2012年1月27日金曜日

恩師たちの最終講義

ところでみなさんの出身校はまだ残っていますか?私の卒業した北海道東海大学は、あと二年で閉校します。地方の疲弊や少子化の波を受けて北海道の大学にも規模縮小の波が押し寄せています。先日、かけがえのない恩師である、北島先生、大矢先生、粉川先生の最終講義に旭川に行きました。

 長い間、旭川の景観アドバイザーを務めた北島先生の講義、旭川市のシンボル橋である旭橋の再生と保存に積極的に取り組み、現在の橋の色はオリジナルに近いものに再現された。街並みや街路にも造詣が深く、研究の範囲は建築を越えて土木にまで及ぶ。「悩んだときは、それは本来、誰のものか?と問いなさい。」と教えてくれたことは一生忘れないと思います。

ドームと薄肉シェル構造の世界的権威である、粉川教授の可動式ラメラドームの模型。その他、地域の間伐材利用による、木製トラスはシンプルなジョイントの画期的なものでした。1986年の旭川ライブジャムのステージの上屋にこのトラスが掛けられ、その下でレイチャールズが歌ったことは最高の想い出です。いつも身の周りのものからインスピレーションを受けて、「あっ!」と驚くことを考える。そんな想像力を受け継ぎたいと思います。


最後は、自らに問いを投げかけた講義でした。

私たちの大学が画期的だったのは、教える先生の手によってキャンパスが作られていったことでしょう。当事基本計画を行った芸術工学研究館のスケッチを見ながら、大矢先生の最後の講義です。大矢先生とは、旭川の勤め人時代に、公営住宅の調査や再生マスタープランの仕事をご一緒しました。スケッチが抜群に上手でいまだにかないません。(笑)専門は意匠設計、建築計画でしたが課題のプランを出すたびに「へたくそだな~」と叱られていましたっけ?

最後には、お得意の歌で締めくくった大矢先生でした。



粉川先生の最新作、アイスシェルドーム。直径はなんと25mオーバー。「良質な雪と氷は最良の建材。特に旭川では寒くなればなるほど強度が増すしね~」と笑いながら見上げる空間の巨大なこと。びっくりです!スキー場や市内の酒蔵で既に実用化されていて、冬場に安価にできる仮設建物として道北エリアではかなりメジャーな存在です。

どうでしょう?この巨大な空間が雪と氷と温度でできるなんて驚きだと思いませんか?

今日はバッハでG線上のアリア。冬に似合いませんか?