方向でプランニングしましたが、どうしても一本は撤去せざるを得ませんでした。
手前がカーポート。撤去した並木はそのまん前にありました。
建築のほうは床下に断熱材を敷き込んで、割れ止めのメッシュを敷いて土間コンクリート打設の準備です。
拡大するとこんな感じです。
2010年9月20日月曜日
南あいの里の家 建て方工事
南あいの里の現場で建て方が始まりました。基礎の上に土台を敷き、柱を立て梁を渡してゆきます。私の設計では胴差シ(2階の外壁周りの梁)は通常の3寸5分(10.5cm)ではなくて7寸(21cm)が基本です。計算上は前者で十分ですが、建築は長く使うものですから梁や柱にはゆとりある大きなものを使うように師匠に教わりました。たいへんなのは大工さんです。同じ長さの梁でも通常の倍の重さになりますからみんなで息を合わせて持ち上げて、掛矢(かけや)と呼ばれる木製のハンマーでほぞ穴にほぞを叩き込んでゆきます。見ての通りたいへんな重労働です。おまけに上に乗る小屋組みも特製の木造トラスですから大工さんにはほんとうにたいへんな現場です。そんな南あいの里の現場は長年お世話になっているU棟梁とお弟子さんたちにつくってもらうことになりました。以前より弊社設計の建物を手掛けていただいている丸稲武田建設の一番手棟梁として数々の難工事を一緒に乗り越えてきました。気取らない岩手弁とどんなに忙しくても手きざみ(大工自らが墨付けを行い骨組みの設計と加工を請け負うこと)を嫌がらない人柄は大工さんの中でも最近ではずいぶん少なくなりました。今回は長期優良住宅の条件として25%の強度UPや構造計算を優先せねばならないことから、構造材の設計加工はプレカット工場にお願いしましたが、本人はそれが少し残念な様子。確かに社会の流れは分かりますが大工の腕前も落ちないような上手い方法が無いものでしょうか?(笑)
7尺の梁だと3mものでも一人で上げることは難しいです。
梁の「番手」と柱の「番手」を合わせて掛矢(かけや)で叩き込みます。きゅっ!と音がしてほぞがほぞ穴へ吸い込まれます。このとき素直に入りすぎても、硬すぎても棟梁の怒声が飛びます。ほぞは穴に対して鋸目一本分太く作り位置合わせのときは先端が入りやすいようにほぞの先端に4面テーパーが施してあります。要は釘なしでも抜くのに難儀するようにかつ梁のほぞ穴を割らないように絶妙なしまり具合で梁の上に柱が立つこと。これを確認するための音がほぞとほぞ穴が摩擦で発する「きゅっ!」という音なのです。
7寸の胴差しの上に大工が乗り90度方向に7寸の梁を落とし込んでゆきます。
この写真を見て「ほう~」と目を細める人はかなりの木造マニアですね~。(笑)2階の梁(水平材)が太いこと、建物の四隅の柱が一本物で2階まであること、さらにそれが通常の2倍の大きさの柱であること。またそうした大きな材を使うことで接合部の強度に余裕が出ること(通常の10.5cm角の柱を二方向から加工させると純粋に柱として残るのは9cm角程度、これが3方向なら7.5cm×9cm、4方向なら7.5cm角しか柱の断面として残らないが、元の柱を10.5cm×21cmとすれば加工後も大きな断面が残せます。)等が木造には大切です。最近は継ぎ手や仕口に金物が多用され、その効能ばかり注目されますが、金物を取り付ける際の加工削除による材料の断面欠損も同じように注意が必要です。大きな力を負担できる金物を付けたなら、同じように材料にもその力を受け止められる余裕を見てほしいものです。
棟梁との一作目は2005年、190坪オーバーのグループホームでした。5軒分の量の材木を全て手きざみで加工していただいた思い出深い仕事です。
二作目は同年の星置の家。
第三作目は同じくグループホームの姉妹館
第四作目は新川の家でした。
新川の家の手書きの手板を前に打ち合わせ。
敷地が狭く隣地からユニッククレーンの応援を借りて建て方を行った新川の家。
2010年9月16日木曜日
南あいの里の家 基礎天端均し
とび職が足場を組み立てると、もう直ぐ建て方(土台を敷き柱を立てること)が始まります。本日はその直前の作業です。
30年前の木造に比べ大きく変わった点に精度の圧倒的な向上が挙げられるでしょう。現在は建物の骨組みをコンピューター制御されたNCルーター(継ぎ手、仕口の加工機械)で工場加工することが多くなってきています。当然ながら精度は1mmの範囲を下回ります。あまりに土台や柱の精度が高いので基礎の表面を極力平滑にしておく必要が生まれます。さらに北海道独特の工法である基礎断熱工法の場合は土台の下に外気の進入を遮断する気密ゴムパッキンを敷き込みますのでここでも水平性が求められるのです。写真は、レーザー水準器で高さを揃え基礎の天端を水平に研磨しているところです。
部分的に水平を確認しながら研磨を進めます。
研磨終了はこの状態です。
足場から見ると基礎の全景が見えます。床下のコンクリートの下には10cmのポリスチレンフォームと防湿ビニルシートが敷きこまれています。
2010年9月13日月曜日
これからの は.な.し
今、中国人にとって北海道がブーム。昨日みたテレビでそんな特集をしていました。毎年二桁台の経済成長を続け、GDPでも日本を追い抜くことが確実となった中国。そんな彼らの憧れが美しい自然と歴史ある街並み美味しい食べ物に、異国情緒溢れる伝統文化と最先端の技術が同居する日本という国なのだそうです。不動産においても北海道の物件は中国国内に比べて割安なのだとか、国際化の波は今後どんどん押し寄せるでしょう。私たちも中国語や中国の歴史を勉強する必要がありそうです。
TVに出ていた中国の企業の経営者達は、海の見える住宅街がお気に入りとか。
高台に家を買って海を眺めながら保養ができる別荘地をもつのが夢とのこと。
ひとたび街を歩けば
情緒溢れる歴史的な街並みや
エキゾチックなお祭りに
夜店の賑わい
美味しく、バラエティー豊かな食材。
特に最近は、お刺身や焼き魚がたいへんな人気なのだそうです。彼らの趣向もひところの日本≒電気製品から大きく変化してきているようです。意外にも私たちの暮らしにとって当たり前のことが彼らにとっての憧れ(価値)のように思えます。ぜひみなさんもこの当たり前を見直してみてはいかがでしょうか?実は日本ってずいぶん良いところのような気がしませんか?(笑)
2010年9月11日土曜日
南あいの里の家 脱型、埋め戻し
現在、現場は基礎の型枠を外し(脱型)、構内設備の配管を行っています。上水や下水の管を所定の勾配をとって建物の周りに埋設してゆきます。
基礎の内外に打ち込まれた断熱材です。北方型ECO+でポピュラーな仕様は外側に10cmですが南あいの里の家では倍の厚さを用います。地中に逃げる熱を最小にし、私たちの暮らしから発生する生活排熱を最大限に生かそうと思っています。
布基礎から鉄筋が出ています。この写真は一列の鉄筋、下の写真は二列の鉄筋です。理由は前者が玄関の土間コンクリート(積載荷重が比較的軽いことを想定)後者が車庫のスラブコンクリートです。車庫の床のコンクリートは鉄筋量を倍にして荷重に備えています。
床のコンクリートの厚さは同じ15cmですが、中に入る鉄筋の量が車庫の床は倍になります。
2010年9月6日月曜日
家作りとは春夏秋冬なり。
家作りを目指す方々へ
拝啓
いつもブログをお読みいただいてありがとうございます。ほんの少しだけためになるアドバイスを目指して今日は、建築と旬のお話です。
いまや社会のキーワードは便利。そう ベ.ン.リ であります。
便利を辞書で引くと
【便利】
1:目的を果たすのに都合の良いこと。あることをするのに重宝で役に立つこと。
だそうです。しかし現代社会の便利とは、
1:工夫せずに目的が達成できる事。(面倒くさくないこと)
2:常識的な時間や時期、方法を守らず又は知らずとも思い通りになる事。
更に付け加えるなら、
3:慣れすぎると自らのためにならないこと。(知らずに損をしていること。)
最後には、4:そんな自分にいつの間にか気付かなくなっていること。
とはならないでしょうか?(笑)けして皮肉を言うつもりはありませんが、実はこの便利というのを少しだけ見直すと、家作りを目指す方々にとってとても良いことが多いのです。
1:土地は秋にじっくり探す。
一般的に春先に物件はよく動きます。ほんとうによいものは、わざわざ広告掲載料を払ってNET広告など打たなくても売れてゆきます。広告に載せる理由は、売りずらい又は上手に工夫しなければまともな家が建ちにくいからです。狭小地や旗竿敷地のような一見難しそうな土地が良い場所に格安で出ても、売買の足が速いために、買い手はその有効な使い道を考える間がありません。私たち建築家も年度始めの着工前準備やあと一歩の見積もりの詰めやらでそうした工夫を要する土地の相談(シュミレーション)に時間が割けない場合も多いのです。
土地は秋口から雪が降る前に手に入れましょう。その理由は1:お盆明けの一番土地の売れない時期にじっくり土地を探す方が時間的に有利。2:価格も底値が出やすい。3:雪がないので土地の測量や地盤調査が容易に行えます。4:来春の着工が前提なので心理的に余裕が持てます。
意外や意外この4項目だけでも知っているのとそうでないのは大違い。私のクライアントさんのお話でも、「家作りでたいへんだったことは、時間がない中で決断せねばならなかったこと。」とおっしゃる方が多く、当初想像していた、予算やデザインはむしろ建築家がさまざまな提案をしてくれるので、苦労はあれど心強かった。」という感想の方が多いのです。
2:冬にはじっくり考える。
土地を手に入れて、測量やら地盤調査を終えたなら、北海道の長い冬を使ってじっくり設計をします。考えてみれば雪が降って全てが凍りつくこの時期によほどの理由がない限り、ものを建てる事はお勧めいたしません。旬に逆らって現場を始めても毎日の除雪や凍害防止の養生に現場の採暖、春先に行えば、本来まったく必要のない経費ばかりが掛かります。お金を捨てているようなもので実にもったいないことになります。出来栄えも春先の気候の良い時期に比べるとばらつきが出易いのが気になります。
3:雪解けをまって春~夏には着工します。
春は着工の季節です。夏に向かってどんどん季節は穏やかになり木材を乾燥させ、コンクリートから水気が抜けて強度が増します。現在の木造の主流は狂いの少ない集成材ですが、この時期の建物が最も材の狂いが少ないのをご存知ですか。
4:秋から根雪の降る前に完成させます。
9月後半から遅くとも12月前半までに完成引渡しを行います。夏場の太陽によって程よく湿気の抜けた家は、最初の年から暖房の効きもよく、冬も暖かに感じます。北国の冬を旨とした作りが実感できるのもこの時期ならではです。
まとめ
今の時期、毎週住宅展示場に通っている方はむしろ土地選びに集中してください。雪が降ると土地は自然と選べなくなってしまいます。一方家の性能は季節の厳しいときに行った方がむしろよく分かりますし、現場が暇な時期ほど考え事には最適です。ほんの小さなことですが春夏秋冬、時期を見て、その季節のよさを精一杯引き出して、皆さんにとって悔いのない家づくりにして下さい。日本人なら誰もがもっている旬の感覚を思い出して楽しみながら家作りに臨んでほしいものです。みなさんの健闘をお祈りしています。
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