2022年3月31日木曜日

追分の家 根切工事

 


本日より根切工事を開始した「追分の家」。

施工を担当していただくのは株式会社リノアの松澤所長さん、現場担当は奥さんです。これから約4カ月半よろしくお願いいたします。

写真は早速、表土をすき取った様子。地盤は固い粘土質。直接基礎で杭が不要なのはたいへん望ましいのですが・・いかんせん水はけが芳しくありません。そこで水を集める釜場を掘りそこにポンプを設置して排水しながら基礎工事を行います。

もしポンプがないと雪融け時期の濁った水で工事を行う上で必要な作業視野が確保し難くなります。配筋や防湿処置等々・・大切な作業を濁った水中で行わざるを得なければ、後の確認も難しくなります。

それ以外にも将来的な敷地内の外構(庭や家庭菜園を楽しむ際)また追分地区特有の厳しい冬の寒さによる凍上(地中の水分が凍結し建物や舗装を持ち上げてしまう現象)を防止するためにも、水はけの改善は充分な価値があります。

そんな理由で雪解け水の多い今の時期、基礎工事にはこうした用心深さが必要なのです。

今日はHSCCによる最高のJ.ベンソンのカバー・・音も最高だ





2022年3月24日木曜日

追分の家 敷地の除雪

 本日より敷地内の除雪を開始した「追分の家」・・「ずいぶん融けましたけど・・まだダンプ10台分くらいはありますよね~」と現場監督さん・・メッセンジャーで現場を見ながらの監理は便利でいいけど現場は大変・・果たして遣り方出しまで行けるかな(笑)





これでも札幌に比べて雪は全然少ない追分地区



敷地の奥まで重機を入れての作業はかなりの大仕事

今日はFromis9なんていかがだろう・・美しい4K映像で!



2022年3月21日月曜日

300mm断熱の家NO.38「追分の家」着工準備完了!

 

随分と雪融けが進みましたね~今シーズン最初の着工となる「追分の家」の届け出も終わり着工準備が完了しました。

もちろん北海道が長年、地域に相応しい住まいとして改良を重ねてきた北方型住宅の最新版「北方型住宅2020」の住まいです。
北方型住宅とは?https://www.kita-smile.jp/north2020

上の写真は、当事務所ではもうすっかりおなじみになったBELSの標識です。
外皮(断熱)性能を示すUA値は0.2W/㎡K、生活の中で家電を除いた一次エネ(化石エネ)削減率は35%。寒冷地の人間にとって関心の高い暖房用の一次エネの削減率に至っては45.7%の削減となりました。

ちなみに一般的な北海道の住まいの断熱性能はUA値が0.46W/㎡Kを下回ることを目標にする場合が多いですが、近年のコロナ禍、ウッドショック、2/24に突然勃発したウクライナ戦争の影響で益々高騰が続く石油価格を前にしては全く不十分です。っと言うか・・コロナ前から既に不十分のところに想定外の大波が押し寄せている・・そんな感じでしょうか。

上の表は昨年の11月、国により示された地域別の断熱性能の強化案です。それによれば従来は最高等級とされていた等級4は上から4つ目のものとなりその上に3つの等級(等級5~7)が新設されるようです。


2009年から始めた300mm断熱プロジェクトの家づくりですが全棟がこの新等級6~7に該当します。13年前に始めた試みが、少しも陳腐化することなく、むしろ時を重ねて大切な社会的価値として認識されつつあることは本当に作り手として嬉しい限りです。それと同時に今まで大切な家づくりをお任せ頂いたみなさまに「これからも胸を張ってお住い下さいね」と言える住まいがさしたる苦労もなく提供できる北海道の今は、開業した1998年と比べて隔世の感があります。


こちらが「追分の家」の一エネルギー(化石エネルギー)の設計と基準の内訳。簡単に言えば私たち設計者はハードルとして設定された「基準一次エネルギー」をいかに下回るかを追求します。

300mm断熱の家は簡単に暖房費が半分になりますがその理由が上記のように計算結果にも表れています。実際の住まい手さんは省エネ意識を持ってさらに節約して暮らす方も多いのでこの計算結果よりも良い場合も少なくありません。

もちろん寒さに耐え室温を限界まで下げるような・・やせ我慢的な節約ではなく晴れた日にはブラインドを上げて日射で暖房するとか、暖房する時間をタイマーを用いて効率よく管理するとか・・そんな簡単な工夫で燃料費が減ることは逆に楽しいとみなさんおっしゃいます。これからも北海道の住まい手さんを笑顔にする300mm断熱の家をたくさん作りたいと思います。

今日は最近、製図中にはまっているHSCC
とてもカバーバンドとは思えない。音も最高です!







2022年3月16日水曜日

着工に向けて思う事

只今「追分の家」と「藻岩の家」の着工に向けて毎日、実施設計を進めています。

2009年の「銭函の家」から数えてそれぞれ38棟目と39棟目となる300mm断熱の新築ですが、二年前から続くコロナ禍、昨年から高騰が始まった建築資材(ウッドショック)、2月末から始まったロシアのウクライナ侵攻による今後のエネルギー高騰・・社会は益々先の見通せない様相を呈しています。

2009年当時は漠然と省エネを考えていましたが、最近はつくづくその大切さが身に染みます。幸いにも300mm断熱住宅の住まい手さんから光熱費に対する不満は全くいただいていません。一般的な新築と比べて光熱費は約半分。さらに住まい方が上達すると簡単に更なる省エネも可能。始めた当時は最新の機械設備と断熱のどちらを重視しようか悩んだ時期もありましたが・・13年経って結論が出たようです。

さてそうは言っても社会は更なる省エネや再生可能エネルギー利用・・そして2050年には化石燃料からの卒業を意味する0カーボン社会と新たな目標が見えてきました。今後はコロナも収まって行くでしょうからまた皆さんと楽しめる見学会を復活出来たらいいなと思っています。

さて今日は、最近図面を描きながらはまっているバンドをご紹介いたします。本当にカバーバンド??と耳を疑う完成度。ぜひお聞きください。