2022年8月30日火曜日

追分の家 お引渡し

 

今日は朝から「追分の家」のお引渡しでした。施工者の㈱リノアさんからは各種保証書のファイル。また各施工者さんが設備やキッチン、ストーブに関して取説を行います。私の担当は図面と各種届出の副本返却、そしてパッシブ換気とそれを用いた四季の暮らし方です。


実はこの取説・・最近は住宅内に機械設備が増えたのですごーく大変・・機械が苦手な人なんかは結構飽きちゃいます。でも自分の作る家は基本パッシブ換気なので取説は簡単、12~3月までは床下のレジスターは1つのみ全開。残りの季節は2つ全開。暖房運転は基本タイマー設定してしまうので、11月くらいからはタイマー設定1(冬運転)、4月くらいからはタイマー設定2(夏運転)をお客さんが切り替えるだけ。面倒なモーターの点検とかフィルターの清掃&交換、各室の風量調整はそもそも不要。煙突効果と内外温度差を動力として計画換気の必要性が高まる冬が近づくと勝手に運転を開始します。夏が近づき窓を開けるのが気持ちの良いシーズンになると(内外温度差が縮まると)自然と換気は弱まります。まさに技術を要しない技術こそ最高の技術。これで燃費は一般的な新築の半分です。

毎日暮らすのにあまり家の住みこなしに悩みたくないですよね~。それが簡単に実現できるのが300mm断熱とパッシブ換気の家です。ちなみにエアコンを付けてももの凄く効きます。

二階のテラスに下げられたブランコ。北国の家って暖かな室内ばかりが注目されますが実はこうした・・完全に外でも内でもない中間領域が非常に大切。この他にも夏のプールや家族BBQ、入浴後ビールの一番旨い場所、野菜やお魚を干したり、お漬物を漬けたり、ゴミを一時保管したりと大活躍する二階のテラスです。
毎回、自分の事務所がある商店街のお花屋さんで作っていただくフラワーアレンジ。柔らかなピンクの色調が室内の木質感とマッチしていい感じ。お花があるだけでまだがらんとしたお部屋が住まいらしく変わるのはとても不思議です。お引越しは大変でしょうがぜひ追分での暮らしを存分に楽しんでほしいと思います。末永くお幸せに!(笑)

今日はプッチーニでも




2022年8月29日月曜日

追分の家 見学会

 

春から㈱リノアさんと取り組んできた「追分の家」の工事もほぼ終わり、週末の8/27.28は長期優良住宅の主旨に従い、住まい手さんのご協力のもと、見学会を行いました。

ほぼ3年振りの見学会開催となりましたが新型コロナ感染症の拡大に配慮し、お見込客さま限定とならざるを得なかったのが少し残念でした。その一方でじっくりと家づくりの説明ができました。

大切な休日にもかかわらず来ていただいたみなさま、見学会に間に合うように精一杯仕事をしていただいた㈱リノアの松澤社長さん、現場監督の奥さん、そして皆川棟梁、設備全般をご担当いただいたライズファシリティーデザイン㈱の相澤さん、電気設備を担当いただいた㈱ADの向さん、そして何より貴重な挑戦の機会を頂いた建て主さまにこの場をお借りして御礼申し上げます。

二階のテラスを跳ね出し構造とし下に車や除雪機が置けるスペースとした半屋外空間です。

南西側の立面です。

北海道が30年以上にも渡り地域に相応しい住まいとして研究開発を続ける「北方型住宅」もちろん「追分の家」は最も新しい仕様と性能基準をクリアした「北方型住宅2020」です。

余談ですが10月より国の断熱等級が現行の等級5の上に二つ新設されます。ちなみに等級6がUA値:0.28、最高等級となる等級7がUA値:0.20。この情報を既に知っていたのでまだ基準施行前ですが等級7をクリアする性能としました。


見学会に来てくれた窓屋のミカエルさんご夫婦。見るところはやっぱり窓です/笑。

ミカエルさん:ぜーんぶトリプル?

私:イエス、全部トリプル/笑

食堂からテラスを見返したところ、日の光がよく入って明るい家になりました。

本棚のあるダイニングっていいですよね。

通りの見える台所

洋室から緑を見せて

午後の日が気持ちよく入る玄関に

まだまだシーズンは続くけど・・今日はHSCCで














2022年8月11日木曜日

藻岩の家 断熱工事

外張り断熱工事に入った「藻岩の家」です。
傾斜地のために材料置き場に難儀しています。左側のカエデの大木がこの家の目印。きっと紅葉のシーズンはきれいだろうなあ~。そんなことを想いながら現場に通っています。

建物の中央にそびえるのはパッシブ換気の排気塔屋&展望台・・床下や屋根裏のように存在すれど使えなかった空間こそ面白い!を合言葉に・・日常的な使い易さと、非日常な面白さを同居させた家づくりを目指しています。

塔屋から屋上に出られる家も面白そうです。でも落ちないでくださいね/笑

今回、初採用した屋内側も黒色のYKKAP430サッシ。すごく内装が締まっていい感じです。

二階の居間の大窓からは札幌の街並みが一望

数日前のどしゃぶりで屋根にできた水鏡です。もちろん屋根は信頼性の高いシート防水なので全く問題はありません。

屋根の上からがこれまた絶景・・

遠くに札幌ドームも見えます。

今日はデフ・レパードで



 

2022年8月8日月曜日

ミハエルさんより

今日はKARVIのミハエルさんよりお誘いが・・洞爺湖の近くで面白い家作ってるから見に来てよ~とのこと。そんで急遽170kmのドライブ・・オーナーは外国の方で家に使う材木は基本全部自分で切り出したそうな・・おまけに断熱材はヘンプクリート。乾燥した麻の端材を土とバインダで練ったものでイギリスの大学で研究されたそうな・・またまた面白い人と出会えました。ミハエルさんありがと!(笑)

北海道っていいね/笑

幅30cmの梁・・あるとこにはあるもんです・・

サッシはドイツのVEKA

こちらがヘンプクリート。こんな風に練った(面白い表現だけど/笑)を壁に突きこんで行く

こちらがそのヘンプクリートを練るミキサー。本当はもう少し大きいのが欲しいそうな

まあ何と言ってもでかい窓・・

今日はE・モリコーネな気分ですね~






 

匠工芸へ


7/30(土)に「藻岩の家」のクライアントさんと一緒に東神楽の匠工芸さんへ行きました。私の事務所では極力時間を作って住まい手さんを生産者さんのもとにお連れする活動をしています。住宅はたくさんの部品と仕事によってつくられますがその一つ一つに職人たちの技が込められています。

普段気付くことは稀ですが・・一生に一度の家づくり・・自分の家づくりに関わる人やことを知って見るのも面白いと思いませんか。

匠工芸さんとのお付き合いはかれこれ20年以上になります。いつも最高の技術で美しい家具や様々なパーツを作ってくれます。そんな匠工芸さんも最近は社長が息子さんに代わり新しい世代の挑戦が始まっています。
写真は当事務所の定番。パッシブ換気用の床ガラリ

本社の玄関前のナラが随分と高く育ってきました。本社工場は東神楽町の高台に位置しています。

こちらは唐松林の中の住宅。30歳の時に転職した第二の職場で初めて木造の図面にふれました。あれからあっという間に28年が経ち・・

不思議なもので完成当時よりずっと素敵に見えました。(師匠スイマセン/笑)
きっと住まい手が長年に渡り周囲の林に手を入れ、住まいと呼応する庭に育てたのだと思います。よく大自然の中がよいという人がいますが、実際はそれほど楽には行きません。素敵な家に育てるためには長い時間を掛けて周囲の環境を少しづつ味方にする必要があるからです。
本社の前には畑が広がっています。

本社二階のショールームの窓からは水田と遠くの山並みが望めます

素敵な家具たちが所狭しと並ぶショールーム。丁度、社長自らご案内いただきました。

匠工芸の作るハイライン、アメデオシリーズ。材料は主にウオルナットとメイプルと皮

工場全体の流れが分かる二階にて仕事の流れの説明。クライアントさんもモノづくりをされるので興味津々・・「僕ず~っと見てられますね~/笑」

ジョイントのフィンガー加工。これで糊で接着しても接着面積が何倍にも増えてより強くつなげるのです。

こちらは先代の時代に作ったナラ材のテーブル。厚みは約4cm。30年前に打ち込まれた割れ止めの契り(バタフライジョイント)は全く空いていない。凄くいい仕事・・溜息が出ます。
今日はE・モリコーネなんていかが








 

追分の家 気密測定


おおっ!やるじゃ~ん「チーム追分」のみなさんごくろうさまです。

初めての仕事でC:0.1cm2/㎡は立派(注:画面のC値は0.08を指していますが正式には小数点以下第二位を四捨五入してC値とします)。ちゃんとC:0.5以下専用の小口径整流筒で丁寧に測ってくれて数値も信頼できますね。

上の写真のラッパのようなものが整流筒。通常は26cm程度の大きさだが、超高気密な建物を計る場合は小口径のものが必要になる。

松澤社長さん、奥さん、M棟梁、設備の相澤さん、電気の向さん、測定を担当していただいたタギ先生、ありがとうございます。αAが7cm2/㎡って・・通常だと20超えるのが普通でC値0.2~0.3当たりでも十分過ぎるくらいの性能。出来過ぎなくらいだけど良過ぎて困ることは何にもないので素直に嬉しいです。

             

特に今回はウッドショックで室内側配線層ナシの壁構造・・要は気密コンセントBOX、防湿シートの重ね合わせ&テーピング、内外貫通部処理等々・・とにかく地道に丁寧な仕事が求められたと思います。また次回もぜひ一緒に仕事をお願いします!ありがとやした~/笑

今日はサラ・オレインで戦場のメリークリスマス