2019年6月25日火曜日

週末は 釧路の家へ


週末は「釧路の家」へ。お天気は生憎の霧と雨でしたけど久々に伺うことができました。
 
外壁はすっかりいい色に変わり・・・ 

玄関ホールに置かれたグランドピアノが迎えてくれました。
 
 
中央の壁には弟さんが描いた絵が飾られていて・・・ピアノの黒、白樺の生成り、壁の白が印象的でした。
 
こんな風にすごく丁寧にきれいに住んでいただいて嬉しいなと思う以上に住まい手さんのセンスの良さが伝わって来ました。

二階に上がると白樺やカラマツは美しく味わいを増していて一度、建付けが狂ったキッチンの扉も製作者の石川さんの手で見事に調整されていました。

竣工当時は白っぽい印象が強かった白樺の合板もしっとりしてきました。

木目の通りを大切にして丁寧に木取された扉
 
 
こちらは昨年末のクリスマスシーズンに伺った時のもの。冬の太陽光が26°の角度で低く部屋の奥まで差し込んだ居間の写真です。

12月の釧路は、3時過ぎには夕闇が訪れ・・・4時には夜がやってきます。写真は釧路名物、冬の夕焼け。
 
釧路の家に行くといつもモーツァルトが聞きたくなります。


2019年6月21日金曜日

桂岡の家 外壁断熱工事その4

 
外壁にグラスウールを充填し、グラスウール内に風が通り抜けぬようタイベックシートで覆った「桂岡の家」です。 

窓廻りは周囲4辺に先張りしておいたタイベックシートを窓下のみ外壁のタイベックシートの外側に引き出してテープ止めします。その他3辺は外壁のタイベックを室内側に折り曲げて、先張りと重ねてテープ止めします。
 
タイベックシートに対する基本的な扱い方(考え方)は下見板やこけら葺きのような「重ね合わせ」による防水の知恵から来ていますから、和大工なら一度コツを掴めば理解し易いと思います。

こんな風に壁のタイベックの上に屋根のタイベックを被せて、万が一タイベックの表面を水が流れても壁内のグラスウールを濡らさぬように考えておきます。

こんな風に納めるために屋根のタイベックを折り上げておきました。
 
今日はリバティーンズなんていかが

2019年6月20日木曜日

野幌の家Ⅱキッチン製作工事

 
先週の土曜日はクリナップ㈱札幌営業所さんにて「野幌の家Ⅱ」のキッチンについてお打ち合わせを行いました。
 
ご担当いただくのは、札幌直需営業所の石川さん。実は私のクライアントさんの中には最初から石川さん指名の人もいる程で(笑)・・・一緒に作る使い易くてデザイン性に優れたキッチンを楽しみにしているのです。
 
一般的にクリナップ㈱さんと言えば、日本屈指のキッチン&水廻りの総合メーカーとして有名です。
読者の皆様の中にも、ショールームまでキッチンを見に行った経験をお持ちの人もいるのではないでしょうか。
 
中でも同社を代表するブランドとして「クリンレディ」や「SS」といった商品名は昔からとっても有名ですし全国に多数の愛用者がいますよね~・・・・・っと言うのがいわゆるクリナップさんの一般的な印象。平たく言えばブランド力の高い既製品を販売するメーカーさん。
 
その一方でマンションやホテル&コンドミニアム・・・そして私たち建築家の案件を専門に担当してくれるのがいわゆる「直需営業所」さん。つまり既製品以外の一品物が専門なのです。
 
開放的で大きなLDKが北海道の住まいの特徴ですが、家の中でメインとなる大きな空間に置かれることの多いキッチンセットだけに、様々なニーズが多いのもまた然り。対面型が多いのもその一つ、北海道の主婦にとって食堂や居間を見渡しながら伸び伸びと家事をこなすのがある意味最近の理想なのかもしれません。

こちらはそんな一品物案件専用のショールーム。天板をどんな素材で作るのか?ステンなら磨き方はどうするのか?流しは既製品か?製作か?足元にゴミを分類できるようにして目立たぬように隠したい。包丁差しを子供の手の届かないものにしたい。天板の上に一切調理器具も置きたくない等々・・・様々なニーズに答えるアイディアがこの場所から生まれます。

ゴミ箱がどこにあるか分かります?

扉の面材は道産品も含めて様々なものから選ぶことが可能。

当事務所のヒット商品でもある白樺積層合板(エコシラ合板/瀧澤べニア)とステンレスのキッチンもここから生まれました。
 
                                
「前田の家2012」

「新琴似の家2018」
 
「菊水の家2010」

テーブルエッジは丸面取り(エコシラ合板ペーパーウッド/瀧澤ベニヤ)
 

引き出しは斜め面取り
 

タオル掛け&包丁隠し(エコシラ合板プレーン/瀧澤ベニヤ)

引き出し+ソフトクローザー/ブルム

こんな風にいつも図面を真っ赤にしながら打ち合わせをしてくれます。
 

丁寧に説明してくれる石川さん。地域にこういう人が居て、住まい手の細かな要望まで対応してくれるのは本当にありがたいです。
 
ちなみにこの直需営業所、北海道と東京にしかありません。そんな意味では北海道のキッチン大好き人にとってはちょっぴり幸福なことかもしれません。(笑)頑張れ!石川さん(笑)
 
今日は地元特集で・・サカナクションなんていかが?
 
 

2019年6月12日水曜日

芦別の家 いい仕事

芦別の家の建て方を見てきてびっくり・・おいおい・・・凄くお若い棟梁(失礼!)なのに手一杯キッチリしてます。もちろんプレカットCADオペの能力も半端ない・・現場監督さんとの息もピッタリ・・これだとC値0.2以上になんてならないわ・・拍手!

 
上の写真では気密シートを登り梁と根太受けで挟み付けて、壁の最頂部の気密をバッチリ確保しているのが分かります。

近年は木造住宅も分業化が進んでいます。昔のように棟梁が材料の見立てから仕入れそして加工まで通して行うケースは稀です。むしろ構造材の加工はプレカット屋さん、その加工法をリクエスト(打ち合わせ)するのは現場担当者(多くの場合大工さん以外)、大工さんはそうやって加工された材料が現場に搬入され・・組み立てるところからスタート・・・みたいな現場も少なくありません。

設計者も仕様書や要求性能指定書に例えば「気密性能はC値0.3以下とする」みたいな指示(要望?/(笑))を書いて終わり・・・要は目標は示してもその達成方法については工務店任せ?みたいな人も多く・・・

平たく言えば「施工(工事)は施工者の責任であって設計者の仕事じゃない」と無邪気にも信じ込んでいる人までいます。でも全体統括や工事監理者として契約し設計図を描くのであれば、その図面が妥当な施工性や費用対効果を客観的に満たしていることが前提になります。言うまでもなく・・絵に描いたなんとか・・では困るのです。

要は分業化が進めば進むほど各部門は専業化し孤独化しますから、お互いの意思疎通を明快にし風通しよくものづくりの環境を整えることが、設計者の新たな役割となります。

◆意思決定の順序
最初の提案は1:山本→2:清水組さん(現場担当者さんと大工さんの同意)→3:昭和木材さん(山本+清水組K所長&T主任と昭和木材CAD担当Iさん)の流れで進み。

昨日、実際に現場で1~3の流れの成果を確認して・・驚いた(感動)したというお話し(笑)。

写真は外壁の登り梁が母屋梁を左右から挟み付けているところ。向こうから手前に向かって根太が根太受けに刺さってきているのがビニール越しにうっすら見えるでしょうか。
 
また母屋の上には梁の勾配に合わせて三角形の台座が据えられ、登り梁の上に合板が貼られた際にまんべんなくビニールシートを挟む力が広がるように考えられています。
 
断熱性能を100%引き出すためには気密性の確保が欠かせません。そのためにはプレカットの部材加工の段階から”最低限の資材”で簡単に性能が引き出せるように、こういった断熱工事に欠かせない羽柄材の加工を考えておきます。
 
もちろん最近は優れた副資材も多いですから、後から専用パッキンや梁用の役物、特殊シート等を買うのも悪くはありませんが、本来はより少ない手間と資材で最大限の効果を得ることこそものづくりの目標とするべきですし、その目標を提案しそのためのアイディアを各人から引き出すことこそ設計者の仕事だと思います。
 
*:最低限の資材とは断熱材の他に(①防湿シート系、②タイベック系、③テープ類、④コーキング、⑤ウレタン缶)の5種類程度を指す。

指先が触れているのが根太受け。向こうから手前に向かって根太が刺さり込む様子、外壁の防湿ビニールを挟み付けているのが分かるでしょうか。
 
仮にこの根太受けがない場合を想像してみて下さい。根太は一本、一本ビニールを破いて登り梁本体に突き刺さるのでその本数分の気密処理が大変な手間になります。
 
先張りシートが有効なのはシートを破る個所数が少ない場合であって近年のように梁の間隔が合板床(剛床)の普及によって従来の180cmから90cm間隔になると様々な工夫が必要になってきます。
 
最後に・・・これだけプレカット工場で建物性能のことを考えて様々な部品を作ってもその意図や使い方が大工さんに伝わっていなかったら?「なんだこの部品?」で終わっちゃいます・・(残念)
 
だから分業すればするほどスペシャリストになればなるほど彼らを横に結ぶ存在が大切さを増すんです。コミュニケーションって大切ですよね~(笑)
 
今日はバンプなんていかが・・いいわ~(笑)

2019年6月10日月曜日

芦別の家 建て方開始

「芦別の家」では清水組さんの大工さんたちによって建て方が始まりました。みなさんよろしくお願いいたします。

基礎断熱のお約束。気密レールです。

敷地の南西角にクレーンを据えていよいよ小屋組みへ。「芦別の家」は吹き抜けが第一希望でしたから全て登り梁として設計しました。
 
プレカットCAD担当は昭和木材㈱札幌支店のIさん。今回初めてのお付き合いとなりましたが女性らしい緻密な打ち合わせですごく安心でした。
 
昭和木材株式会社HP http://www.showa-lumber.co.jp/index.html
 
 
 
小屋組みを顕す場合は特にプレカットの打ち合わせがキモ。頭が素早く三次元で回転する優秀なCADオペさんが実質上の棟梁となります。もちろん構造は全て通常のように天井に隠れませんから金物や材寸法にピッチ、材種、材色、構造用合板全てが一発勝負!なのです。

こんな風に長さ二間を超える梁を積んでトラックが到着。今やクレーンはほぼどの現場でも建て方時に欠かせないものになりつつあります。

顕しとなる化粧梁はしっかり包んで養生してあります。大工さんも当て木をして丁寧に打ち込んでくれます。
 
こーいうところが違うんだよな~清水組さんは・・・と嬉しくなりました。今や腕が良くて丁寧な大工さんはもの凄く貴重。一年前から予約しておいて本当によかったです。
 
㈱清水組HP(丘の町美瑛の建設会社)http://biei-shimizugumi.co.jp/

こちらは最上階の登り梁を金物に吊り込んでいるところ。クレーンの吊り縄を外す時が肝心。安全に安全に!
 
今日はビートルズですね~(笑)

苺とオレガノ


いつの間にか庭のイチゴは食べごろに、オレガノの紫に蜂が集まる季節になりました。


家庭菜園も始めてもうすぐ20年...お花がないと蜂が来ないでしょ。蜂が来ないと受粉しないから果実もつかない・・・自然のメカニズムなんだね

桂岡の家 外壁断熱工事その3

206による外壁の充填断熱下地がほぼ完成した「桂岡の家」の南面です。これからグラスウールを14cm充填しその上にタイベック(防風&透湿&防水)シートを貼ってから屋根面に織り上げてあったタイベックと連結します。

こちらは北側の断熱下地の様子。白色に塗られたモルタルの上から防湿ビニールを貼り、206による断熱下地を固定しました。
 
要は断熱下地でビニールごと既存のモルタルを挟み付けて固定し、工事後は筋交いとして既存のモルタル壁を再利用します。

こんな感じで縦横にモルタル外壁を固定します。

既存のモルタル外壁がビニールの向こう側に見えます。

こちらは南側の母屋貫通部。防湿ビニールも貫通してしまうのでアクリルテープでしっかり気密処理を行います。
 
いよいよ明日から外壁のグラスウールを充填します。先日お知らせしたように今の時点で大変室内は静かですが、断熱材が充填されると更にぐっと涼しくなります。
 
今日は米津玄師なんていかが

2019年6月3日月曜日

芦別の家 基礎工事 その2

「芦別の家」は現在、基礎工事が完了し建て方を待つばかりになりましたが、札幌よりも冬の寒さの厳しい芦別で必要になる、北国の基礎工事特有の工夫をレポートします。
 
写真はスカート断熱と呼ばれる工法で地中の凍結により建物が持ち上がる凍上現象を抑えることを目的に行います。
 
冬場、地面が凍結する北海道内では地域ごとに凍結深度が定められており、建物を凍上から守るためにその深さより基礎を深く設置しなくてはいけません。
 
ちなみに札幌市は凍結深度60cm、旭川市なら80cm、芦別市は70cmです。大都市圏の札幌ではコンクリートの価格が安価で、定められた深さで基礎を作ることが比較的容易です。
 
一方、地方に行くほどコンクリートの価格は急激に高騰し地方都市では凍上を安全に予防しつつもコンクリート量を減らす工夫が昔から求められて来ました。

そうしたニーズに対応する工法として北総研(北方建築総合研究所)が開発したのが「スカート断熱工法」であり、最初にマニュアル化されたのが1997年です。
 
その後、マニュアルは改定を重ねながら20年以上に渡って使い続けられている工法です。
 
これにより「芦別の家」では基礎の深さを10cm浅くすることでコンクリート量を安全に節約しています。
 
「スカート断熱工法設計施工マニュアル」http://www.hro.or.jp/list/building/koho/pdf/gijutu/skart_manual.pdf
 

基礎工事の最中に見つかった昔の暗渠用配管。電気及び上下水管の引き込みの障害となりますので撤去します。

こちらは敷地内に立てる構内電柱用の基礎。こちらはスカート断熱で浅く緩和していませんから凍結深度の深さがよく分かると思います。

このまま、内部にコンクリートを充填して基礎として使います。

埋め戻しが終わり、砂利が敷き込まれて周囲の敷地との高低差も調整された状態です。

屋根からの雨水を処理する浸透桝です。

左手前に構内電柱が立てられて建て方が始まるのを待っています。