「南6条の家」が無事着工しました。
チーム南6条は飛栄建設さん。もうすぐ完成の性能向上リフォーム「北郷の家」をはじめ当事務所の仕事をたくさんお引き受け頂いてきました。松田社長さん、宇野棟梁さん共々また精一杯、家づくりに打ち込みたいと思います。
さて、平屋とはいえ今年の4月から始まった新法改正の影響を受け建築確認申請の審査に3週間を要しました。以前だと1週間程度で何とかなっていたものが3倍~4倍の審査期間・・
運がよいことに今回は審査項目が2階建てより少ない平屋なのでなんとか3週間で済んだものの・・一般的な2階建てだと2か月以上掛かる・・というのが道内の現状とのこと。益々家が建てにくくなってきています。
審査期間について北海道指導センターHP https://hokkaido-ksc.or.jp/assets/files/06_event/R_BELStoshinsakikan
ここまで読んでいただいた方の中には、こんなに時間と手間がかかって大変なのかとお思いの方も少なくないと思いますが、むしろ南6条の家の場合は合理的に話が進んで無事着工にこぎつけられた好例といえます。
現地に初めてお伺いしたのが4月、今は9月ですから約5か月間。内訳は・・
基本設計 :2か月
積算&価格調整:1か月
実施設計 :1か月(確認申請+性能表示等級+BELS)
審 査 :3週間(但し、確認申請のみ)
新法改正後の混乱期にもかかわらずこの短期間で着工までこぎつけられたのは、何といっても建て主さんのおかげ。メールに対するリアクションの速さ、要所の決断力、矛盾を含む難しい判断に対する発想の柔軟性や転換力等々・・おかげさまで何とか雪の降る前に基礎工事に取り掛かれます。ここまでのご協力とご理解にこの場をお借りして御礼申し上げます。
報道等でもご存知のように今の国内は8か月連続で3%超の生活物価高騰(インフレ)が続いています。もちろん世の中のすべてが等しく3%の値上げなのではなく顕著なのは何といっても食料品です。お米が高くて買えない・・は一時期注目されました。そんな中、建設物価も上がり続けています。地元新聞が一面で建設物価の高騰による深刻な住宅着工戸数の下落やマンションの修繕費が5割も上がり改修断念の様子を報じる中、少しでも安く家を建てるためには意思決定の迅速さが欠かせないのです。
デフレ期(今思うと懐かしいですが/笑)は建築工事の見積額は1年後もさして変わりませんでしたが、現在では2か月限定が一般的です。要は3000万円のお見積もりを出してその金額で工事をお引き受けできるのは見積提出から2か月までですよ・・ということです。
昔は業者の販促目当てのテクニックと一笑されましたが、今は全然違ってそれがむしろ当たり前。今や工事費って時価なんです。
設計を担当する私たちの仕事の進め方も間取りの途中であっても参考見積を取りながら進めるように変わりました。特に面積が増える方向の建て主要望を頂いた際には、口頭にて価格上昇の可能性を告げるとともに迅速に参考見積を示して判断を仰ぐようになりました。工事費に割ける金額は最初から決まっていますから、気に入った間取りこそできたものの、後から価格的に全く折り合わないとなると必ずトラブルとなり易いからです。
住宅着工戸数17%減(道新デジタル) https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1202381/
最近、お金の話しばかりなので・・今日は美しいギターなんていかがでしょう