2024年12月20日金曜日

南幌みどり野0カーボンヴィレッジ2024.12.20


本日は「南幌の家ZERO」の現場講習会。全道各地から設計者さん工務店さんにご参加いただきました。北海道建築指導課さま、北海道建築指導センターさま、北総研さま、貴重な機会をいただきましてありがとうございます。外は-4℃、南幌名物、冬の風が北西から吹き付けまことに”しばれる”講習会になりました。みなさまごくろうさまでした。

断熱工事が完了した屋内は平和そのものです。

北方型住宅ZEROとZEROカーボンヴィレッジのお話を、建築指導課さんよりいただいた後は解説に対する質疑応答。

板金の下地になる耐水ボードです。この上から板金の仕上げを行います。

緑道側からもほぼ外壁の下地まで完了です。

今日はaespa・・ふと気付けば今年もあとわずか・・





 



2024年12月14日土曜日

福井の家 2024.12.14の様子


本格的な降雪期に入る前に足場の解体が間に合った「福井の家」です。

南東側は3m以上下がっていますのでそこから見上げるとこんな感じです。

日射角度の低い冬向けの壁面太陽光パネルです。今の時期は午後3時で夕方の感じですから、南西側壁面の一番高いところが最も効率よく日が当たります。

通常であればそこを2階のLDKとすべきですが、隣家の壁が目の前に迫ってしまうことと、大開口を設ければその反作用として太陽光パネルに割ける壁面は減ってしまうので、南東側にLDK、南西側は大きな窓が不要な子供室とすることで必要な壁面積を確保しています。

物置とサービスヤードが見えます。

庇を伸ばす反面、その下のアプローチ壁面は敷地側にセットバックさせ、6mしかない前面道路幅員を少しでも広く使えるように考えました。


今日はジェフベック・・すごい







 

2024年12月7日土曜日

福井の家 2024.12.07の様子

 

本日の福井は雪。「福井の家」には薪ストーブの煙突が取り付けられました。

現場としては本格的な積雪期を迎える前に足場は解体してしまいたい。足場の上に大雪が降ると積もった雪を落とすのも大変、重たすぎる雪だと足場が倒れる危険さえ出てくる。

冬の現場を安全に運営するためには、天気をにらみながら、屋根屋さん、設備屋さん、太陽光パネル屋さん、シーリング屋さん、薪ストーブ屋さん等々に対して、順番に遅滞なく作業スケジュールを組めるか否か・・要は足場が必要な高所作業は忘れることなく終わらせておくことが重要。

仮にそれらがすべて完了し足場を解体できたとして、トラックに積んで帰るのだって積雪がないに越したことはない。「福井の家」の前面道路は6m。積雪を考慮するとむしろトラックには狭い。週明けすぐに足場を解体撤去し、今度はアプローチの建て方に移行するが雪が降らないことを祈るばかりである。
壁出しの断熱煙突。冬場に炎のある暮らしを!

室内では宇野棟梁が枠材や造作材の加工に入っている。写真は仕上げられた白樺積層合板の枠材。オイルで拭くだけで美しい仕上がりとなる、地域材仕様。最近、北海道の白樺合板は全国的にも大人気。海外からの引き合いも増えているそうだ。

元々は植林された松林を食い荒らす厄介者として盛んに伐採されていた白樺。その利用先は残念ながら主にチップ用途・・要は新聞紙やトイレットペーパーの原材料だった。

そんな白樺に光を当てたのが芦別に本社のある瀧澤ベニヤさん・・なんとも美しい合板に仕立て直された白樺の美しいこと・・当事務所の仕事では窓枠、上がり框、階段、建具枠、造作家具全般に広く使っている。中でもこの合板で作られるキッチンは住まい手さんに大人気。木目のキッチンはけして珍しくないが、写真プリントと本物は全然違う。

願うことなら・・いつまでも使えるといいなあと思う。
「芦別の家2019」


こちらは洗面化粧台の補強。40kg以上の二人用洗面器を壁付けする関係で壁の内部に24mmの厚物合板を仕込んでいただいた。壁の向こうはWCなので防音もかねて中間仕切り壁にもGWを充填しています。

うーん・・いいですねえ~



南幌みどり野0カーボンヴィレッジ2024.12.07

 

すっかり冬らしくなった本日の様子。工程的には屋根では板金屋さんが防水工事を、屋外では大工さんが外壁の付加断熱を、屋内では棟梁が充填断熱を行っています。

こちらは屋根の様子。スノーストッパールーフと呼ばれる無落雪屋根を施工しています。
この屋根・・意外にも雨が降ると屋根の高低方向に水が流れるのではなく屋根勾配の直角方向に水が流れます。

積雪に対して地域がたどり着いた結論が屋根は形を問わず、無落雪!

雪の落ちる屋根では安心な雪国の暮らしは実現しない。その分屋根には大きな雪の重量が掛かりますがその分、強度を割り増して設計しています。

こちらが加工済みの屋根材です。防水上、屋根の途中でつなぐことは好ましくないので、屋根幅と同じ長さの材料で加工し屋根を葺いてゆきます。

現場ではちょうど雪も上がり濡れることなく屋根の工事が進んでいました。

季節の変わり目に、忙しい合間を縫って来てくれる屋根屋さんは本当にありがたいです。

こちらは屋外の付加断熱の下地の様子。「南幌の家ZERO」では付加+充填で200mm断熱としています。但し、通常品の16kgHGではなく32KgHG。性能的にも従来品に比べて約10パーセント性能が上がっています。

高性能グラスウールの中では最も高価な製品ですが、大工さんの評判は上々。切断が非常に容易。きれいに充填できる。膨れすぎない・・道内のGWシェアNO.1のパラマウントガラス工業さんの製品ですが、今後の中心的なGWになりそうだなと思いました。

こちらは屋内の様子。うず高く積まれた大量のGWです。これらがすべて使われると思うと、あらためて断熱量の多さに驚きますが、その一方で、南幌で現実的に暖かで省エネな暮らしを実現しようとすると、けして多いどころかむしろ常識的な量だと思います。

今日は最近、製図の時によく聞いているGyoshiさん 最近流行りのギター女子なんですけど、動画の音がよいのと原曲に対するリスペクトが感じられて大好きです。今日はラリーカールトン。もちろんいいす・・









2024年11月30日土曜日

福井の家 2024.11.30の様子


本日の「福井の家」の現場は朝から雪。福井地区は地域的に雪の多い西区の中でも山側ですから、私の住む発寒地域に比べると積雪は多い。

何とか本格的な積雪の前に足場を解体すべく、大工さんたちが頑張ってくれたおかげで外壁の押縁まで完了。後は窓周りのシーリングや太陽光パネルの設置を待つばかりです。

外壁の押縁がきれいに施工されています。

こちらは24h換気の排気口。上にちらりと見える四角い方がパッシブ換気の排気口。用途的には同じ計画換気の排気口ですが、24hは機械による換気(3種換気)、パッシブ換気は断熱建物の特性を利用した自然換気となります。

ちなみに日本の法律では計画換気は機械動力を用いたものに限るという決まりがあるので、全国どの住宅現場でも1種~3種の内どれかは機械換気がついています。

なので・・わざわざパッシブ換気まで付ける必要はありません。じゃあなぜ??

理由は簡単で機械換気に対して圧倒的に優れた点があるからです。その一つが何といってもその静粛性。最近のモーターはかなり静かになりましたが、300mm断熱の室内で使うとその小さな音が気になる。高い気密性と超断熱化によって外の音は入ってこない。反面、室内の音は気になるようになります。

仮住まいのころは、エアコンが回っていてもお風呂やWCの換気扇が動きっぱなしでも全然音なんて気にならなかった人が、なぜか300mm断熱の家に越した途端、その静けさに驚く・・

モーターの駆動音がしないパッシブ換気は室内に、住まい手がこれまで経験したことのない静けさを簡単に実現可能というわけなんです。

もう一つの長所が壊れないこと・・どんな機械換気でもいつかは必ず壊れる。永遠に動くモーターや機械はありません。それに対してパッシブ換気は高断熱建物特有の優れた煙突効果がその動力。要は穴が詰まらない限り換気が止まることはありません。

でもね・・せっかくエネルギー(お金)を使って温めた室内の空気をそのまま外にどんどん捨てるなんて勿体ない。そんな風に考える人も多いと思う。要は北国の暖かな室内を満たす空気っていうのはお金が溶けてるのと同じことなんだから。

そこで室内側には湿度に応じて開閉するグリルを取り付けて、不在時(室内空気が乾燥時)は換気量を絞り(省エネ)、反対に在宅時(室内空気の湿度上昇)は換気量を増加させるデマンド制御を組み合わせてある。これにより通常の一種換気と省エネ性は変わらない。

その一方でパッシブ換気の設計には難しさもある。平地のように冬の風向きが一定の地域であればその方向(風下側)に排気口を設けるだけでよい。しかし「福井の家」の敷地は北と西から山が迫る傾斜地。つまりは谷あいに位置している。

その結果、冬場の風向きはかなり複雑で、けして一定ではない。場合によっては排気口から冷気の逆流も想定せざるを得ない。そこで仮に逆流してもストーブの上に冷気が落ちるようにパッシブ換気の排気口の位置を工夫してある。

小屋根の上の雪も原則落ちないように樹脂製の雪止めを取り付ける。

庇の下の水平連続窓の様子


こちらは、屋根に積もった積雪。本格的な降雪期に入ると屋根の上の積雪は軽く1mを超える福井地区。屋根の積雪荷重は概ね15~20tにも及びます。

冬場は正面に見える西側の山から降ろす風が多いが敷地周辺はかなり風向きが変わる難しいロケーション。

冬ですよね~



2024年11月26日火曜日

南幌みどり野0カーボンヴィレッジ2024.11.23


2階まで建ち上がった「南幌の家ZERO」今日は夜半から雪。大工さん5名で頑張っています。

中々の青空なんですが、空気はすでに冬の匂いがします。

ふと見ると・・懐かしい道具小屋が・・ヨシケンさんの土場を受け継いだ紺野建設さん。ヨシケンさんの道具小屋も有効活用している様子。現場経験のある人ならわかると思うけど窓がつくまでの間、構造金物や釘・ビス類をどこに置く?そんな時1帖でもいいから施錠できる場所があるとありがたい。

シンプルな片流れの屋根に厚出の合板を貼って火打ち梁を省略します。

柱脚金物は全数チェックです。

今日はFIVE NEW OLDなんていかが





2024年11月20日水曜日

福井の家 2024.11.20の様子

 

外装の松材が概ね貼り終わった「福井の家」です。

室内では電気配線工事が完了しました。

壁のGWは原設計よりグレードUP。100mm厚(20kg/m3)から106mm厚(32kg/m3)と高性能化しています。

写真は53mm(1層目)をはぐり2層目を確認しているところ。


キッチンの換気扇はおなじみの同時給排タイプ

南東側に迫る隣家の緩衝帯となりつつ、夏はプール遊びやブランコ、もちろんBBQもできちゃうテラス。本来なら隣家と十分離して配置ができるといいのかもしれませんが、札幌市内に、そんな広い宅地は・・もう、なかなかありません。

人によってはテラスをやめればその分、少しでも離れが取れる・・なんて人もいますが実態は逆。わずか2m離したくらいじゃあ状況なんて何ら変わらない。

そこで縦格子で覆って逆に近づけます。

隣家に近づかざるを得ない配置計画の場合は、特にお互いがストレスにならないように何らかのクッションを工夫してあげることがすごく大切。隣家にとっては2階の寝室を覗かれる位置にダイレクトに窓を作られるのと、格子で見え難くカバーしてもらうのでは、たとえ同じ位置に窓が来ても全然、感じる圧は違う。反対に敷地を少しでも有効活用したい建て主側にとっても、先方と摩擦を減らしながら楽しい空間が増えることは一挙両得。

設計って基本は建て主さんの立場に立って事を進めますが、この見る&見られる問題を十分想定して解決策を用意しておくのって実はキモ中のキモなんです。

今日はバンアパなんていかが





2024年11月19日火曜日

南幌みどり野0カーボンヴィレッジ2024.11.19

 

「(仮称)南幌の家ZERO」の本日の様子です。すっかり雪に覆われた現場で本日より大工さん5名で土台敷きを開始しました。

プレカットは(株)ニッショウさん。赤平の工場で加工し現場に運んでいただきました。

玄関ポーチ周りの熱橋対策。基礎断熱で床下を室内とする設計なので、外部の寒さが伝わらぬよう細心の注意を払います。

現場はこんな感じでかなり雪が積もっています。
現場では、建て方を指揮するS棟梁さんより、床を支える鋼製束を濡れた土間にどうやって接着させましょうか?と質問をいただきました。濡れていると接着の力は落ちますから、土間をドライヤーで軽く乾かした後に、ビスも併用して留めつけて頂くようお願いしました。

冬季の施工になりますので建て方が完了し次第、床下が湿気ってしまわぬよう扇風機で空気を通して十分乾燥させます。

今日はアカサカトリオなんていかがでしょう