2010年12月27日月曜日

熱交換換気装置

寒冷地の住宅設計にとって熱の逃げ道を当初から予想して計画に生かす意識は大切です。開口部:1/3、躯体:1/3、換気:1/3、学生時代の授業で建物の熱の逃げ道と題して北海道の建築系の学生なら習ったおぼえがあるでしょう。現在の北海道の市場においては、断熱材と開口部に関しては、かなり良いものが手に入るようになってきましたが、機械換気装置に関してはなかなかこれといったものが少ないのが現状です。こうした機械ものになると、5%市場の北海道は圧倒的に不利な立場になってしまいます。菊水の家に用いた熱交換換気装置は生産国では特に高性能なものではありませんが、ここ数日の厳しい寒さの中でも力を発揮してくれつつあります。くれつつなどと言うのは、この手の熱交換機は状態をモニターしながらある程度調整を加えないと本来の性能が出難いからです。各階の排気のバランスや機器内流速を最適に調整することで本来の性能が発揮されます。本格的な調整は年明けにして現在はボルトオンの状態のレポートです。



熱交換換気装置の本体。白く太く断熱した管が熱回収後の室内の空気を外部に捨てる排気管。その隣が各階からの使用済み暖房空気を回収する管です。

朝一は冷え込み外気温は約-5℃、この冷気に室内の使用済み空気の熱だけを移して新鮮な冷気から暖気に変えて室内に供給するのが熱交換換気の目的です。

室内に供給される新鮮空気は約13℃。年明けの調整が楽しみです。