2025年12月26日金曜日

2025年 御礼


今年も1年お世話になりました。また来年もよろしくお願いいたします。

12/29(月)~2026年1月5日(月)まで冬季休業とさせていただきます。

みなさまよいお年を! 


◆振り返れば・・・

2025年は1/8から仕事始め。前年から工事中だった「福井の家」から取り掛かりました。「福井の家」は札幌版次世代住宅基準の最高位であるプラチナグレードの住まいとして3件目となる住宅。特徴的なバタフライ屋根と共に室内空間を最大化することを目的に設計しました。

2月からは紺野建設さんと協働した「南幌の家ZERO」に軸足を移しつつ、「福井の家」の見学会を行いました。

3月には冬の間計画を進めてきた「南幌まちなかの家Ⅳ」が無事月末の着工と相成りました。現場をご担当いただくのは江別の工務店であるネオス建築さんです。同じころ札幌市内では、7年間構想をあたためてきた性能向上リフォーム「北郷の家」が着工し南幌2件、札幌1件で現場が始まりました。

4月には南幌と札幌で現場監理を行いながら、終の棲家「南6条の家」の現地調査に伺いました。実家の建て替えで老後も安心な小さな平屋・・建て主さんは「北方型住宅」のキーワード検索から当事務所を探し当ててくれました。紺野建設さんとの協働案件「南幌の家ZERO」のお引き渡しも無事完了いたしました。

5月・6月は「南幌まちなかの家Ⅳ」・「北郷の家」の現場を見ながら「南6条の家」の構想を練り始めました。4月1日から始まった新法改正で建築確認申請が今まで1~2週間で下りていたものが、審査には約2か月も掛かることとなり・・「南6条の家」の着工時期が見通せなくなりました。

7月末には「南幌まちなかの家Ⅳ」の外観が完成し、建築知識ビルダーズに特集していただきました。

8月には「北郷の家」の増築部分であるアプローチ棟が着工しました。人気の南側敷地に建つ「北郷の家」ですが実は南空き(道路からの距離)を取り過ぎていて、そのだと冬場の除雪が大変・・そこで家と前面道路の間にアプローチ棟を増築し内部をトンネルのように通れるように考えました。

9月には「南幌まちなかの家Ⅳ」の見学会を行うことができました。南幌で設計に関わるのはこの家で4棟目、夏場も使えるパッシブ換気に進化させた新顔が街並みに加わりました。

10月には「北郷の家」の工事が完了しお引き渡しを終えることができました。既存住宅を減築しながら性能向上改修し、別棟となるアプローチ棟も増築するという、複雑な工程でしたが飛栄建設さんのご協力で無事竣工を迎えることができました。

11月には「南6条の家」の現場を監理しながら、木賃アパートの再生(北大・森研究室・CIS計画研究所との共同研究)、近隣自治体の空き家対策、マンション外断熱改修事業と戸建て住宅以外のお引き合いもたくさんいただきました。

12月は少しだけ復活した忘年会に顔を出し、残務と来季の仕事を整理しています。


さて今年の締めはマッキーで!



南6条の家 2025.12.26



本日の「南6条の家」の様子です。予定通り外装は全て完了し、足場を落とすことができました。雪が降る前に足場を落とせたので、アプローチ(カーポート)も施工することができました。後は内装を集中的に頑張るだけです。

工事現場は中々計画通りに行きませんが「南6条の家」に関しては工程が非常にスムースに進んでいます。


南側から見たところです。ちょうどリビングの上に吹き抜けを作り、1階の窓だけではなく1.5階に相当する吹き抜けからも下に光を落とす計画としました。

1、2階ともに軒の出1mの深い庇を窓の上に設けて、夏場の日射遮蔽に備えると同時に、南側隣地の2階から来る視線を避ける目的も同時に果たしています。

外壁は道産材のエゾ・トド松ですが、日の光の影響でずいぶんと色が付いてきました。だいたい1年でシルバーグレイに色変わりし、その後はどんどん味わいを深めて行きます。

木外装ですが色の塗り替えや手入れは基本的に必要ありません。あるとすれば、経年で割れたり傷んだところを交換するくらいです。縦張りした板の幅は10.5cmですので傷んだところだけ、必要な枚数のみ交換すれば事足ります。

「南6条の家」の建つ敷地は準防火地域。以前は外装に木材を使うことが難しい地域でしたが、現在は木外装でも防火構造を満たす仕様が開発されてまちなかでも自由に木外装を楽しめるようになりました。

今日はHSCCのマイケルカバーで行きましょう!



2025年12月15日月曜日

マンション外断熱改修 2025.12.15

ここ数年、築深コンクリート造マンションの外断熱改修に積極的に取り組んでいる。

ご承知のように積雪寒冷地として知られる札幌市マンションのニーズが高い。戸建てに比べて、修理や管理、除排雪の容易さや利便性の高い都心の暮らしに魅力を感じて分譲マンションを選択する。隣戸に対する生活音や近所付き合い等の不安がありつつも、都心にそびえる我がマンションの雄姿に頼もしさを感じる人も多い。


その一方で、一見頑強そうに見えるマンションだが実は12~15年毎の修繕工事(修理&修繕)が欠かせない。コンクリート造は意外にも脆いのだ。さらに言うならば外壁にタイルを貼っている建物は必ず経年と凍害によるタイルの剥離や落下を経験することになる。タイル仕上げのマンションの多くが、定期修繕の際に浮いたタイルを貼りかえることが多く、遠景から見ると既存タイルとの色違いが気になる経験をした人も多いと思う。

マンションにとって壁と屋根(躯体)は雨漏りや凍害で傷むと最も修理にお金が掛かる部分でもある。したがって定期修繕の際、配分すべきコストの優先順位を下げることは難しい。これ以外にも、エレベーター(EV)や給排水管のような日常生活のインフラに当たるものにも当然ながら定期修繕は必要となる。

住民にとってこれら1:躯体、2:EV、3:給排水といった三大工事をいつのタイミングで適切にスケジュールすべきか?、必要となる修繕積立金はどの程度用意すべきか?当然ながら定期修繕を重ねるたびに建設物価は上がるのだからそれらも想定し積立金の計画的な値上げをどのように意思決定し合意形成しておくべきか?・・・思わずそれは管理会社の仕事・・と口から出そうになるが、そもそもこの問題の当事者はどこまで行っても住民なのである。
マンションによっては”揺りかごから墓場まで”・・よろしく販売会社のみならずその系列の管理会社に改修工事業者まで取り揃えて、煩わしさなし!を強調するケースもあるが、住民なら誰でも疑問に思う瞬間があるはずだ。

上のグラフを見て頂きたい。黒点線が一般的な通常改修(15年毎)を繰り返すと仮定した場合、必要となる修繕積立金の推移を示し、黒実線がその際に躯体修繕にかかる工事費の額を示している。当然ながら工事費だって15年毎に価格上昇するのだから、上昇する工事費に見合った修繕積立金の値上げが必要となる。

例えば30歳でマンションを購入した人の場合、1回目の大規模修繕工事が45歳の時、2回目は60歳の時となる。近年は働き手不足の影響で定年も延長傾向であるとはいえ、定年後の75歳で必要となる修繕積立金を負担できる住民は果たしてどのくらい残っているだろう?現実的には難しいと言わざるを得ないのではないだろうか。

そこでまだ返済能力が十分な1回目又は2回目の定期修繕を15年しか持たない通常改修ではなく、より耐久性向上が期待できる外断熱改修に切り替えるとどうなるだろう、本来ならば3回必要だった定期修繕工事を2回に圧縮してしまえば一番出費の厳しい3回目の定期修繕の時期をさらに後ろ倒しにできる(時間に余裕ができる)。もちろん通常改修に比べて外断熱改修はより高価な工事となり易いが、返済能力が健全な内に15年以内(通常改修のサイクル以内)の返済期限で可能な資金計画が立てられたとしたら十分に魅力的な方法となる。

黄色点線は毎月の修繕積立金の中からその一部を返済に回した場合の修繕積立金残高の推移を示す。従来のように全額を積み立てる訳ではないので貯まる速度は落ちるが、躯体の長寿命化が実現できるので積み上げを急ぐ必要はなくなる。躯体が傷む心配がなくなるので、躯体のために割いていた修繕積立金は余る。結果的に躯体にかかる修繕費は減る。管理組合としてはそうして安全かつ合理的に節約したお金を様々なところに回す余裕が生まれる。

市内には20年前に外断熱改修を終えたマンションが存在し、それ以降に外断熱化されたマンションも年々増えている。その多くで改修サイクルを延長することのメリットが聞かれるようになった。札幌市もこうした実績を受けて様々な施策を設けている。

札幌市既存集合住宅省エネ改修コンサルタント派遣事業(相談に対する補助) https://www.city.sapporo.jp/toshi/jutaku/konsaru.html

札幌市既存集合住宅外断熱改修事業補助金(工事に関する補助)

今日はHSCCでクリスマスカバーなんていかがでしょう


2025年12月9日火曜日

南6条の家 夏対策


夏目線の断熱気密住宅を考える。平屋は家の中央が暗くなりがち・・そこでLDK上部を1.5階分の塔屋(吹き抜け)として南側から光を入れる。もちろん暑い夏の光ではなく冬の光がより多くはいるように庇を付ける。理由は簡単で冬は主に明るさを入れたいし、反対に夏は暑すぎない程度に熱を入れたいから。なぜ暑い時期に熱を入れるのか?といえば塔屋内にあるエアコンの冷気で壁が結露しないように吹き抜け内を適切に加温したいと考えたから。もう一点はエアコンが温度(暑さ)を感じ続けられるように(まだ下階が冷える前に停止してしまわぬように)したいと考えたからです。

そもそも高断熱高気密住宅は冬を前提に発達してきたが、近年の酷暑であっても冷房の効く家として評価が高まりつつある。その反面、エアコンのつくる低温による結露やカビに注意が必要であることも分かってきた。

そんな酷暑時代の北海道のスタンダード住宅として「南6条の家」には色々な工夫を盛り込んでいます。
今日はKOIAI・・凄いです!


2025年12月4日木曜日

南6条の家 2025.12.03

 

「南6条の家」にて、エアコンを納める塔屋を足場から見る。防水はシートの0勾配。中央の2本がパッシブ換気用の煙突、右の円盤が24h換気の排気口。塔屋の左側の小庇はハイサイドライトの上部を覆う。塔屋内に日射熱を取り込むことでエアコンが停止しづらいように、また過低温による結露から躯体を守ることを考えました。

通りから見た風景はこんな感じ。窓が少なくて殺風景に感じる人もいると思いますが、実は家の前におなじみ二台分のカーポートが建ちます。要は車から降りて雨や雪に当たらずに自宅に入れる動線です。
こちらは南側の大開口。建て主さんのご要望に従って窓の上には深い庇を設けました。庇の存在って建物がヴィジュアル的に安定することはもちろん、もう一つの理由は昨今の異常な暑さ対策。従来の北国型エコハウスの常識である冬の日射熱取得の最大化(南面大開口)だけでは夏が暑すぎてたいへん・・残念ながらここ10年ほどの間に一般的な庇のない四角い家は地域の実情にどんどん合わなくなってきているということなのです。

そんな理由で、庇のない箱型から庇のある箱型に姿を変えたのが「南6条の家」。冬の暖かさはもちろんのこと、日差しの強烈な夏場も家に入る日射を減らして、しっかり冷房が効く室内環境を作ります。

今日はLexington Lab Bandでデフレパードのカバーなんていかが


本物が聴きたい人はこちら・・


2025年11月21日金曜日

南6条の家 2025.11.21

本日の「南6条の家」です。予定通り屋根の防水が終わり、外装の下地となる白い防水透湿シートも貼り終わり・・庇も宇野棟梁のおかげで完成いたしました。もう雪が来ますから、外装の木材を早く張ってしまいたい。

そんな思いで現場の大工さんたちにも頑張っていただいています。

室内では電気工事と充填断熱工事が同時に進行中です。

夏の暑さをいなしながら冬にはしっかり日が入る庇。約1m跳ね出して窓上に取り付けました。写真は南側の居室。1.2m角の窓から低い冬の日差しが入ります。

こちらは居間の吹き抜け部分。南側のハイサイドライトから入る光です。平屋は家の中心が暗くなりがち。そこで居間の上を低い吹き抜けにして床は粗目のスノコとして光を下に落とそうと考えました。

今日は久々にバンアパ・・いい曲です!


2025年10月31日金曜日

北郷の家 2025.10.31 お引渡し


今日は性能向上リフォーム「北郷の家」のお引き渡しでした。

15:00からでしたのですぐに外は暗くなり・・暖かな室内の光が印象的でした。


北郷の家のお花は黄色。毎回、事務所のある商店街のお花屋さんでアレンジしていただいています。室内に映えるアレンジのセンスにいつも感謝しています。

季節柄、ペレットストーブの炎が恋しくなる今日この頃・・(株)ケイズの井上さんによる丁寧な取説です。住まい手さんはセントラルヒーティングの住まいは初めてとのこと。今までのお住まいは寒かったそうですから、セントラルヒーティングの穏やかさよりもストーブの高火力に体が慣れています。そんな経験が長いと、新居に越しても、慣れるまでの1~2年は家が寒いと感じてしまい易い。そんな時に炎の存在は暖かさを連想させるうえで大変分かり易い。じゃあ2年後にはストーブなんて使わなくなるかといえばそんなことはなく、むしろセントラルヒーティングを調整しながらペレットストーブとの気持ちの良い塩梅を各家庭ごとに見つけて行く・・各人焚き方は様々でも、不思議なことに全員に共通するのは冬が大好きになることです。

午後四時過ぎですっかり日が落ちる今日この頃、ストーブの炎に癒されます。奥さまの「ずっと見てられますね/笑」という言葉が印象的でした。

今日はもしもカシオペアがYMOを演奏したら・・面白いすよ/笑!



南幌まちなかの家Ⅳ 2025.10.18 お引渡し

 

10/18は南幌まちなかの家Ⅳのお引き渡しでした。いつものようにお花を買って、竣工図一式と、各届け出の製本を持って伺いました。

今年は4月から建築基準法の大改正が施行され、混乱の中の着工となりましたが初めてご担当いただいたネオス建築さんの奮闘で無事現場を納めることができました。

この場をお借りして現場をご担当いただきました中野所長さん、タイムラプスを撮影していただいた広報の泉さん、いつも大らかにお打ち合わせを進めて頂いた佐藤社長、そして南幌にて4棟目のご指名を頂いた建て主さまに心より御礼申し上げます。

いよいよ北海道でも本格的な夏対応(全室冷房)が求められるようになり、通年型のパッシブ換気や深い庇による日射遮蔽、縦格子による視線と西日の制御等々・・従来の冬目線に加えて夏も気持ちの良い住まいが益々求められるようになっています。そうした新たな挑戦の機会は、自身の設計にとって大きな転換点になりました。

もうすぐやって来る冬もきっと暑いであろう来年の夏もご家族全員で気持ちよく過ごしていただけるといいなと思います。

写真は新宮商行さんによる薪ストーブの取説。薪ストーブを楽しみながら、安心して調理ができる家は今でも意外と多くありません。パッシブ換気による柔軟な燃焼用空気量の増減でC値が0.3cm2/㎡といった超高気密な室内でも安心して炎を楽しむことができます。

ぜひ、今シーズンから薪ストーブライフを満喫してほしいです。

今日は、最近はまっている「もしもシリーズ」・・えっYMOなのになぜベンチャーズ?/笑


2025年10月19日日曜日

北郷の家 2025.10.19

 

性能向上リフォーム「北郷の家」がもうすぐ完成します。上の写真は縦格子の付いたテラスをアプローチ空間から眺めたところ。居間の前に用意された半屋外の空間は一年を通して大活躍します。

光と視線をある程度通す方法でテラスを覆うのがコツ。こうすることで屋外の解放感と通りからの覗かれ難さを両立できるからです。なぜ両者の両立にこだわるのかといえば・・質の高い空間(こんな空間あったらいいなあ~と思う空間)は覆い方の工夫で決まるからです。

要は単純に壁と屋根で覆えば単なる室内になっちゃう・・でも屋根は付けるけど壁は空気と視線、光が出入りできる程度にあえて粗く作っておく・・そんな風に覆い方に濃淡を付けると・・昔はなかった空間が出来上がります。

屋外から覗かれにくい空間があると・・風呂上がりに薄着でくつろぐもよし、BBQをするもよし、洗濯干し場や、食品の一時貯蔵、冬場に自転車を置いておく等々・・様々に使えます。季節ごとの設えが多い北国だからこそ、こうした半屋外の空間が大切!寒いから大きくて暖かい室内が何より重要・・なんて以前は信じていましたが、丁寧に暮らしを観察するようになってからは室内以上に半屋外の空間に目を向けるようになりました。

こちらは段数を増やして架け替えられた階段。日本の住宅の良くないところは・・急な階段。1階の暮らしを重視する人が多いせいで、とかく無視されがちなのが二階への動線の質。急な階段は安全上も室内の有効活用の観点からもお勧めできません。

布の壁紙に取り付けたスポット。織り糸の黒と呼応していい感じです。

床下に設置された暖房配管だけで家中で必要な暖房熱はあらかた供給が可能となります。でも、長い冬を楽しく過ごすためには炎の暖かさで室温の仕上げをしたいと思います。

キッチンより吹き抜けのあるダイニング方向を見たところ

こんな風に1階の縦格子からの明るさが減っても吹き抜けに設けたハイサイドライトから光が落ちてきます。

今日は汐れいら・・なんていかがでしょう