2024年11月4日月曜日

家具の聖地へ

 
11/3(日)はクライアントさん一家と旭川家具の老舗、匠工芸さんへ、この季節の道北の風景は日本っぽくない。北欧や北米からの観光客の多くが親しみを込めてリピーターとなるのもそんな理由が多いと聞くし、より温暖なアジア地域の人達にとっては明確な四季が楽しめて雪も降る道北圏はきっと楽しみが尽きないのだろうと思う。

自分と匠工芸さんのお付き合いも30年近くになる。旭川での勤め人時代、1件目の勤め先から2件目のアトリエ系事務所に転職した。その時にその事務所で取り組んでいたのが工場と当時の社長のご自宅。

酷寒の冬、高い品質の家具を作るために、工場内は全て床暖房として計画された。

サッシが結露するのを防ぐために、暖かで伸び伸びとした吹き抜けのエントランスを計画するために開口部は全て木製サッシと複層ガラス。

当時、久保木工の木製サッシNTシーザーシリーズは道内最大の生産量を誇っていた。枠材は今は貴重品となったエゾヤマザクラ。小樽のような海沿いの街では磯船にも用いられた水に強い広葉樹。

カラマツ林の中に佇む、当時の社長(現会長)の自宅。家具の作り手は自身の工房の前に住むことが大切という考え。30年を経てただただ美しい。

美しい、籐の背もたれを使った新作。座面は皮革。

抜群の耐久性を誇るペパーコード(紙製テープ)による座面と軽さにこだわった新作。極限まで肉抜きされシンプルな架構とされたフォルムが美しい。

背の快適さのみならず肘置きを重視するのも”匠工芸”のダイニングチェアの愛すべき特色。

匠工芸とは?

今日はモーツァルトですね~素敵な風景に!!





打ち合わせは楽し&我が商店街はグルメタウン/笑

 

11/2(土)はお打ち合わせの後にクライアントさん一家とランチへ・・実は私の事務所のある商店街、地域屈指のグルメタウンでございまして。

すっごい美味しいラーメン屋さん、同じくピザ屋さん、中華屋さん、ケーキ屋さん、焼肉屋さんに食堂&洋食にスープカレーと何でも揃っております。いうまでもなく”まちの巨匠”たちが日々腕を振るう「食のまち」。
自分も、ものづくりの端くれとしていつも刺激を頂いてます。

当事務所もこうした商店街のはずれにございまして、元はご近所の奥さまたちに愛された旧美容室の二階・・

いえづくりを目指すみなさまに、北海道に相応しい住まいを提供することを目的に日々活動をしています。

ご夫婦とお子さま二人で隣町から事務所にお越しいただいたクライアントさん。家づくりに向けた夢や不安に始まり・・今まで渡り歩いてきたハウスメーカーさんや工務店さんのお話し、私がなぜ設計屋を始めたか等々・・よいお話しがたくさんできました。

実は家づくりを目指す人の多くが経験するマリッジブルーならぬ新築ブルー・・

クライアントさんの中には、家づくりを”自分ごと”として受け入れられる人の方が実は少ない。間取りを描いても、資金計画の話しを聞いても今一、しっくり腹落ちしない。まさに雲間から光がさしたり曇ったり・・その心は秋の空。

その理由の多くが・・自身が建築するっていうことに対する基礎知識の乏しさ&不安

よく家づくりは車を買うのと同じ~なーんて人がいるけどそれは違う。
そもそも工業製品である車の基本設計なんて勝手に変更なんてできないし、出来るのはせいぜい表層的なオプションの選択とその価格くらい。それを家づくりと結び付けるのはハウスメーカーの営業さん特有の発想。

実際の家づくりは、今の自身の好みを満たしつつも・・普遍的な必要性に気付けるかどうか?

仮に建て主が30代の価値観で大満足の家を作ったとしても・・住宅ローンを完済するのは70代や80代が当たり前の現在・・普段30~40代の働き盛りとして毎日を精一杯生きるクライアントさんに30年後の自分がリアルに想像できるのか?と問えばそれも無理なお話し・・たまに実家に帰れば無駄な空間ばかりが目立つ親の家なんて、まさに若気の至りそのもの・・

特に、北海道の場合、地元生まれでも雪や寒さを前提とした間取りをよく知らない・・というのが残念ながら衝撃の事実。自分も一級建築士だけど雪と寒さに対する建築は習っていないし試験にも出なかった。

よく、書店で”間取り百貨”や”住まいづくりのコツ”等々の書籍を購入するクライアントさんも多いけど、その多くが雪も降らず氷点下にもなり難い地域で書かれている。すごく賢い人ならその矛盾に気付くかもしれないけど、ほとんどの人は気付くはずもない。

北海道の人って私たちのようなプロも含めて・・その多くが生まれてからこの方・・雪と寒さと共に暮らして来たはずなのに、雪の降らない地域の教科書で新築のイロハを学ぶのは最新のSNSも同じ。そもそも身の回りにある情報が地域に合っていない。これじゃあいつまで経っても北海道に相応しい家なんて難しいよねつーことなんです。

要は家って移動できないからこそ、立地する地域性との向き合いが大切なのにそこは極端に弱い・・

自分の存在意義ってそんなところに感じてます。少なくとも自分は雪と寒さの専門家でいよう。その貴重な知見を活かして地域の暮らしをより豊かで楽しいものにしよう。都会のみならず田舎に住んでもどこに住んでも北海道に生きることを肯定できる家を作りたい・・・

ZOOMも悪くないけど・・実際の打ち合わせっていいんですよね/笑 あっ!!中華はもち美味しかったです/笑

今日はFive New Oldいいですよね~





南幌みどり野0カーボンヴィレッジ2024.11.04

 

紅葉が深まる中、来年4月の完成に向けて「(仮称)南幌の家ZERO」の工事が始まりました。

地下水位がそこそこ高く、地盤自体の強度にも幅のある南幌の特性から、RC杭による地盤補強を行い。凍結深度GL-600を守って、あえてベーシックな布基礎方式で基礎工事を進めます。

テープによる縦筋ピッチの確認です。

ベース底には水捌けを考えて必要な厚さの砂利層を充填しています。

床下の土間はGL+50mmとして床下への浸水を防止し暖房熱源を納めることで床下のカビや結露をなくします。床下に暖房熱源を持って行くことで床上に暖房器具を置く必要がなくなり、より広い室内が可能となります。

今日はKPOP・・仁美ちゃん頑張ってほしい/笑
でもライブなのに、ここまで歌えるなんてすごい・・





2024年10月30日水曜日

福井の家 上棟式




2024年10月26日(土)快晴の空の下、「福井の家」の上棟式でした。

最近めっきり減ったこの催し、要は期限付きの「建築現場」という臨時会社の株主である建て主が自社の安全とそこで働く人々を労うことを目的に行われる催事。多くの場合、近隣の神社から神官を招き執り行われる神式が多い。

巷では働き方改革が叫ばれ職場環境の改善や子育てに対する理解、復職支援等が盛んに話題になるようになりました。その一方でどんどん減る上棟式。みなさんは自身の家を建ててくれた大工さんの名前を言えますか? 棟梁が誰だか知っていますか?/笑

もちろん、契約上は住宅メーカーや工務店さんに頼むことが多いと思うのですが、実際に現場で働く職人さんにもぜひ目を向けていただきたいです。

みなさんは工務店といえば会社に社員の大工さんがいるのが当たり前だと思っている人も多いですが、実はそうではありません。大手住宅メーカーや工務店さんは主に2種類に分けられます。派遣職員型と正社員型です。前者は現場ごとに大工さんを探して、その都度契約を行います。対する後者は自社で教育した大工職が職員ですから、大工さんの顔触れは毎回決まっています。

私のように毎年数棟、建設をお願いする立場だと、毎回大工さんが入れ替わりやすい派遣職員型の会社か、顔なじみが自然に意図を理解してくれる正社員型かは非常に重要です。

大工さんが居つき難い会社だと社長さんこそ毎度さまでーす・・で始まっても・・現場では昨年と同じ話をまた一から、別の棟梁に話すところから始めねばなりません。

技術というのは直訳すれば「蓄積」で、普段から社内の引継ぎや申し送りが徹底してこそ、その品質やそれを守り続けることのできる再現性が生まれます。

毎年、様々な工務店さんに建設工事をお願いすることが私の仕事ですが、正社員型をお薦めするのはそんな理由からです。

もちろん飛栄建設さんは正社員型の工務店さん。私を担当してくださる棟梁は宇野さん。もう早10年のお付き合いになります。

今日はミサモでnewlook・・安室ちゃんもいいんですけど/笑



2024年10月16日水曜日

福井の家 2024.10.16の様子

 昨日の夜は生憎の雨だったんですけど、今日は暖かな快晴。抜けるような秋空の下、外壁の付加断熱1層目、フェノールフォーム60mmを貼り込みました。実はこの製品、最初に使ったのは2002年ですからもう22年も前になります。初期のものは少々脆くて神経質な印象がありましたが、現在は圧縮強度も上がり木下地で挟み付けても潰れない強度が気に入っています。明日からは二層目の付加断熱として更に60mmを横桟で1層目を抑えながら重ね貼りします。周囲の山が急速に紅葉してきました。こっから先は余談ですが・・屋根の防水はバッチリですね~助かってます。

柱外の耐力面材の外に1層目のフェノールフォーム60mmを貼ったところ。

窓上の下地の奥行きが60mm出ている様子。明日はこの下地と二層目の断熱材が同面となります。

昨日の雨が谷部で薄く溜まっている様子。

シート防水の端部の防水補強です。

今日はFive new oldなんていかがでしょう。




2024年10月14日月曜日

今・・なぜ北方型住宅なのか?

北海道に限らず大人気の南側敷地(南側に道路がある条件の敷地)。ここ数年、宅地価格の上昇が著しい都市圏でも、まだそこまでではない郊外の宅地でも、宅地としての人気度は根強いものがあります。

端的に言えば・・日本人の多くは「南側敷地」が大好きといってよいでしょう。
その理由は意外にもシンプルで上のような配置案が容易に浮かぶからだと思います。

1:建物を北側に寄せることで明るい南側の土地が最大化できる。
  加えてその前面が道路なのでさらにその幅員分も日当たりボーナスとして使える。

2:建物が道路から離れるので道路と家の間に緩衝空間として庭を取ればプライバシーが
  守られ易い。

3:前面通りから見て「庭」、「家」の順に見えるので、住まいに対する日本人の
  伝統的価値観にフィットし易い。

4:角地に次いで土地の評価(主に取引価格)が高い。
確かにその気落ちは分からなくもありませんが・・・道路から建物が奥に配置され易い南側敷地は、日当たりの良さもさることながら同時に駐車場やアプローチの除雪面積が最大化し易い敷地でもあります。

このお話しをすると例外なく驚かれるのですが・・そもそも北海道の内外を問わず、建築士の勉強では「氷点下の環境の建築」は学びません。降雪?積雪?除雪?堆雪?といった単語は氷点下の環境、すなわち寒冷地特有の単語ですから、基本となる建築設計の範疇には含まれません。

当の私も学生時代、製図室の外に深々と降り積もる雪景色を眺めながら、雪のない地域で書かれた教科書や巨匠たちの図面を眺めながら必死にトレース(模写)し模型化していました。意外にも雪を想定した計画ができないと道内では十分な設計などできないことを知ったのは勤め人になってからでした。


恥ずかしながら・・地域で設計者として働きながら・・その地域に相応しい設計が建築士の学びだけでは全く不十分なことを知りました。

当然ながら北海道は寒冷地ですからいくら建築士であっても再教育が必要です。北方型住宅の設計者としてこうした再教育を建築士に求めている理由はこんなところにあります。
何十年と・・雪国に住む私たちは除雪の大変さに悩まされてきました。多雪区域では戸建て住宅に住み続けられない理由の一つに除雪の大変さが上がります。

上の図のように駐車場&アプローチを確保するためにはせっかく南側に取った居間の窓の前にまで雪を積み上げねばいけません。道路の除雪の雪は道路境界上にうずたかく積み上げられ庭木を圧迫し1階の居間の窓から通りを見通すことはどんどん難しくなります。

冬こそ明るく暖かく過ごすことを意図して居間を南に配置したのに・・・
ここで少し視点を変えましょう。

現在は無落雪屋根が一般的になりました。理由は簡単で落雪型の屋根だと大量の重たい雪が落下して危険ですし、隣地に被害を及ぼす可能性も高いからです。親と同様、お隣さんは選べませんから屋根雪が隣地に飛ぶような家づくりをしてしまうと健全な近隣関係が築けません。そこで屋根に積もった雪はそっと触らず載せたままにする無落雪屋根が求められるようになったのです。

上の図は小さな二階の問題を指摘するために作りました。雪のある地域にもかかわらず雪のない地域の視点で考えられることの多かった時代の建物は・・1階の部屋を多めに取りがちなのです。繰り返しになりますが・・積雪がありますから1階の部屋を増やしても、窓は埋もれがちになります。

その結果・・2階に持って行ってもよいとされる部屋は子供部屋や納戸、押し入れのようなものになります。

結果的に1階は広く、2階が狭いアンバランスな面積案分の二階建てが増えるのです。当然ながら、1階の上に2階の壁が載るとは限りません。悪くすれば上の図のように二階の壁の下にはそれを支える柱も壁もほとんど取れない家が多くなります。

これでは地震に対して非常に脆い構造にしかなりませんし、二階の屋根雪の重みも充分に基礎に伝えることはできません。

1階の部屋数を減らし1階壁の上に2階壁が載るように総二階の間取りを目指して、雪の重さにも、地震にも強い家を作るべきです。
長年の刷り込みで・・何となく”いいな”という人が多い南側敷地ですが、実際には冬目線でしっかり検討し設計しないと、長所だと思っていたものの多くが・・実はそうではなかったということになります。

地域に相応しい住まいとして1988年から改良が重ねられてきた北方型住宅を推す理由がここにあります。

道路の雪を除雪車が積み上げれば通りは見えず、雪のない季節は通りからの視線が気になって広間からカーテンは閉めっぱなしになる。あれれ・・庭を楽しむとか居間に光を入れて明るく・・のはずじゃあなかったでしたっけ/笑

駐車場は道路に接続して設けるしかないので、玄関前に置けない場合は除雪箇所が増えてしまう。もちろん駐車場の雪も南側の居室の前に積み上げるしか雪の置き場所がない。

南側敷地が人気の理由が恐らくこれ・・明治期の庭と一体となった間取り。さすがに北海道の家に縁側は既にないが、縁側を取るとほぼ似た考え方の間取りとなる。余談ですが、サザエさんの家も非常に似た間取りです。

様々な家相学や主に当時の衛生上の観点から、南側の居室からトイレや浴室、台所は北側に離して配置される。当然ながら高齢者にとっては寝室からトイレもお風呂も遠い間取りで暮らすこととなる。

日本人の住宅取得年齢は35年ローンが支払える年齢から逆算して概ね30代半ば~40代半ばが多い。要はローン完済時で70~80歳。2020年代の平均寿命は85歳程度と考えれば、余命は概ね5年から15年程度。必ず準備必要です!

寝室と水廻りは隣り合ってないと苦労する。私の設計では寝室の隣に水廻りを設けることが多いのはそうした理由です。

北方型住宅では特定寝室(住まい手が使う主な寝室用途の部屋)と同じ階にトイレの設置を求めています。従来のように2階には寝室だけ、トイレは1階に下りないと使えない。という間取りは基本NGです。

最近採用例が増えている総二階型の間取りの一例。南側に設けたカーポート兼アプローチの中をトンネルのように潜って玄関に至る外部動線としています。

堆雪スペースは庭木が傷まないように宿根草のような草花を増やし植栽の上に堆雪可能な庭として場所を想定しておきます。

LDKは除雪&堆雪で視界と日当たりが奪われぬように二階に配置すします。そこに至る階段に関しては十分緩いものとして、普段の生活に負担にならない程度に階段の上り下りを日常に取り入れます。

2階が居間だと高齢化したら大変という・・意見をよく聞きますが、仮に14~15段の階段の上がり降りさえ難しくなったとしたら・・もう戸建てに住み続けること自体を考え直す時期に来ていると思います。
「発寒の家Ⅳ2023」

各部の動線や設置階、堆雪場所はこんな感じ。

1階のカーポート兼アプローチは北海道人にとって欠かせないBBQ&ジンギスカンスペースとしてもぜひご利用いただきたい。

高木を減らし降雪期には堆雪場所に変わる前庭。「新琴似の家2018」

道内で要望の多い、共働き&車二台分のカーポートを設けて、北海道の住まいのスタンダードを目指した「南幌まちなかの家2018」

外から見ると格子の中から室内はほとんど見えないが、室内から屋外は非常に良く見える。ここまでしないと、カーテンを開けて明るく伸び伸びと、住まい手は住んでくれない。

その一方で、室内の必要はないが、しっかり置き場所を作って上げないと景観や美観を損なうものにも十分な配慮が必要となります。

格子の奥は通りに対して見せたくないプロパンガスの置き場所。夏なら自転車置き場、冬なら除雪道具を仕舞う場所として大活躍します。

調理はガスで暖房給湯は灯油で・・そんな場合はボンベとタンクを道路(サービス動線)に近接させつつ見え難い工夫が大切です。

接地階同士で、一般的な南側間取りと北方型住宅を比較してみました。みなさんならどちらが北海道に適していると思いますか?

無落雪屋根(半年間重たい雪を載せっぱなしにする屋根)その状態で地震が起きた場合、構造的に合理的な設計ができていますか?

今までブログを読んで・・北方型住宅のルールを家づくりに取り入れてみたいと思うけど・・どうやって工務店さんや設計者さんに伝えればいいの? という方は上の技術解説書をお使いください。下記よりフリーダウンロードが可能です。

北方型住宅2020技術解説書

2018年にオープンした「南幌みどり野きた住まいるヴィレッジ」

札幌のベッドタウンとして今や人気の住宅街である南幌町では北方型住宅のルールを守って建てることを条件に様々なメリットが受けられるヴィレッジに多くの人が移住しています。

もちろん、ルールを適用せずに自由に建てられる街区もありますがみなさんはどちらがお好みですか?

こちらは、北方型住宅の最新仕様であるZERO(北方型住宅2020に総エネ設備等更なる環境性能を盛り込んだもの)です。

当事務所も紺野建設さんとコラボしてゼロカーボンヴィレッジに参加しています。

北方型住宅ZEROは全国一の性能を有する住宅仕様です。

今日はアカペラでマイケル・・いいすよ





 

2024年10月11日金曜日

福井の家 屋根断熱工事その2

 

屋根断熱が完了し、左側から野地板(最終的な屋根防水の下地)を貼っている様子。
(2024.10.08)

防水下地となる24mmの構造用合板

屋根の谷部分の詳細。

屋根の通気層で大切なことは、写真の左右のみならず前後にも空気が移動できるように欠き込みを入れることと、通気層の高さが90mm以上あること。

壁の通気層と屋根の通気層を連続させるために外周部分の通気垂木にも欠き込みがあることを確認する。

敷地内の安全を考えて無落雪を実現するために必要な形がバタフライ型屋根。その形状は積雪寒冷地にとって必要なものであると同時に屋根の中央に雨水を集めてしまうという屋根本来の水切りのよさとは逆行するものでもある。

それを実現するのが継ぎ目のないシート防水工法。北海道の木造住宅の9割は板金による屋根防水だがこのシート防水は防火認定を取得した樹脂性のシートを溶接して完全な防水構造を実現する。施工速度も速くこの規模の屋根だとほぼ3人で半日程度で屋根の防水が完成してしまう。
今日はKOIAI・・すごい