2023年9月1日金曜日

8/30 発寒の家Ⅲ 


内部の枠加工に到達した「発寒の家Ⅲ」です。棟梁が一言・・「今回、枠多いわ」・・その一言でふと思い当たった。性能向上リフォームを行う上で間取りを大きく変えないことは大切なコツ。なので間取りはほぼ以前のままである。昔の間取りの特徴は収納より部屋数と扉の数を重視すること。理由は簡単で、家の共用通路部は基本寒いのが当時の常識だから廊下やホールに面する部屋には全て冷気が入らぬよう扉が必要となる。もちろん共用通路は寒いものと思い込んでいるから、廊下や階段&玄関なんかは極力コンパクトに作ろうとなり易い。その結果益々通路以外の用途には適さなくなる。こうした共用部を勉強&ホビーコーナーのような居室用途に拡大し使えるようにするには、寒さを除くノウハウの獲得と発想の転換の両輪が必要だ。リビング階段や吹抜は気持ち良さの反面、熱環境的には不利であると決めつける発想も何だか思考パターンが似ているなあ~と感じました。
上は昔風の間取り。設計者が断熱を十分理解していないと玄関や廊下の寒さを改善できないのでそれらを極力小さくまとめようとする。接する部屋にも冷気が入らないように全て建具(扉)で仕切りたくなる。その結果・・玄関廻りの収納も取り難くなるし、WCなどは狭くて寒い空間となり易い。もちろんヒートショック等の事故も考えられる。要は若い時しか住めない家になってしまう。住宅は最低でも35年以上住むことを考えると、これは大問題。
最近の間取りは断熱の効果を十分生かして広々とした一室空間が可能。階段がリビングにあっても、もう冷気を気にする必要はない。つまり間仕切りの必要性は寝室だったり、脱衣だったり寒さ以外の必要性で決めればよくなる。その結果、室内は広々として建具とそのための枠が減る。棟梁が言うのはいつも作っている間取りと違うねという意味でした。

今日は久々にHSCCかっこいいです