2017年6月27日火曜日

西野まちなかの家 地鎮祭

先週の土曜日は「西野まちなかの家」の地鎮祭でした。
お天気はあいにくの雨でしたが、西野神社さんの機転でなんとテント付き、助かりました。札幌圏は特に面倒見のよい神社さんが多いのですが西野神社さんはきっと特別だと思います。
 
さて今年前期最初の着工となった「西野まちなかの家」。当然ながら長期優良住宅であり地域の住宅仕様である北方型住宅の基準を満たした23番目の300mm断熱の家となります。担当するのは飛栄建設㈱の松田所長さん。ご自身が300mm断熱の家の住い手であると同時に、自宅である「澄川の家」は14番目の300mm断熱の家として今や全国的に有名です。
 
さて「西野まちなかの家」は0勾配の陸屋根の上にパッシブ換気の塔屋を載せたスタイル。夏場の日射を遮りながら、冬場の低く水平に動く太陽の光を家の中心に落とすために深い庇と袖壁を持つ横長の窓が特徴の家です。今回は石狩工場で生産されるトリプルガラスの高性能サッシであるYKK430を横方向に4連窓してビルのカーテンウオールよろしく横長の連続窓を作ってみたいと思います。
 
さて今年も住い手さんをはじめ「チーム西野まちなか」全員と家づくりを存分に楽しみたいと思います。
 
今日はYOUTUBEで偶然見つけた「BAND-MAID」が凄くカッコヨカッタので・・
 

オーストリアへ行ってきました。その2

こちらは「LCHUB」と呼ばれるCLT(木製大判スラブを用いたプレファブ工法)の7階建てのオフィスビル。パッシブハウスの認定を持ち壁はグラスウールの300mmで断熱されている。床から天井までの奥まった窓は最近の流行なのかもしれません。開閉方式はもちろん内倒し内開きのドレーキップ。高層階には転落防止のため窓の外にガラス製の腰壁が付く。実はこの建物写真の左側(茶色の部分)はRC造のコアとなっていて。これを先に施工し、銀色の木造部分を後でつくる。後でと言っても1階/日のペースで施工が可能だそうだ。

エントランスを入ると室内は木製柱が顕しで使われた柔らかな空間。地元特産のシルバーファー(欧州モミ)の香りに包まれる。

実は今回の疑問は床だった。北海道でもCLTの実証棟があるが時間の経過と共に特に床の割れや狂いが目立ちそのままではちょっとね・・・と言う状態。本場ではその点いかがされているのだろうか?CLTの原料的には乾燥変形が大きい針葉樹材であることは北海道と同じはず、その室内を暖房し計画換気しているなら、この手の材料は当然変形し、集成材と言えどもクラック(ひび)は生じるはずである。結果は半分的中したがもう半分は意外なものだった。(上の写真は乾燥により変形しクラックやねじれを生じている様子)

この写真は木製梁と一体化されたコンクリート製床版の断面モデル。そう・・そもそもこの高層オフィスは床がCLTではありませんでした。(笑)理由は簡単で建設地域の防火規定により床の燃え抜け時間の規定があり、それにパスしないと建設の許可が下りないのだそう。恐らく柱材や梁材は日本の燃えしろ計算のような方法でよいのだろうが、床に関しては木製では難しかったのだろう。

建て方についても専用の模型を用いておねえさんが丁寧にレクチャーしてくれる。「柱を立ててそれから床版を敷いて、これを繰り返して上へ上へ・・・」こんな感じ。

こちらはビデオで見せてくれた実物大の床版の加熱試験の様子。各州で防火規定が異なり中々難しいのだそうだ。同じビデオをページの最後に貼り付けたのでぜひご覧いただきたい。

こちらが彼らが誇るシルバーファーの建具。美しい木肌にドア枠を廃したデザインがきれい。戸当たりは扉の断面をL型に欠き込んで仕込む。

こちらは壁の断熱模型と同時にドアのストッパー。

壁の厚い断熱を構造柱の外側で連続させている。
 
完成までのPVが面白い
 
今日はBAND-MAID・・・かっこいい!

2017年6月25日日曜日

オーストリアへ行ってきました。その1

先日、6/7~13の予定で北海道大学の小澤先生のアテンドでオーストリアのフォアーベルク州を視察することができました。中でも地域で実際に設計に当たる建築家との交流はさまざまな課題を共有すると共に、それぞれの地域が幸福なかたちで存続するために、健全なコミュニティーと地元のものづくりがいかに大切かをあらためて考える機会となりました。小澤先生、森太郎先生、お忙しい中現地をご案内いただいた地域の建築家のみなさん。この場をお借りして一言御礼申し上げます。
入り口横に22-26と書かれた白いオフイスビル。主に建物の外皮性能と統合的に制御された自然換気のみで通年22℃(冬季)~26℃(夏季)を維持しよう。という野心的なプロジェクト。躯体は中空層を持つレンガ造で経年劣化の恐れから一般的な断熱材は使用していない。構造材である中空レンガの断熱性能のみで外壁の断熱性を示すU値は0.15W㎡/Kとのこと。いつも作っている300mm断熱の標準GWの壁と同等である。そのため外壁厚さは約80cmにも達するとのことだ。窓はこの奥に引っ込むので庇の役目を果たすと同時に日射取得ではなく日射遮蔽を中心に考えねばならないことから、縦長の窓は袖壁にも守られ、低い高度で入射する東、西日に対する抵抗力をもつことになる。窓横の通風扉は外気温や室温、CO2濃度といった複数のパラメーターで統合的に制御されオートマチックに開閉が行われる。

天井高は各階とも高く概ね4m。昼光利用の観点から床壁天井とも白色に塗られ、歩くと少々ふわふわした感じ。各階概ねテナントが入居しているが空き部屋は内部に発熱源がないために寒いのだそう。当日は薄曇りだったが意外に暑く、外から中に入った途端よく断熱され調教された建物特有のひんやりした肌触りが印象的でした。

こちらはレストルームですが、このくらい色を使ってあるとホッとするくらい室内の白が印象的でした。
 

説明はエンジニアリング全般からLCC(ライフサイクルコスト)までかなり詳細に聞くことができました。曰く:「従来のように設備任せでも一定期間は同じ効果を得ることができるかもしれないが、少しだけ時間軸を意識すれば、そもそも手厚いメンテナンスが前提の設備に頼らなくてよい建物がコスト的にどんどん優位になることは明らかでしょう。」

一時期の個別的なエンジニアリング重視論ではなく、地域で不動産を安定的に維持し経年による価値の毀損を最低限にし家賃の競争力と収益性を両立させる。と言った・・三方良しのような設計思想を実現するために既存のエンジニアリングを注意深く再検討して使う。そんな彼らの考えに触れることができました。

壁には「エネルギーはアナログで!」のキャッチフレーズ。EUに住む彼らが従来の設備重視のEU型パッシブハウスに疑問を投げかけているようで、ある意味不思議な感じがしました。

もの凄い厚みと樹脂製が徹底されたスペーサー。もちろん全て希ガス入りのLow-Eトリプルガラスの開口部。
 

サッシは木製で雨仕舞いは不思議・・・機会があれば数年後に痛んでいないか検証しに行きたい。

高さ4mのドアや巾7mのトリプルガラス等々・・断熱建具や複層ガラスのスケールでは負ける。ここら辺も次回はぜひ工場まで行ってみたい。
 
今日は久しぶりにヴァレンティーナのピアノで
 
 


2017年6月3日土曜日

南幌町のさまざまな暮らし支援

最近ちょいちょい、南幌町に行くんですけど・・・こんなパンフ見つけました。
うーん凄いですね~(笑)
特に移住施策にもの凄く積極的。お金や物もさることながらこの予算を町の単独予算で議会を通して用意する。つーことが、ある意味・・町の末来を考えている人達が真剣という証。
 
若い人を応援する方法として、住いや子育ての分野に重点的に補助を行っていることも注目していいと思う。
 
自分もまじ15歳若かったら移住を考えたと思います。
 
 

街中の住宅地の土地代を半額にした上で助成が受けられるのだそう。
 

パンフの表紙もイメージじゃなくて実際に移住した人というところがいいと思う。
 

道内にも移住支援に力を入れている自治体は増えてきたが、これだけ札幌に近くてここまで手厚い町も珍しい。


こちらは先日も触れた、町内のインフラ。もちろん町立の小中学校、道立の高校まで揃っています。
 
こちらは町内のコミュニティーバス。
 
今日は村治佳織さんのギター。上手いね~(笑)