2025年2月12日水曜日

福井の家 内覧会のご案内

 

昨年より取り組んでまいりました「福井の家」がいよいよ竣工を迎えます。 この度、建て主さまのご厚意で見学会を行うこととなりました。

ご希望の方は必要事項をご記入の上当事務所のお問い合わせフォームよりお申込みいただければ幸いです。

*:注 2/22.23のご同業者の見学等はご遠慮いただきますようお願いいたします。

お問い合わせフォーム https://ako-a.com/contact.html


◆「福井の家」とは

西区の山側に位置する福井地区は都心へのアクセスと豊かな景観を兼ね備えた住宅街です。地名は1886年に福井県からの入植者により開かれた地であることに由来しています。敷地は住宅街の中にありますが、谷間のため特に雪が多い地域です。まさに北海道スタンダードな住まいを目指す当事務所の腕の見せ所。ぜひご覧ください。 

◆札幌版次世代住宅基準について

約200万人が暮らす札幌市は国内屈指の観光都市と共に全国一厳しい省エネ住宅基準を有する都市です。その理由は、道内で最も都市化が進み、冬の暖房用エネルギーの消費量が高く、近年は急速な温暖化で夏の冷房需要も増えつつあるからです。この対策の一環として札幌市では令和5年度より従来の基準を見直し、高い断熱性はそのままに太陽光発電と蓄電池の設置を盛り込んだ新基準をスタートさせました。「福井の家」はその基準をクリアすることを目標にいたしました。 札幌市の住宅基準は4段階に等級分けされていて、低いものから順に、ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナと呼ばれています。今回はその最上位であるプラチナグレードの認定住宅です。

札幌版次世代住宅基準HP https://www.city.sapporo.jp/toshi/jutaku/10shien/zisedai/zisedai.html

◆北方型住宅ZEROについて

札幌市の住宅基準を満たすと同時に北海道が1988年から開発を続ける「北方型住宅」。その最新版である「北方型住宅ZERO」の基準も満たしています。ZERO基準はそのベースとなる北方型住宅2020基準に10ポイント以上の更なる省エネ要件をプラスしたものですが、福井の家は+14ポイントとなっています。特に外皮性能のUA値:0.18W/㎡Kは国の定める最高等級7(断熱等級/UA:0.20W/㎡K)を超えるものです。

北方型住宅ZEROとは?

https://www.kita-smile.jp/kenchiku/post-675/

◆壁面太陽光設備と蓄電池について

超軽量の太陽光パネル1.5KWを南西側壁面に設置しポータブル蓄電池(3.6KW)と共に平時は節電に使い、ブラックアウト等の非常時は宅内の通信、暖房&給湯、照明器具に給電し自立が可能です。


今日はOrianthi・・かっこいいです



2025年2月8日土曜日

南幌みどり野0カーボンヴィレッジ2025.02.08

 

本日の「南幌の家ZERO」の様子です。室内では柴田さん、一ノ瀬さん両棟梁によって内装ボードが貼られています。かなり大きな家なので内装のボード張りは概ね65%程度が完了。週明け2日間くらいで概ね貼り終わりそうです。

こちらは最近流行りの壁倍率3.7倍用の室内ボード。今年は1995年の阪神淡路大震災から丁度30年目。その間に在来木造は構造的に大きな変化を遂げました。従来は地震動に対して頑強に揺れを抑えることで耐震性を保つ、2×4工法に対して、日本の在来工法は柳のように柔軟な靱性で地震力を受け流すという考え方でしたが、大震災をきっかけに在来木造も耐力面材と呼ばれる合板やボード類で骨格の揺れを徹底的に抑える方向に舵を切りました。

2000年には柱が土台や梁から引き抜けないようにホールダウン金物をはじめ引き抜き防止金物が義務化され、根太を排し厚物合板で床を作る剛床工法に変わりました。

要は2×4工法が工場で生産したパネルを現場で組み立てるのに対して在来工法は同じことを現場で行うだけの違いしかなくなったのでした。

まさに在来工法の2×4化。でもすごく丈夫になりました。「南幌の家ZERO」もまだ工事中ですが床の剛性感が高く、風が吹いても全然揺れを感じません。

こちらは大工さんの定規。通称:バカ棒。言葉はよくありませんが/笑、天井高寸法に角材を切ってそれを使い回せば、間違いを減らせます。各人が天井高2425mmをいちいち自分のメジャーで測る必要はないという訳・・現場ではそれこそ大勢で手分けして何十枚も壁のボードを天井高に切って貼ります。正確な定規を統一しておかないと微妙な2425mmだらけになるのです。

ブラインドBOXをインセットした紺野建設の納まり。うーんこれもきれいでいいなと思います。

窓ガラスの前にたわんで立っている角材は床材の糊が十分乾くまで押し付け固定する役目で設置します。「南幌の家ZERO」ではナラ化粧材(厚物)の複合フロアを使います。

こちらがその足元。フロア材がすっと伸びてサッシに取り合う納まりですので、跡の目立つ釘類は使えません。

今日はG-FRIENDのEUHNAでアイドル・・日本語完璧



福井の家 2025.02.07~08の様子

原左官工業さんによるストーブ壁のタイル張り工事。熱量の多いストーブをコーナーに置いて45度傾けて炎が居間から見えるようにしたい。・・実に素敵/笑

原左官工業インスタ https://www.instagram.com/hara_sakan/

その反面、コーナー壁には25mm以上の通気層を持った不燃下地の二重壁が必要となる。必要のみ満たすのならばオプションの防火衝立を角に2枚直角に置けばよいのだが、それもなんだか・・かといってEU製の洒落たストーブにログハウスイメージの重たい耐火煉瓦もなんだかちぐはぐ・・

そこで施工図を描いて、コストパフォーマンスに優れたタイルで防火壁をデザインしました。特に耐熱性が要求される二重壁部分は43mmの厚みとして手前に出っ張ります。

ストーブの横には将来的に予備の薪や専用の掃除器具なんかも置くスペースが欲しいだろうと考えてタイル6枚分くらい壁を延長しました。

白タイルは最近増えつつあるプロジェクターによるTVの壁面投影も邪魔をしないし、釉薬が最もシンプルなのでいつまでも古く見えない。一時期流行ったガラスモザイクやラスター(光沢)に気を取られると・・タイルといえどもすぐに陳腐化してしまいます。

この白タイル、費用対効果が高く加工も容易で長年愛用してきたのですが・・現在の生産は□100と100×200の二種類のみとなりました。外国製ですので1枚1枚の寸法精度が高い訳ではなく、したがってタイル目地を縦横に正確に通す張り方は苦手。その代わりジグザグに縦張りしたり横張りしたり従来のタイルといえばグラフ用紙・・みたいなイメージは捨てざるを得ない⇒その分工夫のし甲斐があるということなのです。

もちろん国産タイルのように9枚で1シートのようなシート張りなどなく、片面取りや両面取りのような役物もない。そんな中、親方と弟子の息子さんは1枚1枚丁寧にタイルを張ってくれます。安価でも映えるためには職人さんの腕を要求するんです・・

ダイヤモンドカッターでタイルを正確に切断し、こんな風にきれいに納めてくれます。

うーん親方・・上手いねえ~

こちらはキッチンのタイル張り。タイルを使う際のコツは一定以上の面積を貼ること。よく流しの前だけとかレンジの片側のみ、洗面器と鏡の下のみ・・みたいな張り方がありますが、あれではタイルがかわいそう。窓周りの巻き込み、床まできっちり張り下げる。そうすることでタイル本来の良さが見えてきます。

もちろんタイルは高価な壁装材。簡単にたくさんは使えない。そこでコスパに優れたお薦めの材料探しがすごく大切。前述の使いこなし方も含めて普段からしっかり準備しておきます。ちなみに国産タイルだとこの1/3くらいの面積しか張れません。

その一方で、長引く円安の影響で一時は安価だった外国製品も高騰が続いています。タイル自体は素敵で大好きですがいつまで使えるかなと・・ふと不安にもなります。

ストーブの耐火壁完成です。親方と若大将に感謝です。

こちらは脱衣所の床、無垢のフローリングが傷まぬよう最近は脱衣所の床にタイルを張って差しあげることが増えました。

今日は久々にHSCCなんていかがでしょう





2025年2月1日土曜日

南幌みどり野0カーボンヴィレッジ2025.02.01

本日「南幌の家ZERO」の様子です。外装は終わり、足場も無事解体済み。後は内装を頑張るのみといった感じです。1/29まではぜんぜん雪がありませんでしたが、同日午後に降り出した雪でかなり冬らしくなりました。

写真右側の壁面には太陽光パネルが7枚設置され約2.1Kwの発電を行います。北方型住宅ZEROの特徴でもある総エネ設備、雪の多い南幌に合った方法を選択することで、発電需要の高い冬にフォーカスした総エネ利用を目指しています。
一般的には太陽光パネルといえば屋根面設置が多いのですが、積雪地域の屋根は通常は上の写真のようになります。もちろん取り付けようと思えば取り付けられますが、パネルに積もった雪は滑って落雪しますし、落雪するまでは当然ながら発電しません。

要は積雪地域にとって雪の降る寒い日ほど発電の需要は高まるのに屋根面設置だと効率は逆に下がってしまいます。

もちろん土地の広い南幌なら落雪させる方向を想定して屋根面設置もできないことはありません。但し、落雪には細心の注意が必要です。敷地内で子供たちが遊ぶことも考慮しておかないと心配になります。無落雪屋根の安心感に慣れた私たちにとって安心と発電を両立するするのが壁面設置の太陽光パネルということなのです。             

 

緑道側からの立面です。かなり雪が深くなってきました。

室内では防湿シートが貼り終わり貫通部分の処理が進んでいます。

居間は吹き抜けで屋根を外張り断熱し構造材を顕しで楽しめるようにしました。

床材は複合フローリングのナラをチョイスしました。

親指側が表面材2mmのナラ材です。

週末はヨーロッパのJAZZ・・いいすねえ~