2025年6月14日土曜日

南6条の家 家具を探して2025.06.13

今日は現在計画中の「南6条の家」の住まい手さんと東神楽町に来ています。当事務所の床ガラリやオリジナルダイニングチェアを手掛けてくれる旭川家具の老舗。匠工芸さんです。

来た理由はライフスタイルに合ったリビングの家具について・・
建て主さんの多くは、図面から実際の暮らしをイメージするのは難しい場合が多いです。第一に図面に慣れていないし、例えば「どうしたいですか?」とか「どっちがよいですか?」と聞かれたところで・・自信をもって判断できる根拠や経験をお持ちの人は少ないからです。

もちろんここで話し合い決めるべきは、単なる印象の良しあしではなくどちらが実際の生活を前提にした場合に必然性が高いか?

度重なるお打ち合わせでも、リビングにはソファではなく大きなテーブルを置いては?という意見と、でもごろりと横になりたいよね?という意見が出てどちらも魅力的。でももうこれ以上は実物の家具を前にして、大きさや高さを確認した上で方向性を決めないと単なる印象論の繰り返し・・・そこで本日の訪問と相成った訳でした。
匠工芸の二代目社長の桑原強さん。奥で打合せを見守るのは現会長の義彦さん。「例えばリビングに多い一般的な家具配置のパターンはありますが、実はこれが正解、あれは不正解なんてないんです・・・」

「昔からある日本人の座の暮らしって、ちゃぶ台と座布団で完結しちゃう。そんな意味では究極のシンプルライフ。その一方であぐらや正座から椅子の生活に変わったのが現代の私たちの暮らしですから・・じゃあどんな家具をその部屋に置くのが自分たちにとっていいのか?という問いが生まれます。

当然・・床にあぐらをかいてちゃぶ台でご飯を食べたりTVを見るのもあり、もちろん食卓にすれば床から70cm上空にお料理は置かれることになる。その場合、椅子の座面の高さは食卓の高さ-30cmが基本。でも最近はその中間の低い食卓と低いダイニングチェアも登場しています。リラックスできると評判なのでぜひショールームで体験してみてください。

社長自ら工場内をご案内。上から各セクションの役割や流れを説明していただきました。匠工芸が特徴的なのは基本的に分業制ではなく担当制を重視しているところ。

例えばAというモデルの椅子を作る仕事を与えられた場合。通常ならば、各分業セクションから必要な部品を調達する。ところが匠工芸の場合は、その部品の加工や組み立てのみならず、場合によっては仕上げまで一人の担当者が行う。

要は一人家具屋さんとしていつでも独立できるような職人教育を重視している。その分、憶えることは多いが家具作りの全体像が学べて仕事は充実するという訳。

整理整頓が行き届いた工場内で自身の担当する家具の図面を抱えて担当者自ら各セクションを回るのが匠工芸の流儀。

今日は弓木ちゃんのギターなんていかが