リフォームで一番難しいのは「高さの最適化」。特に固いコンクリートでできたところ。
簡単に言えば各室の床の高さを当時と比べて格段に進んだバリアフリーやユニバーサルデザインの意識をもとに今日的な低い段差に作り直すことです。
北郷の家では玄関ポーチ(屋外)から玄関床(屋内)まで約20cmの段差があり、さらには玄関床から1階の床まで20cm・・合計で約40cmの高さがありました。要は住まい手さんは玄関ポーチに立って玄関ドアを開け20cmの段差をまたいで玄関に入り、さらに20cmの段差をまたいで1階に立つという暮らしでした。
これは現在の水準としては高すぎるので、それぞれ10cm以内、18cm以内を目標に毎日使う大切な家の出入り動線をより安全に作り変えます。
またこうした配慮は雪が多く玄関ポーチや階段が凍結し滑り易い地域では特に重要です。北郷地区は対水害の観点から基礎は一般地域の約2倍の高さがある家も少なくありません。当然ながら地面から玄関ポーチに至るまでの階段も倍以上の段数となります。
家は丈夫に作って長く暮らせることが大切だと近年特に言われるようになりましたが、耐久性だけ高くても出入りの難しい家だと長く住めません。長く住むためには家の耐久性もさることながらこうした段差の緩和が欠かせないのです。高齢化対応といえばそれまでですが、出入りの優しい家は若い世代にも好まれます。現在ではこうした工夫を高齢者特有のものとは考えないようになった。そこが当時と最も違う点だと感じます。
今日はIVEなんていかがでしょう