先日、環境設計コンペの審査に行ってきました。所属している日本建築家協会とスポンサー企業との共催で、次世代の若い設計者を育てることを目的に昨年より開催しています。今年からは参加者枠を拡大し、北海道在住の設計者全てにオープン化しています。当日は11点(まだまだ参加者が少ないです。)が集まり公開の審査が行なわれました。内容は非常に興味深いものが多かったです。まず目に付いたのは建築コンペながら、
社会の仕組みや循環可能なライフスタイルを提案したもの。一昔前ならば、設計(要求に対してそれを満足させるかたちを提案する事)から逃げていると捉えられあまりよい評点は与えられなかったスタイルのものが非常に多く、時流を感じました。すなわち建築の表層的な形態が重要なのではなく、社会の求めに答えているか?といった視点です。森林の再生や崩壊しつつある生態系を主題に選び、困りごとを解決する過程の説明にたくさんの労力が割かれていることに驚くとともに、若い世代の頼もしさを感じました。
「建築とはデザイナーの作品ではなく社会的な提案であるべき。」まさに私もそう思います。
コンペ詳細
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森林と建築の関わりがテーマ、観光やその他の産業を題材にいかに環境的な建築を提案するか?
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アイディアコンペ(実現を前提としない)ながら主題は実にリアリティに富んでいます。左より、増えすぎた鹿と森、人との共存をテーマにした案、中は同じように鹿の駆除とハンティングを観光的な視点から建築化する案、右は間伐材の直接利用をテーマにしたもの。いずれもたいへん美しい表現です。
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審査開始から4時間、優勝候補が絞られてきました。