自己紹介

自分の写真
札幌市, 北海道, Japan
はじめまして。 北海道、札幌市で設計事務所をしています。 暮らしに最も近いものづくり「建築設計」 地域色豊かで環境的、使いやすくて長持。 そんな暮らしのデザインが大好きです。 社会の悩みを建築デザインのテーマにすると面白い! そんなことを考えながら今日もスケッチしています。建築(暮らし)のお話しあれやこれ... どうぞお楽しみ下さい。

2016年12月21日水曜日

これで良いのか断熱改修


2016年12月8日、先進的な工務店さんの集まりであるソトダン21さん主宰のセミナーで、福島先生と共にお話しをさせていただいた。演題はずばり「これで良いのか断熱改修」。会場には今旬なテーマとあってか80名を超える人にお集まりいただいた。その後その様子が参加者数人のフェイスブック等に取り上げられたが、今後益々大切になる断熱耐震リフォームのお話しなので、そもそもこの企画が生まれた背景を明らかにしておきたい。
 
直接のきっかけはソトダン21の役員を務めるアクト工房の松澤部長からのお誘いだった。「12月に耐震断熱改修をテーマに福島先生とトークバトルをしてほしい。」突然のお話しだったので理由を尋ねると「実は最近、福島先生に絞られたんすよ・・」とのこと。松澤さん曰く「断熱耐震改修はまともに取り組むと安くできるどころか新築並みに高くなる。」と何気なく語ったことから福島先生がそれに食いつき議論が勃発。
 
福島先生:「安いリフォームなんてどーせまともな仕事なわけない!なんて経験豊かな工務店さんが決め付けるから、うちはできますよ!っていう悪徳業者がいなくならないんだよ。」
 
松澤部長:「断熱をやりかえるとか耐震性を上げるってかなり骨組みレベルのお話しになるじゃないですか?そんな大切な工事を安く!安く!ってそんな無責任な仕事はできませんよ~。
 
福島先生:「言いたいことは安っぽい仕事をしてよ!ということじゃなくて、例えば退職した人があと20年くらい、せめて快適に暮らしたい。とか断熱も気密も通気層もあるけど今の水準だともう少し断熱性を上げて、どうせなら耐震性も上げたいね!とかいろいろニーズがあるでしょ?そもそもあらゆる年代の断熱建物が混在しているのが北海道の実情なんだし、それぞれの年代の建物や住い手の要望にきめ細かく対応できる処方箋を用意するのがあなたたち地域工務店じゃないの?
 
松澤部長:そりゃ~・・分りますけど・・・やっぱり建物の根幹に関わる部分の性能を上げる!って考えるとハードル高くないでしょうか?自分には難しく感じちゃうんですけど・・・・・
 
福島先生:それじゃあ~僕が自分でお客さんを見つけて実践してみるからさ。その成果をイベントにしようよ。
 
以上:名古屋の夜にて・・・とのことだった。
 
話しを聞いて、真っ先に浮かんだのは「やられた、さすが福島せんせ!」だった。確かに先生が指摘するように、「断熱」や「耐震」と聞くとすぐに新築目線で根本からやり直さねば!という意識が働きやすい。特に別の工務店が昔に作ったものを直してよ!なんて頼まれると責任感も相まって、あれもこれもと神経質に疑いがちだ。その反面、間取りや構造といった部分がよくないばかりに単なる寒さ対策、耐震補強では終わらないものだってあるはずだ。要はリフォームってスタートの状況がぜんぜん違うから、事前の検査や診断がほとんど必要ない新築とは似て非なるもの。むしろ遥かに複雑で難しいものだと思う。先生が伝えようとしているのはそういう事実なんだと感じた。その上で松澤さんにはこんな風に伝えた。
 
山本:「そーいうことなら・・私が思いっきり新築目線のリフォーム事例を発表するから、それと対比させて行きましょう。要はセミナー当日は私が名古屋で叱られた松澤さんを演じるってのはどお?/笑」
 
松澤部長:「それそれ!それ面白そーですね~(笑)」
 
そんな理由で当日のセミナーと相成ったのですが・・・みなさんいかがだったでしょう?(笑)
 
福島先生は単に通気層はもう不要だ!と過激発言をしたのではなく、その条件として、1:気密が確保されていること、2:室内を常時負圧に保てる機械換気を備えていること、3:子育てが一段落し生活湿度が比較的低いことを前提とし、さらには通気層を実際に塞いで実験までして発表していました。確かに新築工事費の1/10以下でGW120mm断熱から一気に250mm断熱に変身出来るならそれはそれで素晴らしいと思う。「断熱+耐震≒高価」みたいな先入観じゃなくて、もっと幅広く物事を捉えられる視点を大切にしよう!目からうろこは落とそうね!ということでした。
 
先日、別件で北海道のこうした家づくりのスタイルをどんな風に表現したらよいのか?を考える機会に恵まれた。私は「環境実学主義」というのがいいと思う。と発言したのに対して、ある女性建築家が「環境生活主義」でもよい。と言った。私も彼女の提案がすっかり気に入り、これから使うことにしたいと思う。私たち北海道の作り手はいつだって環境生活主義の視点を忘れてはいけない。なぜなら今の北海道の建築を育てた源泉こそ環境と向き合う生活なのだから。
 
この場をお借りして、貴重な機会を与えていただいたソトダン21のみなさまと、学びと気付きを与えてくれた福島先生、当日は師走のお忙しい中、会場に駆けつけてくれた参加者のみなさまに心より御礼申し上げます。これからは断熱+耐震リフォームで全国一を目指しましょう!(笑)
 
今日は2CELLOS・・彼らのようにありたいということです。(笑)