2010年10月9日土曜日

南あいの里の家 外貼り断熱工事

昨日より始まった断熱見学会。天候不順の中たくさんのご見学、誠にありがとうございます。本日は、「残念見たかった。」という方のために概略工程を公開しますね~。この壁構造は9cm厚のフェノールフォーム断熱材を下地強度を保ちつつ1回で外壁に止め付けることを目的にしたものです。大工手間を抑えつつ、生産性の高い(速く工事が進む)ことを目的に最低限の工夫で現場が納まるように考えています。今後さらに改良を加えるかもしれませんが現時点では概ね狙ったとおりの結果が出ているようです。ずばり「普及型ノンヒートブリッジ工法」です。今までの外貼り断熱工法の数少ない欠点としてどうしても熱の逃げ道となるヒートブリッジができてしまうことがありました。

冒頭の図面の屋根部分のように厚い断熱材を1回で貼ろうとすると同じ厚さの木材で受けを作らねばならないからです。
そこでまず壁に断熱材の半分の厚さの下地木材を横打ちし、壁と同じ断熱材でパッキンのように埋めながら、3×6版を極力無加工で貼る方法を考えました。張りあがりは非常に精度が高く、外貼り断熱材の継ぎ目にウレタン充填補強がほとんど必用ありません。文章だと難しいので写真で説明しましょう。


9cm厚の断熱材を一回で切るためには4寸(12cm角)角の材木加工用の大丸鋸が必需品です。


北海道の柱材の標準寸法3寸5分角(10.5cm角)用の鋸では2回切りとなって加工切断に手間取ります。

施工の順序は基本的には3工程。まず1:□45受け材を取り付ける、2:ピースパッキンを取り付け、3:3×6版のフェノールフォームを取り付ける。合計3工程の繰り返しで下から上へ貼りあげてゆきます。

1:下地の取り付けの様子。(棟梁照れてます!笑)

2:ピースパッキンを1:の上に風で飛ばないようにテープで仮止めします。

3:切断加工した3×6版を1と2の上に載せます。

4:あて木をして浮かないようにはめ込みます。写真で分かるように断熱材のジョイント部分に木材がまったく露出しない貼りあがりになります。

*:注意 この工法は外壁仕上げ材の重量や外貼り断熱材の種類によりビスの種類や間隔に厳密なルールが必要になりますので、安易に応用する場合は注意が必要です。それらを無視して行うと外壁の剥落等の事故につながりますので十分ご注意下さい。
資料提供:Team南あいの里 写真:山本亜耕