2019年12月28日土曜日

2019御礼


2019年は本業のみならず様々なお役目をいただいた一年になりました。

日本建築家協会(JIA)では環境委員長、北海道ビルダーズ協会では幹事、北海道建築技術協会では役員と環境・設備研究会の主査として福島先生や仲間たちとダクト換気のテキスト執筆に関わりました。3月には東京と札幌でBIS-V講習として、住まいの断熱化により一気に拡大しつつあるダクト式空調のセミナーを予定しています。

また民間住宅施策推進会議ではパリ協定やSDGsに対応したこれからの北海道に相応しい住まいとして「北方型住宅2020」の性能仕様作りに関わることができました。「北方型住宅」は今や30年以上に渡り進化を続ける北海道の住まいとして、地域ブランドを確立していますが、特にここ数年はその設計者資格であるBIS(断熱気密技術者)の講習会に北海道以外の温暖地から多数の受講を頂くようになりました。一時は減少が心配されたBIS技術者はおかげさまで増加傾向に転じつつあります。

BIS資格を得た(今後得るであろう)みなさんは今後、学んだ知識と技術を精一杯駆使してそれぞれの地域で、住まい手さんに愛される素敵な断熱住宅をたくさん作ってほしいと思います。またお忙しい最中、全国から講習を聞きに駆けつけていただいたみなさんにこの場をお借りして一言、御礼申し上げます。みなさんの手でみなさんの地域の住まいをよりよいものにしてください。いつも応援しています。

YKK.APフォーラムでは8月と9月に甲府、松山に講演で伺うことができました。本場の夏の暑さを体験するとともに温暖地で積極的に断熱住宅に取り組むみなさんから大きな刺激をいただきました。

11月には毎年行われる全国イベント「ジャパンホームショー」の北海道パビリオンにて北海道の環境技術と様々な建材のお話しをさせていただきました。その会場では偶然にも温暖地で断熱住宅の普及に努力されている、森さん、林さん、神長さん、改正さんと再会することができました。みなさん頑張って下さいね!(笑)

本業の設計では

築50年の「桂岡の家」を現在の高性能住宅に再生する、大規模耐震&断熱リフォームを丸三ホクシン建設さんのご協力の元、成し遂げることができました。なんと計測不能だった気密性能は最終的にC値0.7cm2/㎡にまで改善し・・凄く暖かい住まいになりました。
想えば10年前の銭函の家からお世話になっている、首藤社長、佐藤棟梁、黒川棟梁、今回も外張りの美しい仕事をしていただくと共に、何組もの視察を受け入れていただきましてありがとうございます。また、私の事をWEBで見付けていただき貴重な挑戦の機会を頂いた住まい手さんに、この場をお借りして御礼申し上げます。ぜひこれからは美しい冬を存分に楽しんで下さい。(笑)
桂岡の家 http://ako-re.blogspot.com/2019/07/blog-post_17.html
丸三ホクシン建設HP https://www.hokushin-k.jp/

「野幌の家Ⅱ」では中庭を囲むゆったりした平屋に挑戦する機会をいただきました。よく使うパッシブ換気では計画上、難しい間取りなので顕熱型の第一種換気をスウェーデンの本国仕様に忠実に導入し解決しました。また昨年のブラックアウトに学び、普段使いできるPVと蓄電池による災害対応の工夫を盛り込むことができました。いつも最高の仕事をしてくれる飛栄建設さん、丸ヨ池内さん、貝塚電機さん、(有)トミタさん本当にごくろうさま!そしてありがとうございます。お引渡しの時に、「色々な住宅展示場を見たけれど、お会いできてよかった」と言っていただいた言葉を大切にします。
野幌の家 http://ako-re.blogspot.com/2019/09/blog-post_97.html
飛栄建設HP http://www.hiei.co.jp/

「芦別の家」では市内ではじめての300mm断熱の家に挑戦する機会となりました。地方の現場特有の施工者選びや遠隔地監理の不安も美瑛の清水組さんの協力で解決し、まったく旭川市内と変わらない品質で芦別初の300mm断熱の住まいを作り上げて頂きました。住まい手さんは普段から美しい床材や白樺の合板をお作り頂いている生産者さん。ピアノの上手な奥様とご家族の団らんを想いながら設計しました。現地に若手の二人と泊まり込んで、初めて手掛ける私の図面と格闘した政田棟梁さん、美瑛から1時間以上かけて現場に通っていただいた辻村所長さん、そして一生の住まいをお任せいただいた素敵な建て主さまに心より御礼申し上げます。
芦別の家 http://ako-re.blogspot.com/2019/10/blog-post_5.html
清水組  http://biei-shimizugumi.co.jp/

「新琴似の家Ⅱ」では、最近札幌市内に多い9m間口、50坪の敷地に車二台分のカーポートと家族がゆったり暮らせる26坪の家を設計すべく挑戦しました。北側敷地であっても、二階を居間にすれば十分な南側の日射が得られ易いこと、カーポートを北側道路に面して配置せざるを得ないために家本体はさらにカーポートの奥行き分、南に動かざるを得ないこと、敷地内に雪の置き場を確保しないと冬場の暮らしがうまく行かないこと等々・・今まで札幌市内の住宅地で求められてきた事柄に対する対策を再整理して設計に臨みました。今や当事務所のトレードマークになりつつある縦格子の南側ファサードは周囲が建て込んだ住宅街で特に効果を発揮します。光は通し外の視線は通さない。その反面、室内から自由に通りを眺めることはできる等々・・街中になればなるほど求められる周囲との繊細な関係性の数々。お引渡しの際に「視線なんてぜんぜん気にならないよ、いい居間ですね」ってご主人に言っていただいて一気に救われました。工事では野幌から引き続きこの現場を担当いただいた飛栄建設さん、松田所長さん、宇野棟梁さん、お仕事をお任せいただいた住まい手さまに心より御礼申し上げます。
新琴似の家Ⅱ http://ako-re.blogspot.com/2019/11/300no32.html
飛栄建設   http://www.hiei.co.jp/

「高砂台の家」ではここ数年来お世話になっている左官屋さんからご自宅の設計をご指名いただきました。想えば旭川の「東光の家」でタイル工事を担当していただき、その後の旭川近郊の案件では清水組さんと共にお仕事をしていただきました。もちろんこの手の依頼はありがたい反面・・中々緊張するものでもあります。担当する棟梁さんは鍛冶川棟梁さん。この現場で初めてのお付き合いになります。実は昨年、既存案件の図面を携えてご挨拶に伺いまして・・晴れて現場をご一緒することができました。計画はと言えば・・・既存の住まいを解体し旭川の夜景が一望できるように居間を二階に持ち上げた北側居間案。そう南面は道路、美しい眺望は北という設計者的には意欲を掻き立てられる敷地です。現場所長さんは清水組の清水所長さん。お若いながらも一生懸命に現場を見ていただきました。完成は2020年の1月末予定。それまでに住まい手さんが内装を手掛けます。この場をお借りして、清水所長さん、鍛冶川棟梁さん、そして旭川で4件目となる300mm断熱の家をご指名いただいた住まい手さまに感謝申し上げます。
高砂台の家 http://ako-re.blogspot.com/2019/10/blog-post_46.html
清水組   http://biei-shimizugumi.co.jp/

2020年は「常盤の家」、「南円山の家」、「宮の森の家Ⅱ」、「手稲本町の家」、「印西の家」を設計させていただきます。

山本設計は2019年 12月29日~2020年1月5日まで冬季休業とさせていただきます。
年始営業は1月6日(月)より

年末はリヒターのバッハなんていかがでしょう、それではみなさまよいお年を!





2019年12月15日日曜日

高砂台の家 タイル工事

「高砂台の家」のオーナーさんは左官屋さん。最近はネット貼ばかりだけどこんな風に形や大きさの異なるタイルを用いてワクワクするパターンを作ってくれます。

まさに繰り返すパターンは暮らしの数学。タイルっていいですよね~(笑)

こちらは緑が美しいタイル。独特の深い味わいや色むらは古い窯でしか出ない独特の色合い。モダンな室内にも合う和の空気感っていいですよね~。

こちらは三角形のタイル。正三角形のパターンはかなり独特の印象になります。

キッチンの扉は最近多い白樺ではなく、重みのあるナラの突板を選びましたので壁のタイルとのマッチングが楽しみです。

流しの上部には南側からの光をLDKに導く大きなハイサイドライトを設けました。

さて内装壁は左官仕上げ、300mm断熱の室内は無暖房でも12~13℃になりますから年末から新年にかけて、じっくりとオーナー自らが仕上げる室内が楽しみです。

今日は久々にバンアパなんていかがでしょう


2019年11月28日木曜日

常盤の家 地盤調査

本日は「常盤の家」の地盤調査です。想えば2009年の「銭函の家」から数えて35棟目になる300mm断熱の家。

2020年は「常盤の家」からスタートです。

札幌市は朝方から厳しく冷え込み外気温は-6℃。調査中の9:00過ぎでも-3℃より上がることはなく。

当然ながら地盤はカチカチに凍り付いて調査機器を運ぶのもたいへん。 
地盤は表土こそ柔らかいものの概ね良好でした。春一番の着工に向けて地盤データーを睨みながらこれから構造図を作成して行きます。

9:00過ぎの日向でもこんな感じです。ところでみなさんは冬は外気が乾燥するのをご存知ですよね?

それなのに湿度が55%もあるなんて意外だと思いませんか?実は私たちの周りに溢れる空気という気体はその温度によって吸収できる水蒸気の量がぜんぜん変わる性質を持っています。

要は外気温が約-3℃だとほとんど水蒸気なんて吸収できなくなります。簡単に言えば気温が低くなれば吸収率が低下し反対に高くなれば上昇するのが空気の特徴。

なので一番下の絶対湿度という指標を用いるとよく分かります。1.71g/Kgとは空気1Kg当たり1.71gしか水蒸気がない状態を示しています。

ちなみに冬場の水蒸気量は北海道の場合、概ね夏場の1/8~1/10くらいです。もっと暑い本州に行くと20g/Kgなんていう日もあります。

今日はKIRINJIなんていかがでしょう。



2019年11月21日木曜日

手稲本町の家 敷地実測

「手稲本町の家」は高低差のある敷地。「南幌まちなかの家」、「新琴似の家」でお世話になったアシスト企画さんと敷地実測を行いました。


昔はレベルを覗いて計ったけど、今は光波レベルでかなり簡単に測れるようになりました。それでも敷地が大きいので測定は結構大変。まずは敷地より高い位置にある前面道路に面して複数台の車が停めれるように駐車スペースを造成しなくてはいけないので、そちらの検討から進めて行こうと思います。

今日はフレンチポップでも

2019年11月9日土曜日

新琴似の家Ⅱお引渡し 300mm断熱の家NO.32 

本日は「新琴似の家Ⅱ」のお引渡しでした。かなり低くなった気持ちの良い西日の射し込む中、各担当者さんによる機器の取り扱い説明をしていただきました。 

「野幌の家Ⅱ」に引き続き無事に現場を納めていただいた飛栄建設の松田社長さん、宇野棟梁さん、各協力業者のみなさん。そしてご自宅をお任せいただいた住まい手さんに心より御礼申し上げます。素敵な挑戦の機会をありがとうございます。

おかげさまでここ10年余りで北海道の多くの住まい手の方々に300mm断熱の家が選ばれるようになりました。パッシブ換気とのマッチングも最高で非常にシンプルながら長い冬が楽しくなる住まいにまた一歩近づくことができました。
白樺の床と相性の良いレッドシーダーの壁。柔らかく暖かみのある表情が素敵で今後の定番になりそうです。 
小ぶりな対面型キッチン。「新琴似の家Ⅱ」では居間側をマガジンラックにしてみました。 
電子レンジや、トースターを収納できる棚は左側に見えにくいように配置しました。

本日のフラワーアレンジは白色のカラー(オランダカイウ)を中心に少し大人っぽく作っていただきました。 
こちらは、新宮商行さんのストーブの取説。高断熱高気密住宅では薪ストーブが安全に燃える設計が大切です。コツは室内の負圧を避けること。過去には色々と上手く行かない場合もありましたが今ではぜんぜん問題なく炎を楽しむことができます。

今日はホッと一息・・山下達郎でも聞こうかな(笑)




2019年11月1日金曜日

南幌 住宅相談会のご案内20191103

今、全国的にも注目を集めている家づくりの試み「南幌町みどり野きた住まいるヴィレッジ」プロジェクト。北海道がオススメする住宅事業者の「きた住まいるメンバー」が安心で良質な家づくりを実施するため、地域工務店と建築家がコラボレイトして、高性能なデザイン住宅が次々と生まれています。
この8月から、プロジェクトの第2期がスタートしました。都市と田園のバランスがほどよい南幌町だからこそ実現できる「クオリティ・ファーストの暮らし」をテーマに掲げ、住宅購入者の募集を行っています。
詳しくは下記HPで!

2019年10月30日水曜日

新琴似の家Ⅱ 日当たりについて


300mm断熱NO.32「新琴似の家Ⅱ」いよいよ出来てまいりました。ちなみに10月末の14:30くらいで南面の日の入り方はこんな感じです。

北側道路敷地で敷地から道路を見て、左方向に37.5°向きが北。ですので写真は道路とは反対側の西側ブロックから撮っています。
敷地面積は約50坪で間口約9m×奥行18m。このスペースに並列2台分のカーポートと住宅そして除雪の為の堆雪スペースを計画します。

(用途地域は1種低層住居専用地域+外壁後退距離1m&北側斜線高度地区)カーポートを取るために住宅が南側隣家に近づきます。そうしますと1階では到底日当たりなど期待できなくなるのでLDKは二階としました。 

もう少し西に日が傾くと南側隣家の二階外壁セットバック部分を通して低い西日が射し込みます。もちろん日射遮蔽のためには縦型格子が有効。ギラギラした眩しい西日を抑えます。

合わせて変わった外観に対する好奇の目線もカットしてあげませんといけません。(笑)

秋の夜長はバンアパでしょうかね~(笑)



2019年10月25日金曜日

新琴似の家Ⅱ内外装工事

来週の完了検査に向けて内外装の仕上げが進む「新琴似の家Ⅱ」です。

周囲を建て込んだ小さな北向き敷地に・・まるではめ込むようにして建てられている関係上、東西南の各面は隣家の窓が向いていて・・後から建てるこちらとしては大きな窓はほとんど付けられません。

機能的にはほぼFIXで一部が小さく開いて通風が取れればよいかな?外部から取り込んだ光は一旦壁に反射させて柔らかく加工してから室内に振りまいた方がいいかな?

先日見つけたシーダーの羽目板がコストパフォーマンスも高くて気に入ったので、横張りにして使ってみました。

平面と90°留め切で壁の奥行き方向に貼った板の色味や木目がピッタリ合っているでしょう。こういうところが大工さんのいい仕事。平面用の板を切り出す際に切った残りを捨てちゃうんじゃあなくて必ずペアになるように取っておいたからこんな風に貼れるんです。なんだか絵心がありますよね~(笑)

壁に張った一枚の板がきれいに直角に曲がって窓枠に突き付けられる。言葉にすればたったそれだけのシンプルな事柄なのに・・その陰に隠れた技に気付くことは建築の奥深さですよね(笑)

210(ツーバイテン)を30cm間隔で並べた屋根。断熱はこの外側に約35cm厚。飛栄建設さんの現場では建具にも和紙や網代を貼るので壁紙も表具屋さんが貼りに来てくれます。

垂木の間を全て切り抜く大変な仕事。ほんとうにありがとうございます。

こちらはYKKAP430(YKKAP社の住宅用ハイエンドトリプルサッシ)を4台組み合わせて作ったスクリーン。

連結部分は再三お願いしているにもかかわらずまだメーカーで作ってくれないので現場で加工しています。

でもぜんぜん分からないくらいきれいな接合部。大工さんと板金屋さんの合作です。

北側に雪除けのアプローチ空間が建てられました。ここまで来ると完成まで後一歩。

雪国の建物にとって雪とどう向き合うのかは今に続く永遠の課題。玄関先や通路を雪から守る工夫は欠かせません。跳ね出した庇の部分をぎりぎり1mとして、ほぼ建蔽率を使い切りました。

今日はフジファブリック行きましょう!
                     

2019年10月21日月曜日

ニセコの家へ

昨日は久しぶりに「ニセコの家2007」に伺いました。

秋空の下毎年のように・・そろそろ外壁の塗装が必要ですね~(笑)・・時間を見つけて自分で塗ります・・なんて聞きながら・・・

ふと気付けばもう2~3年経っていません?

昨日もそんなゆったりしたニセコ時間が流れていました。

ほんとうに時が経つのは早いもので・・・先日完成したと思ったら・・あっという間の12年。でも木の外壁っていいでしょう。色が褪せてきても味わいに変わって行くから。

こういう変わり方って最近流行りのサイディングなんかじゃあ絶対に出せない。木張りの外壁の特権だと思います。最初からちょっと古くしておくと・・逆にいつまでも古くならないのかもしれませんね~なんだか不思議です。


                  


2019年10月17日木曜日

高砂台の家 気密測定1回目

 
今日は「高砂台の家」の第一回目の気密測定でした。清水組さんのS主任&鍛冶川棟梁さんとも初めての現場・・果たして結果は・・・


うーん・・凄い・・今回は鍛冶川棟梁に拍手!その理由は小さい家ほど気密出すのが難しいから。写真見て分かる通りαA(家全体の総相当隙間面積が13cm2)。要は家全体の隙間が一寸のいんご(3cm×4.5cm=13.5cm2)より小さいわけだ・・これをまた小さな床面積の98.86㎡で割って0.1314・・・⇒数値は小数点以下第二位を四捨五入がお約束だからC値は0.1cm2/㎡(これ以上は技術的に測れない)と最高の結果となった。
                    

仮に同じαAの13cm2を「芦別の家」の延床約150㎡で割ると13÷150≒0.086666・・となって簡単にC値0.1以下になる。要は気密ってのは床面積が大きい程有利になり易い。ついでに言うなら小さいだけじゃあなくて二階にもWCがある「高砂台の家」は換気扇や排水の穴も一般の家より多い。そもそもC値を0.3以下にできる大工自体が延べ床面積に関係なく凄いのに小さな家で換気扇の穴の数も同じか、むしろ多いくらいでこんな風に凄い数値が出せるってのは本当に腕の良い大工の証なんです。 だからエライ(笑)
       
そろそろ道北は氷点下だけどみんな明日もご安全に!
今日はAC/DCを現場のみんなに贈ります(笑)


2019年10月14日月曜日

週末


週末はこれから着工予定の建て主さんと一緒に現在進行中の現場を見学しました。

大多数の日本人にとって一生に一度の家づくり。全て要望通りの部屋数と面積が取れて予算内にも収まれば嬉しいものの・・・理想と現実が必ずしも一致しないのがこの世の常・・そんな意味では家づくりもその例にもれません。

図面の印象と実際の空間はどう違うのか?、3畳や4畳は本当に狭くて部屋としては使い物にならないのか?、物事を決めて行く際になにを重視せねばならないのか?一見さも重要に見え易いものはなんなのか?・・・

ここ数年は、地域から腕の良い大工さんが急激に減少し反面、若手による大工さんのなり手も少ないために慢性的な大工さん不足が続いています。日本の経済的な停滞はその反作用として輸入建材の高騰を招き・・住まい手さんの収入が伸び悩む中、建設物価はじりじりと上昇が続いています。

かつては最低でも延床面積40坪以上を目標に!と言われた時代もありましたが最近の札幌近郊では30坪前半の二階建てがその主流になりつつあり・・少人数世帯では20坪台の間取りもけして珍しくなくなりました。

平たく言えば物理的に大きな家を建てることはどんどん困難になりつつある中で、小さな家をいかに広々と機能的に作れるのか(設計できるのか?)、まさに設計者の力量が従来にも増して問われるようになっています。

もちろんそんな設計者の努力も大切なのですが、その提案を住まい手さんが十分理解できないと、、、できる力を付けないと、、そもそも間取りのやり取りなんて進まないんです。

だって、間取りのコツなんて知らないし、、知らなきゃあ決断なんてできませんもんね(笑)

そんなこともあって図面と実際の空間の差を体験し感覚を磨きながら、不安なく打ち合わせが進められるように実体験という機会が建て主さんには重要になってきます。

当日も吹き抜けの広がりの感じ、間仕切りのない開放感の確認、間口に対する吹き抜け高さの確認等をお伝えしました。


家に帰ると、今年最後となった畑のトマトをゆっくり煮ながら週末の残りを過ごしました。

夜には今春、室蘭に就職した長男も帰ってきたので久しぶりに家族全員が揃いました。任地の話しをあれこれと聞きながら、家族だんらんを楽しみました。

最近つくづく思うんですけど・・さりげない日常って実はすごく幸せですよね。これからもたくさんの家を作りたいと思いますけど・・幸せな住まいにできたらいいなあ~と(笑)

今日は久々にバンアパ行きましょう!





2019年10月8日火曜日

新琴似の家Ⅱ 現在の様子

「新琴似の家Ⅱ」の現場は概ね外壁が決まり、内装工事も進めています。秋に入って長雨のシーズンになりましたから、晴の日は屋外を、雨の日は屋内の工事を進めます。

こちらの外装材は木肌の白い青木(エゾ&トド松)の貫材。数日前にお引き渡しを終えたカラマツ材の「芦別の家」とはぜんぜん色味が違います。その一方で色変わりは大きくて一年で美しいシルバーグレーに変色します。

この段階まで外装が決まってくるとそろそろ足場を解体したくなります。解体できるか否かは、高所のセルフード(排気口)取り付けとシーリング工事の完了如何・・

それが終わればめでたく足場を解体できます。

白樺合板でできた屋内階段。相変わらず宇野棟梁さん上手い!(笑)

「新琴似の家Ⅱ」ではパッシブ換気を用いるのでそのために必要な戻り空気のスリットが切られています。夜間にはスリットから光が漏れてフットライトに。定番の納まりです。 
こちらが壁の巾木を稲妻に納めたところ。壁とのちり(奥行きの差)は2.5mm。精度よくピシッとね!(笑)

今日はTSUTOMUさんの高中。ほんと上手いと思う(笑)


2019年10月5日土曜日

芦別の家 お引渡し



本日は「芦別の家」のお引渡しでした。電気屋さん設備屋さんガス屋さんキッチン屋さんに建築屋さんと私で取り扱い説明を行いました。
                     
クリナップさんによる機器説明

給水&給湯&暖房設備はまとめて階段下の機械室にて取説します。

最後まできれいに作っていただいた清水組さん。ありがとうございます!

私の事務所のある商店街のお花屋さんで作っていただいたフラワーアレンジ。住まい手さんの好みや年齢をお伝えしていつもとっても素敵に作ってくれます。

白樺の床、そして屋根の唐松が美しいLDK。政田棟梁さんT所長さんが最後まで頑張って下さいました。 
収納たっぷりでも見た目スッキリの玄関ホール

階段下の機械室からは床下に全て潜れるようになっています。家は長く住むもの。配管の交換や点検がいつでもし易いように床下には照明も完備しています。

階段ホールからキッチンを見る

階段を拡大してみました。白樺の合板を用いています。

こちらは手摺の拡大。握り易くかつ丈夫に!

玄関の上がり框を拡大。

キッチンカウンターを拡大。


キッチンはオールストッカーにしました。クリナップ直需事業部の石川さんに感謝ですね(笑)

あれだけの収納が扉を閉めるとスッキリです!

こちらは和室の引き込み戸

御馴染みの床ガラリは旭川家具製

匠工芸さん!ありがとうございます。

今日はスピッツで行きましょう!