2012年4月24日火曜日

ゴールデンウイークの前に

 今日は、街まで所用で出かけました。市役所で調べものをして、「札幌版次世代住宅基準」の担当部署を訪問。担当者にごあいさつがてら現在の疑問点等を聞いてきました。

ところで北海道の推進する「北方型住宅ECO」やその後の取り組みとなる「住宅.建築物省CO2先導事業」、国の推進する「長期優良住宅先導事業」(*:北方型ECO、長期優良住宅ともに今年度の採択は未定です。)さまざまな基準が提案され誘導措置として補助金がつく中、どれが良いのか迷いませんか?なんだか呼び名も難しくて今一違いがピンと来ませんよね~?(笑)

ソ..コ..デ....

すごく簡単に説明すると、札幌市の取り組み以外は、全て国の事業がベースになっていることが大きな違いです。たとえば「北方型住宅ECO」は、国で推進する「長期優良住宅」をベースに「北方型住宅」の基準を上乗せしたものです。よく言えば国の定める性能基準に加えて、北海道独自の考え方も満たしているのだから相乗効果で高品質な家でしょう。ということになります。余談ですが、「北方型住宅ECO」の補助額が「長期優良住宅」の倍だったのも、こうした理由からかも知れません。さて今年度の「住宅.建築物省CO2先導事業」は、国の考え方をベースに地方の取り組みも応援しますよ!という考え方から、国が現在考える省CO2の取り組みの具体的な中身を示したものです。半分は地方の考え方を聞いていたこれまでとは異なり、CO2削減に対して今後の住宅が備えるべき性能に関して国はこう思いますよ。といった具体的な内容になっているところが特徴です。


 もうすこし端的にいえば...
太陽光発電をはじめ、高効率な給湯、暖房設備の積極的導入に対してインセンティブ(奨励や補助)を与えますよ。といった、建築本体よりは附帯設備をより重視する内容となっている点に特に注意してください。こうした機器の導入に際しては、建築本体の省エネ性を十分以上に担保しておくことが欠かせないことは既にブログをお読みの方なら常識と存じますが、この事業はそうした建築本体の高断熱化等はほとんど対象にしていません。

 一方、札幌市の取り組みはこうした国の考え方とは一線を画すユニークなものです。まず重視するのは附帯設備ではなく建築本体であるというところ。当然ながらインセンティブも建築を対象にプログラムが考えられています。個人的には国の考え方は機械設備という「アクティブ/能動的」な方法論を重視し、札幌市は断熱性や効率のよい換気方法等「パッシブ/受動的」な方法論を選択している。といったところが対象的で、両者は今後家づくりを考える市民にとっても意見の分かれる選択肢となるのではないでしょうか?(笑)


あなたならどちらの設計思想に共感しますか?
 
やっと雪が解けても木々の芽吹きはいまひとつ。大通り公園では花壇の整備が始まっています。まだ冬の名残が残る空に生き生きとした色彩を与えていました。


 残工事の確認のために「宮ノ丘の家」に行きました。黒く塗られた外壁がピシッと締まった印象です。背後の雑木林が緑に溢れるとさらに絵になると思います。実はこれから外構のデザインも考えねばなりません。どんなお庭にしようかな?家庭菜園もぜひお勧め、屋外の暮らしを精一杯楽しめるところはまさに北海道の魅力そのもの。

建築って不思議なもので荒地にぽつんと建っていてもなんだか冴えません。(笑)
周囲の緑やお花が少しあるだけでとても豊かな風景になるのは実に不思議です。

このアングル、緑が濃くなる頃にはとても楽しみなのですが...


建物が完成しても庭が手付かずだと今一寂しさが漂う「西岡の家」

翌年庭を小ぎれいにするとずいぶん印象が違いますね~(笑)。


並木のまん前に建つ、真夏の「菊水の家」も大好きですが、イチョウ並木の生き生きとした緑と外壁のレンガ色が建物の印象を引き立てます。


今日はサクラ!もちろん独唱で!
早く咲くといいですよね~。




2012年4月20日金曜日

近頃のこと

4月に入り、新年度が始まったと感じたのも束の間、もう月も半ばを過ぎてまた家づくりのシーズンが始まりました。少しブログをお休みしてしまったけれどけして遊んでいたわけではなく、「発寒の家」の実施設計を完了し、「前田の家」の間取りは昨日確定し、これから実施設計に入ります。今年度も多くの引き合いやご依頼をいただいて身の引き締まる思い。今日はそんなここ最近の出来事のお話しです。

先日、「銭函の家」が取材を受けました。近年ますます高まる暮らしとエネルギーへの関心。日本政府は原発の再稼動を進めようとしていますが、周辺地域の市民をはじめ首長たちの不安を取り除くことは難しい状況です。夏に向けた電力の足りる足りないの論議に加え、原発立地地域のほとんどが街の経済を原発に依存してきたことによるものですが、福島の教訓に学ぶならば、従来のように立地地域の都合を重視する再稼動はおそらくますます難しくなるでしょう。事故後見えてきたのは「復興、再生」の掛け声の影で、膨大に増え続ける行き場のない汚染水や核廃棄物の山であり、県外はおろか敷地外にさえ運び出すことが困難な現実です。今後30年とも40年ともいわれる廃炉に向けた道のりの中で解体した部品や膨大な核のゴミをどのように扱うのかは、はっきりしていません。残念ながら現在の処理技術では用地を建設以前のように更地に戻し別の用途に使うことは難しいようです。今後は日本列島が地震の活動期に入ることが懸念される中、福島の教訓を重く受け止め国民全体で原子力といかに向き合うかを真剣に考える必要があります。建築家として暮らしとエネルギーの問題にさらに真剣に取り組まねばならないでしょう。過去3年の経験を総動員して北国の快適な暮らしとそれに必要なエネルギーに向き合ってみたいと思います。

 長男の高校の入学式に出席いたしました。高校生になると校舎も体育館も大きくてびっくり!在校生の演奏するブラスバンドの上手さに二度目のびっくり!自分の高校時代よりも校則や生活指導が遥かに厳しいことに三度目のびっくりでした。

 過去には茶髪や素行が問題になった時代もあったとのことでしたが、当日は髪の赤い子や制服を改造?(懐かしい.../笑)している子は皆無。

 ホームルームで担任の先生が「当校は普通科ですから96%は進学します。高卒で就職を希望する子は3~4%しかいません。新入生の諸君、みんなのことを応援している人のことを忘れることなくしっかり勉強しなさい。どこなら勉強しないでも入れる?なんていう考えではなく、自分はどこに入ってなにをしたいのかを選べるようになりなさい。勉強しないと将来を選ぶことができなくなります。」と小気味のよい調子で話されました。当然といえば当然のお話しなのですが、親としては「おーいかなりたいへんそうだぞ~大丈夫か?」とすこし不安になる始末。やはり親ばかなんでしょうか?(笑)
 かつての受験戦争の反省から始まったゆとり教育。近年ではその行き過ぎが指摘され、国別の学力ランクは低迷を続けています。平等や機会均等、叱らないこと、比べないことが大切にされ、幼稚園の発表会では10人の白雪姫や15人の王子様が出現し、親は自慢のハイビジョンで自分の子の番が来るたびに前の席に移動するから舞台より客席の方がかなり落ち着かない。かけっこは全員が一等賞で、速い子と遅い子を比べるのはNG。でもさあ~それっておかしくない?(笑)

 実際の社会の現実を教育の現場に反映していないし、温室育ちの子供たちをいきなり寒空に送り出すことの方が酷ではないのだろうか??人生の勝ちや負けは簡単に判断できないどころか、負けと思っていたのが実は宝の山だったことに気付くことも多い。むしろ本人の気の持ちようやものの見方によることが大きく、見ようとしないといつまでも見えない。幼稚園時代に一度も白雪姫や王子様になれなくたって、かけっこが遅くたって、その子のどこに傷がつくって言うのだろうか?現に私はまさにそんな子供だったけれど、周りの先生や大人は、「きっと向いてるものが見つかるから安心しなよ、でも必死に探さない子は見つからないぞ~」って厳しく暖かく叱って(応援して)くれた。

 先日、同級生の会社に新入社員が入り、調べ物をするように頼んだところ「社長のコンピューターは、既に立ち上がっているのだから、私が席に戻って電源を入れるよりも今ご自分で調べたほうが効率的です。」との有り難いお言葉が帰ってきたそうな。私なぞよりは数段人間ができている彼は丁寧に、自分の手で調べ問題を解決することの大切さを説明したが、それに対する彼の答えが「企業のトップとして効率の追及か?教育的指導なのか?を明確にすべきなのではないでしょうか?」という最初にも増して有り難いお言葉を頂戴したとの事だった...(フッ...笑...)
 そんな話を穏やかに涼しげに話す彼の前で、私が負けを認めたのは言うまでもない。お粗末!

新たな計画案の現地調査です。急に春めいてきましたね~(笑)、電気の引き込み、給排水、用途地域に各種の建築制限、道路台帳の確認に真北の確定、建築可能範囲の予想等々、いきなり間取りが書けるわけではないのですよ~。さてこれからが楽しみです。


最近、子供たちも大きくなってきたので彼らが過去に作ったプラモを事務所に飾ることにしました。写真はVF27、超時空要塞マクロス(懐かしいっ!)も最近ではマクロスFに。キャラクターの中にはお姐系も登場するところに時代を感じます。

 RX78ガンダムとジオン公国のザク。最初に登場したのは私が14才の1978年。ガンプラはお店に並んで買いましたっけ(笑)ちょうど同年に「風の谷のナウシカ」が初放映されて初めて宮崎駿を知りましたね~。今でもちっとも古さを感じさせないばかりか腐海と核戦争による環境破壊と汚染によって巨大化した蟲たちと共存する世界観はむしろ当時よりも今にリアリティーを感じます。

 実は今年もPTAの役員を引き受けることになってしまいました。卒業式、入学式の祝辞を考え、姉妹校には来賓として赴き、校長にはお祝いを、教頭はじめ総務主任には準備の労を称えます。かなり様式化されていますが、日々教育の現場に情熱を燃やす先生方と無邪気な子供たちを見ていると不思議と勇気が沸いてきます。不思議なものですね~、今年はどんな行事を考えて子供たちを喜ばせようかな?(笑)楽しくも悩ましい一年がまた始まります。

 来月5/17には毎年好例の北総研(北方建築総合研究所)の調査研究発表会が旭川であります。最新の知見を仕入れ実践に生かしたいと思います。

詳しくは北総研HPを http://www.nrb.hro.or.jp/index.html


さて、週末にはプレゼンが、明日は所属団体の定期総会があります。
まあ~っ 気楽に行きますわ。  そんな今日この頃です。

今日はキーシンなんていかがでしょう?
ピアニストはなぜかロシア人好みです。