自己紹介

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札幌市, 北海道, Japan
はじめまして。 北海道、札幌市で設計事務所をしています。 暮らしに最も近いものづくり「建築設計」 地域色豊かで環境的、使いやすくて長持。 そんな暮らしのデザインが大好きです。 社会の悩みを建築デザインのテーマにすると面白い! そんなことを考えながら今日もスケッチしています。建築(暮らし)のお話しあれやこれ... どうぞお楽しみ下さい。

2011年9月23日金曜日

告別式

今日は、仲間である建築家の奥さんの告別式でした。
45歳、ほんとうに若すぎると思います。

笑顔の優しい気さくな人でした。
栄養士として、子供たちの健康をまもり得意な料理で美味しさを伝えるのが仕事だった。
私の妻と同じ道北の出身で、家族同士で海にキャンプに行ったりした。

来年高校受験を控えた息子と最愛の夫を残して静かに旅立った。
桜の季節に息子の真新しい制服姿を見ることはとうとう叶わなかった。

それでも病と10年間闘った。しかし負けたわけではないようだった。
なにより彼女は微笑んでいた。

思えば、こうしてブログを書くことも、現場を見に行くのも、根気よく積算を見直すのも
、新たな間取りを考えることも、模型を作ることも、新たなクライアントに出会うことも、
無沙汰を詫びるのも、毎日不平を言うことも、思えば全て夢のようだ。
当たり前の毎日のなんと尊いことだろう。

心よりご冥福をお祈りいたします。

謹んで追悼の曲をささげます。
http://www.youtube.com/watch?v=8fDH9T0DIcM&feature=related

ぶらりと11年後に

現場からの帰り、札幌へ帰る列車を待つ間に昔し設計した居酒屋に寄りました。きれいに使っていただいて、カウンターや床が味わいをましていてびっくり!ほんとうにありがとうございます。

手元の料理が美味しく生えるようにカウンターに埋め込んだ間接照明。今も立派に使われていました。

カウンターは磨きこまれ、何度も塗装されなんともいえない味わいが出ています。実はこの材料はツーバイフォー住宅で使うもので家具用ではありません。しかしそれがかえって穏やかな表情になっています。

当時から、店主のお料理は美味しく、気取らないさりげなさにセンスを感じます。

料理を卓上に置いたときに近くに光源があると美味しそうに見えることを教えていただいたことを思い出しました。

2011年現時のお店。かなり日本酒のコレクションが増えました。



2000年の開店当時のお店の様子。まだカウンターの光り方が鈍いですね~(笑)

2011年現時



2000年開店当時

当時もレゲエが流れていましたっけ。

ぜひよかったら皆さんもお寄りください。お酒とお料理美味しいですよ~。

駅前食堂 中野藩 
旭川市宮下通7丁目 駅前ビルB1F tel 0166-27-3822 



2011年9月22日木曜日

春光の家 根掘り

本日は、春光の家の工事チームの紹介を兼ねて現場で始まった根掘り作業を見に来ました。春光の家は少々広めの平屋ですが、この日本人にとって人気の高い平屋を計画する際にいくつかのコツがあります。前回のブログで床下空間の大切さを取り上げましたが、今日はその大切な空間をいかに費用対効果を上げて作るかをお話したいと思います。
単純に言うと同じ広さの平屋と二階建てでは、基礎の大きさが倍違います。当然平屋は基礎の面積も大きくなりやすくそのままでは倍掛けのコストとなりかねません。道北圏の旭川市の凍結深度は80cm、基礎の下には水平に均した砂利を敷き詰めねばなりませんから、その分も加えると、通常の根掘りは地表面から1.1mまで掘り下げねばなりません。ちなみに札幌は0.9mが標準です。当然掘り出される土量も同じ面積の基礎同士で比較すると札幌よりも多くなります。また2011年現時でのコンクリート単価は旭川市1.5万円/m3に対して0.78万円/m3札幌市となっています。お話を総合すると、基礎のコンクリートは倍の価格で、コンクリート量は二割り増し、当然排出土量も二割り増しの基礎をどのようにコストデザインするか?この観点を計画の初期に持ち対案を設計に盛り込まねば企画倒れの憂き目に会います。(笑)

その対案とは断熱浅基礎。一般にはスカート断熱工法と呼ばれるものです。この工法、旭川の北総研(北方建築総合研究所)で生まれました。HP:http://www.nrb.hro.or.jp/index.html基礎の周囲に必要とされる断熱措置を施すことで、旭川で必要とされる凍結震度80cmを50cm程度に軽減することが可能になります。要は安全性を保ったまま、基礎全体のボリュームが半減すれば仮にコンクリートの価格が札幌の二倍でも、さほどコストは気にならなくなります。さらに平屋だとこの効果を二倍享受できます。何度もこのブログで述べているように、こうした地産技術はどんどん地域で使うべきではないでしょうか?熱の伝わり方をデザインすることで、実は安全にコストを下げたり、以前はまったく使い道がなかった床下に大切な役割を与えたりできるのですから。

平屋のためにほぼ総堀りに近い掘削となるが、その分浅いために結果的に排出土量とコンクリート量は通常設計に比べて約40%ダウンとしている。

旭川の通常の基礎工事は溝の中に入ると、ほぼ胸の低い位置まで埋まる感じ。圧倒的に浅いのがお分かりだろうか?

MGMTの原曲もいいけど~(笑)





2011年9月21日水曜日

春光の家 着工

春光の家が着工しました。まず最初に着手する基礎廻りの打ち合わせを橋本川島コーポレーションさんの本社で行いました。近年では基礎の役割が非常に大切になってきています。耐震性もさることながら、今回のプロジェクトでも基礎を断熱化し、室内の一部としてさまざまな用途に使う予定です。

①:床下暖房の敷設空間 比較的大きな面積を効率よく暖房することに有利な床暖房。単位面積当たりの床温度を25℃以下に下げ、全体の容量は面積でカバーする方式です。ただ一点の難点は、床に埋め込む管や線にもしトラブルがあった場合に床を壊さねばならないというところ。住人は一時仮住まいが必要ですよね~、そこで床下暖房の登場です。人が歩く床には暖房を埋め込まず、床下を配管用の床にします。こうすることで後になにかトラブルがあっても容易にメンテナンスに床下に潜ることができるのです。床下の天井高を約60cmとしましたから、平時は床下全体を大きな床下収納としても利用できます。

②:室内空気の熱回収の経路 北海道の中でも特に寒冷な気候の道北圏は、冬季間の平均室温が道央圏に比べて高いところが特徴です。札幌よりずっと寒冷でありながら建物の断熱仕様は大差ないものが多いところが残念ですが、結果としてより多くの燃料を必要とすることで前述の結果となるようです。地元の設計者にはぜひ奮起を期待したいところです。(笑)そこで春光の家ではこうした道北圏の特性にあった暖房方式を考えています。昨年「菊水の家」で試みた空気熱源のヒートポンプ。現在の技術を用いれば札幌圏の中でも比較的温暖な中心市街地近郊では、条件の厳しい冬場の外気から採熱しても十分省燃費でした。しかし同じ空気熱源のヒートポンプを外気温のはるかに低い旭川で採用したらどうなるでしょう?はたして「菊水の家」の建つ地域より10℃も気温が低い場所で、建物を温めるのに十分な熱が外気から採れるでしょうか?そんなことを考えて「東光の家」では同じ空気熱源でも外気ではなく、室内空気を熱源のヒートポンプを用います。より寒い外気から採れる熱は少なくとも、室温が高めなら、求めるものはそこにあります。また室内の調理器具や乾燥機に発生熱量の多いガスを選択していることも室内から豊富な熱を回収できる要因です。ヒートポンプは少ない熱を元手に大きな熱量を比較的簡単に作り出せるテクノロジーとして今後ますます私たちの社会に欠かせないものですが、建設地の気候やライフスタイル、地質の状況等を勘案しながら、ぴったりの熱源(外気熱源?地熱熱源?等々)を的確に選択できる見識が設計者には求められると思います。前置きが長くなりましたが、(すいません。)そうした室内の熱回収のための配管経路として床下を用います。管内の空気は床下の管越しに床下暖房で予熱されることで、温度降下を極力押さえながらヒートポンプの元手となるのです。

旭川からの帰りに美しい夕焼けに遭遇いたしました。がんばれ!チーム旭川!

夕焼けを見ながらカーペンターズでも。




2011年9月18日日曜日

西野の家 内装工事

写真は階段からの見上げ、前回解説した針葉樹合板の目透かし貼りが完成しています。一見してお分かりのように、簡素で気取らない感じの仕上がりになります。暮らしていて多少壁が汚れても傷が付いても気にならないことは、実は住宅にとっては意外に大切なことなのです。しっかり作りこんではあっても気取らず控えめ、たとえばきれいに作りすぎると家にいる主婦はいつも新築時の輝きを保とうとしてけっこうたいへんだったりしますよね?(笑い)しかし新築時が大らかだと、ずいぶん気が楽になりませんか?「片付けすぎなくてちょうどよいくらいです。」なんていわれるとずいぶん救われるということは、実はまだまだ日本の住まいが自分たちというよりはよそ向き(他人様向き)に作られているような気がします。暮らしの達人になりたければ自分たちにとっての「丁度よさ」をもっと発見してよいと思うのです。



塔屋からは強い南東側の朝日が入り階段に光を落とします。この次はこの光の処理をお話したいと思います。


昭和生まれの私は初音ミクよりもオリジナルが好きですけど~。(笑)

2011年9月14日水曜日

宮ノ丘の家地鎮祭

9/10(土)は宮ノ丘の家の地鎮祭でした。私の事務所でも3軒目となる長期優良住宅、久しぶりに作る片流れ屋根の住宅です。担当するのは久々の登場、㈱剛建築工房さんです。剛さんは弊社の仕事の中でも特に人気の高い「ニセコの家」を2007年に作っていただきました。クライアントさんの中には、もうおなじみの方も多いと思います。当時、ニセコ近郊でなかなか工務店が決まらずに難儀していたところ、快く遠隔地の仕事を引き受けてくれたのが剛さんでした。資材に人、大工さんも札幌から通い、見事に仕上げていただきました。オーナーさんには非常に喜んでいただいて今も懇意にしていただいています。パッシブ換気第一号、またはじめて木質繊維断熱材(独:ホーマテルム社製)を用いて外壁200mm断熱に挑戦したり、粘土プラスターや火山灰を用いた塗り壁等々、当時も盛りだくさんでしたっけ(笑)。

ニセコの家2007

ニセコの家2007

宮司さんは地元の上手稲神社より、そう宮の沢は新しい呼び方で、もともとは上手稲が正解です。いろいろと理由があるのでしょうが、昔からの地名は極力変えないほうがよいと思います。

つい先日まで赤ちゃんだったのに、見る見る大きくなって、お母さんと一緒に鍬入れです。もう少しまっていてね~(笑)

今日はテンションが上がってきたところで...ご一緒にベストオブマイラブ



2011年9月9日金曜日

西野の家 内装工事のちょっと前

西野の家も後半戦に突入です。10月には内覧会も企画していますのでお楽しみに!さて現在の工程で大切なことは、出来上がりをイメージした下地や骨組みができているか否かの確認作業です。どんな家でも工事中の注意書きがそのまま床に残っている家なんてありませんよね~?当然ながら、内装工事の最中に最後の仕上げを待つばかりの壁や床に指示や注意書きなんて書けません。そこで内装工事のちょっと前がすんごく大切になります。上の写真はアイランドキッチンの置き場所と排水の位置を床に書き入れたもの。特に床を貫通する管の位置や大きさには注意が必要です。画面中央に「下の天井はありません」との注意書きが示すとおり、排水の位置によっては1階の天井が残念なことになります。


武田社長自ら、レンジフードの位置や電源コードの位置、隣り合う吊戸棚の高さ等々をグラスウールに直接墨出しして行きます。腰の左右にある黒いボックスはコンセント、天井から下がるのは照明に電源を供給するコードです。

西野の家の内装の特徴は針葉樹合板という気取らない素材を用いて、ざっくりとおおらかに作ろうと思います。繊細な材料を用いる緻密な仕上げも大好きなのですが、今回は気取らず暖かみを感じる仕上がりを特に意識します。頑丈でありながらともすれば素朴すぎる材料である針葉樹合板。着色して板目を生かすのも悪くありませんが、今回は柱や梁と一緒にあめ色に味わいを増すことを狙ってあえて生成りのまま使います。貼り方は「目透かし貼り」。板と板とをぴったりくっ付けるのではなく、一定の巾を空けて貼ってゆく方法です。目地割の規則性が素朴な表情に秩序を与え、最後に印刷をやすりで消せば、一見無愛想な針葉樹合板が、ざっくり暖かなまま適度な緊張感を保って内装に仕上がります。目透かしのコツは貼る材料の厚さと透かす目地の幅の関係性をしっかりとデザインすること。簡単に言えば材料の厚さ以上の目地巾は出来上がりが大味になって誠によろしくありません。今回は9mm厚の合板を5mm目地で貼り込みます。なぜ目地巾を材厚より小さくするか?下の写真のように離れてみると目地の底が影になってピシットした表情になります。上の写真はストロボを焚いているので目地の底が見えていますがなんだか締まらないでしょう?(笑)ちなみに構造金物も平坦部の小さなものを指定して少しでも目に付きづらくしています。

極力柱や梁の芯で割り付けて、構造材の間隔をリズム感として室内のデザインに表現します。古くは日本の真壁(和室は柱や梁が露出し、その間が壁になっている。)のように構造材=内装デザインといった用即美の感性をちょっとだけ意識します。

屋上に飛び出した塔屋、手稲山を望むと共にパッシブ換気の排気口、機械換気の排気口を兼ねます。もちろん等間隔に管径も揃えて割り付けます。

いよいよ来週は外壁に道南杉を貼りはじめます。

さてさて今日はこんな感じでいかがでしょう?秋がそこまで来ています。

2011年9月4日日曜日

JIA.テスクチャレンジ設計コンペ

2011年9月3日は、私の所属する日本建築家協会北海道支部と㈱テスクが主催する設計競技(コンペ)の公開審査がありました。場所は札幌の新たな名所として市民にすっかりおなじみになった、札幌駅前通地下歩行空間です。ブログをお読みの方は設計コンペといってもなじみが薄いでしょう。私たち建築の設計者にとって最も大切なことは「知力を尽くすこと」に他なりません。しかし知力というものは普段から鍛えなければ維持ができませんし、後輩の育成や自らの鍛錬のためにも、考え練り上げた提案を競う機会はたいへん貴重なのです。将来、建築家を目指すのならば考えることに慣れると同時に建築的な頭を鍛えることに絶えず貪欲でなくてはいけません。

実行委員長+司会というありがたいお役目を頂戴し、朝から会場の設営を建築家仲間と行います。作品掲示に使うパーテーションや椅子にテーブル等々が会場に常備され、市民の積極的なイベント開催を前提に計画されているところが、さすがにあたらしい施設を感じさせます。ストリートイベントは近年ではすっかり市民権を得た感がありますが、以前の日本においては路上を舞台にすること自体にかなり偏見があったことも事実です。屋台よりも店、暮らしも路上よりは畳の上といったところでしょうか、しかし近年では特に若い世代がむしろ路上に親しみやすさや自分と等身大の魅力を見つけています。まだまだ屋台やコンサートが一般的ですが、これからはこうした文化的なイベントもどんどんストリートへ飛び出してゆくのも面白いのではないでしょうか。

コンペのテーマは「寒冷地の仮設住宅」持続可能な暮らしに向けて、北海道で起こる震災を想定したさまざまな仮設住宅が提案されました。

応募者に通りがかりの市民も参加し、公開審査にも熱が入ります。

一次審査を通過した8名は、聴衆の前で一人持ち時間5分のプレゼンテーションを行います。

社会人をはじめ建築を学ぶ学生さんもたくさん参加していただきました。

さーて審査の結果は??
ぜひ公式ブログをご覧下さい。 

JIA.テスクチャレンジ設計コンペ公式ブログ http://jiatsc2011.blogspot.com/

この場をお借りいたしまして、エントリーいただいた方々、徹夜で提案を仕上げ作品を提出してくれたみなさまに、心より御礼申し上げます。私はこれからも設計を志す若者を応援するとともに、自らの仕事を通して社会にささやかながら貢献したいと思います。また当日まで準備に献身的にご協力いただいたみなさま、このコンペの社会性の高さに賛意を頂戴し後援をいただいた行政、建築関連団体のみなさま、スポンサーの㈱テスクさん、そして同僚でもある建築家のみなさん、当日イベントを盛り上げてくれた市民のみなさまに心より感謝を申し上げます。また来年ストリートでお会いしましょう。

今日はみなさんにこの曲を。