今日は2009年に大規模性能向上リフォームで蘇った「西岡の家」の現場に来ています。約10年経って外壁のステインが色落ちしたのと、0勾配屋根の経年変化の様子や劣化部位の確認、当時はまだなかった役物による改良等が目的です。
汚れてはいますがほとんど劣化や硬化を感じないシート防水の表面。シート自体は全面接着ではなく点付け接着工法なのでその部分のみ補強パッチを増し張り補強すればそれで終了。
こちらは今回改良を加えることになった軒先。現在はL型の雨切りを打ち付けていますが、当時はそれを板金で作りその上にシートを接着していた。今回の点検で現在の工法と同様にこの状態のまま上からL型雨切りを被せシートを増し貼りすることとしました。経年はほんとうに技術の進化には欠かせない先生でその蓄積を通してしか普遍的な納まりは完成しないと思っています。
増し貼りを終えた点付け部分。
無落雪を優先させるためにこんな風に薄く雨水は屋根面に溜まります。
こちらは外壁の様子。右側から塗装屋さんが塗装してきたところ。塗料メーカの多くは5年以内の塗り替えを薦めるが、現実的に考えて5年ごとに家の回りに足場を掛けるなんて非現実的だ。そこで外壁材に轢きたての粗くけば立ったものをあえて使い、たっぷりと塗料が染み込む様に工夫している。こうすることで約10年くらいは塗装の間隔を延ばすことができる。