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札幌市, 北海道, Japan
はじめまして。 北海道、札幌市で設計事務所をしています。 暮らしに最も近いものづくり「建築設計」 地域色豊かで環境的、使いやすくて長持。 そんな暮らしのデザインが大好きです。 社会の悩みを建築デザインのテーマにすると面白い! そんなことを考えながら今日もスケッチしています。建築(暮らし)のお話しあれやこれ... どうぞお楽しみ下さい。

2013年7月27日土曜日

屯田の家 上棟式

今日は「屯田の家」の上棟式。老舗工務店の丸稲武田建設さんらしく今回は5色の吹流し。
 
 
 
朝から現場を片付けて、棟梁は祭壇を作り、床に合板を仮置きして、皆が中に入れるようにします。もちろん屋根の吹流しも大工さんが取り付けます。
 
 
式が始まり、建て主さんをはじめ全員の安全が祈願されます。
 

式の後の直会(なおらい)では建て主さんの手料理を囲み、宮司さんともども和やかな催しになりました。やっぱり上棟式って良いものですね~。心より感謝です。そして美味しいお料理を作っていただいた奥さま、お嬢さまにも心より御礼申し上げます。 ごちそうさまでした。(笑)



北方型住宅をデザインする!

昨年、建築家4人で本を書く機会をいただきました。
題して「北方型住宅をデザインする」監修:北方建築総合研究所、発行(財)北海道建築指導センター

北海道で北国独自の設え(しつらえ)として断熱を中心とした雪や寒さに対する知恵が発展した背景には、それまでの本州伝来の和風住宅の限界がありました。本州各地から開拓のために入植した人々によって全道各地に入植者の故郷の家が建てられましたが、その多くが北海道の気候に合うものではありませんでした。断熱が正しく理解され、現在の水準で見てもほぼ間違いのない家が建ち始めるのが約25年前、意外や平成に入ってからのことです。当然ながらそれまでもそれ以降も断熱技術といった方法論を中心に北海道の住宅は発展してきたわけですが、その歩みも大きなターニングポイントを迎えつつあります。建築に限らず、発展の過程において方法論が大切にされる理由は、「困り事の解決」を目的とするからですが、その解決策が広く普及した今、これからの北海道の家はどこに向かうのか?が問われているのです。なんだか難しいことを書きましたけど、要は今までの蓄積を生かしてどんな風に新たなわくわくする「北方型住宅」を作ろうか?そのきっかけとしてデザインに注目した初めての本なのです。

でもデザインって各人で好みや価値観が違うように「これっ!」て決め付けられないですよね~?反面、「機能や性能だけでデザインは二の次!」なんて人も今は少ないと思います。まあ一般的にデザインと日本語で言うと見栄えを指す場合がほとんどですが、それを一つの結果と見るなら、それぞれの建築家がどうやってそこまでたどり着いたのか? 興味が沸きませんか~?(笑)

この本はそんな各建築家の手の内を大公開した貴重なものでもあるのです。講習会に来ていただいた方はテキストとして配布されますが、それ以外の方はPDFでダウンロードも可能。

そうね~デザインって面白そー!という方はぜひお読み下さい。

ダウンロードHP http://www.hokkaido-ksc.or.jp/04_01_books/bookslist.html

2013年7月25日木曜日

屯田の家 天井根太組み

20cm間隔で組みあがった根太天井。光をどんな風に当てて陰影を引き出して等々、イメージは膨らみます。日本の家って、私の実家もそうでしたけど、なぜ部屋の中心に大光量の円盤型照明が好きなんでしょう?確かに効率は良いですけど...おまけに白色蛍光灯で「ぺら~っ」と上から照らすのはなぜ?雰囲気も何もないとは思わない?? 最近アンチ円盤型照明の運動の甲斐あって(笑)、かなり電球色の内照式照明が認められてきました。ただ「ムードはいいけど暗いっ!」って決め付けられるのが残念。分散型多灯配置を工夫して日本人の目に合った内照式照明をいつも意識しています。でも窓から漏れる照明や天井の美しさって夜の街並みの魅力だと思うんですがいかがでしょう?
 
2005年竣工の「星置の家」の夜景。
 
夜にはINCOGNITOなんてよく似合いますよね~(笑)
 
 



屯田の家 外壁仕上げ

さてさて...こちらは武田建設さんの土場(加工場)。というか..まあ最近は実験室と化しています。(笑) 写真は外壁の板を薬剤処理しているところ。
 
やっぱり北海道の家は木貼りの外壁が良い!こんな事を考えたのはよいのですが、すっかりサイディングが当たり前になった業界の風は意外に手強く...道南の杉材を使い始めたのが2009年の「銭函の家」から。やっぱり「銭函の家」って今にして思えば私にとって大きなターニングポイントだったと思います。それまでは耐候性の着色ステインを塗装するのが一般的な木の外壁の使い方でしたが、耐水性に優れた杉材を無塗装のまま使うのは中々にインパクトがありました。生成りの感じが好きな方々には好評で最近では「発寒の家」、「西野の家」なんてかなり人気があります。逆に塗らないことで木(きぃーっ!)とばかりに主張するので(笑)、何でも塗装してあるのが当たり前の街並みの中では、何もしていないのに一番目立つ!というありがたい立ち位置をいただきました。(大笑)
 
 反面、もう少しナチュラルに木の風合いを楽しみたいという人には少々キャラが立ちすぎるのが無塗装の杉板貼りの特徴でもあります。この風合いというものは中々にデリケートでして色を塗るのでもなく、木肌の色を変えるでもなく...まあ美しく枯れた○○...見たいに複雑なのです。
 
ステイン(塗料)で自由に色付け!も素敵なんですが~(笑)当然、良し悪しではなく個人の感性や趣向ということなんです。
 
 
写真は杉材の無垢板。これを秘密の薬剤で処理すると...
 

みるみる美しいグレーに味わいが増します。

左が半日置いたもの。右が処理仕立てのもの。昨年、松材の外壁を採用した「前田の家」では材種による変化の違いもあって味わい深く色変わりするまで半年くらい掛かりましたが、元色が赤めの杉材ではすぐに反応が現れます。やっぱり木って深いですよね~(笑)
 
 
写真は処理したての「前田の家」。松材だと淡いグレーという感じ。人によっては「塗ったの?」口の悪い人になると「山本さん大丈夫?ホント自信ある?」(笑)

半年でこんな感じに味わい深く変色する。板、一枚一枚 焼け方が異なりそれがかえって面白いと思いませんか~?
 
まあ~今日のお題は「やっぱ木って深いですよね~」でした。
 
最近はボサノバ!ぜひ一緒にいかが?
 
 


屯田の家 屋根防水工事

本日は、雨雲が広がる中、屋根の防水工事です。札幌で一般的な70坪の区画割りで南側敷地という「屯田の家」は、当初から無落雪であることが求められました。当然ながら南側にはエントランスや敷地内通路、駐車スペース等があるので落雪させることができないからです。こういった条件は道内の住宅街では珍しくないですよね~?ではどうやって雪の落ちない陸屋根をデザインするの?
 
一般にはスノーレーンと呼ばれる、屋根の中央に水を集めて排水する形式の屋根が今でも圧倒的に多いのですが、私の事務所では2009年からこのスノーレーンは作っていないのです。最近はもっぱら特種ビニル樹脂シートによるシート防水。屋根の勾配はナシでフラット(通称:小室屋根)。屋根に溜まった水は表面張力で盛り上がり風が吹くと風下へ流れて地面に落ちます。要は雨樋も勾配も雨樋を凍結から守るヒーターも集めた水を下水に流す配管も不要なシンプル屋根なのです。
写真は2009年竣工の「銭函の家」。この後、風が吹くと風下の軒から雨水は地面に落ちておしまい。 呆気ないほどの「これだけ感」...(笑)

北海道で一般的なスノーレーンによる陸屋根。水を屋根の中央に集めるために勾配が必用であり、集めた水を流すための樋も必用となる。おまけに凍らせないためにはヒーターと電源が必用であり、もちろん放流先である下水が整備された地域(要は田舎では難しい)でなくてはいけない。落ち葉やごみが詰まらないように定期的なメンテナンスが必用である。ということは屋根に上がるためのタラップが必用であり、電気代やetc.....(笑)
 
 
平たいだけで雪を落とさず溶けた雪水は都市のインフラ(下水、雨水)に頼ることなく敷地内で通常の屋根のごとく浸透させてしまいます。考案者は先輩建築家の小室さんなので、通称:小室屋根と呼んで愛用しているのです。こんな話をするとなんだか物足りなさを感じる人はいませんか~?(笑)
 
 実は建築ってあれもこれも付ければ付けるほどめんどくさくなって、メンテナンスや管理の工夫が必要になって結果的には維持費に跳ね返る!っていう悪循環の渦巻きに陥りやすいんです。特に床、壁、屋根みたいに基本的な部分は、後々、対処療法に陥らないように最初からシンプルに解決策を考えないといけません。そんな意味で考えると従来のスノーレーンの屋根をさらに発展させた究極の陸屋根がこのスタイルなのかもしれません。

このグレーのシート一枚で、北海道にぴったりの屋根が簡単に作れるなんて...単純にすることでむしろ根本的な解決に近づくのは、最近なんでも複雑化する日常にあって建築の面白いところではないでしょうか。でも物事って意外にそうなのかも知れません。既成概念から一旦離れてみるって建築に限らずとっても大切だと思いませんか。(笑)

さてもうすぐ上棟式!プロテック(屋根屋)さん頑張って!
 
今日はBENIのカバーなんていかがでしょう?
 

2013年7月15日月曜日

屯田の家 金物チェック

本日は、「屯田の家」に構造金物の確認のために来ています。広い間口一杯に建物が建ちあがり、空き地の頃とは風景が一変しています。

パッシブ換気のための塔屋(トウヤ)、「屯田の家」の敷地は建て込んだ住宅街。屋根の雪を落とすことが出来ず、法的に建物高さの制限も厳しいので、こうした条件を満たしながら、2階の屋根の上にもう一層分の小部屋を計画します。奥に旧宅の換気塔屋が見えますが、基本の原理は一緒。安定した煙突効果による自然換気で窓を開けない冬場にも必用な換気が電力に頼ることなく可能になります。

写真は0勾配の小室屋根の様子。北海道の陸屋根で一般的なルーフドレーンは必用ありません。

耐力壁の足元には必ず筋交いの強さに応じた金物が必用となります。

ホールダウンと筋交いプレートが混み合う部分です。

北側の平屋部分から冒頭の塔屋を見ています。ちょうど日が当たっている面が西側。建物はほとんど南面させていますが、西側の壁が受ける日射もたいへん大きいことが分かります。特に西日は夕方にかけて低い位置から射すために庇が効かず、遮蔽に最も工夫が求められます。手っ取り早いのは外付けブラインドですが、極力建物形状の工夫で涼しくという建て主さんの要望で庇と袖壁を併用して対処します。

南の太陽を遮るために大きく跳ね出した庇。二階の南側には大きな窓が付くのでこちらも日射遮蔽が欠かせません。

今日はアメリカっぽく...ZZtopなんていかが?(笑)

2013年7月10日水曜日

屯田の家 骨組みのディテール(細部)

写真は完成時にあえて梁と根太を見せる部分。天井の仕上げを省き高さを確保すると共に、構造材を血色の良いカラマツ材に変えて、家人が天井を見上げたときに緻密な天井組みに思わず「ニヤリ!」とするように考えています。プレカットの発達で手刻み(大工が自ら手で加工する事)の時代に比べて加工手間がずいぶんと軽減されました。それを逆手に取って、不要な材料を圧縮しつつ美しく骨組みを顕わすデザインを最近はいろいろと考えます。全部真っ白に覆ってしまう方法もなくはありませんが建物の骨格とも言うべき軸組みをインテリアに生かすデザインのスタイルが最近は気に入っています。

中央の梁を挟んで右が梁、根太共に顕わす高天井部分。左側が天井を設ける部分。

こちらは「春光BASE」の根太天井。根太の間隔や寸法が微妙に異なる。

今日はMayJ。そう歌は上手いよね~最高!「GARDEN」なんていかが?

いや!自分はシュガーソウル+KJしか認めないっす!というこだわ派はこちら。

2013年7月8日月曜日

屯田の家 建て方 その2


本日は、「屯田の家」の建て方の山場!そう2階の床梁の建て込みです。現場にはクレーンを据え付け、長さ約5mの大きくて重たい梁を吊り上げて建て込みます。

こちらは、建て込む梁の順番を仕切る棟梁。梁の高さ(梁成/通称:ハリセイ)が棟梁のひざより高いのが分かると思います。巾15cm、ハリセイが39cmのカラマツ集成材の大梁。長さは約5mあります。 

奥に赤く、ひときわ大きな梁が見えますがこちらは巾12cmハリセイ45cmの巨大なものです。

写真を見ると梁の大きさがよく分かると思います。従来、住宅のような小規模の木造の梁は大工がかつげることを前提に長さを決めました。しかし最近では、より長く大きなものがプレカット工場で加工できるようになり、更には構造計算の普及で部材の断面はどんどん大きくなる傾向にあります。

なんだか鉄骨の現場のようですが、こんな風にクレーンで長い梁を吊り上げて、現場内に入れます。クレーンのオペレーターさんは涼しい顔でこなしますが、近くには電柱や電話線が混み合う住宅地で「よくできるなあ~」と毎回感心してしまいます。

上から見ると梁を選ぶ棟梁が見えます。

2013年7月5日金曜日

屯田の家 建て方開始

本日は「屯田の家」の建て方が始まりました。棟梁はおなじみ内野沢棟梁。今年の(も?/笑)再会を喜びご挨拶をして現場に入ります。特に「屯田の家」は長期優良住宅のために通常よりずいぶん大きな梁を使います。中には梁の断面が12cm×45cmとか15cm×39cmなんていうものもあります。もうこうなると人が抱えることは出来ません。もちろんそんな現場の苦労を考えない困った設計者のために(やれやれ...) 丸稲武田建設さんの現場ではクレーンによる建て方(発寒の家 http://ako-re.blogspot.jp/2012/09/blog-post_29.html)を導入してくれていますが、長く重たい梁の取り付けは見ものであると同時に大工としてはかなり緊張を伴うものとなるでしょう。そんな話をしながら現場を見て回ります。


丁寧に天端(テンバ/土台の載る表面)を研磨し水平を出してから、墨付けされた土台。レーザー水準器で水平を見ながら神経質に高さを合わせるのも、武田建設のお約束。
南あいの里の家2010 http://ako-re.blogspot.jp/2010/09/blog-post_16.html 

週末は天気が悪いそうなのでみなさん気をつけて!

さーて建ち上げましょう!

怒涛の積算チェック!

ところでみなさん、最近の家の見積書って何枚くらいあるかご存知です?(笑) 

写真は、3社による見積もり合わせを行った案件と格闘する妻。お母さん頑張れ~!

各社により若干の違いはあるもののだいたい一社40~50ページ。クライアントさんの要望はすなわち夢の裏返しですから当然、夢の方がお財布(現実?/笑)を上回る方がほとんどです。そこでクライアントさんの代わりに細かく数字を確認して誤りがないのか?平均的な価格で全体が作られているか?複数の目で手分けしながら確認してゆきます。実に地味な作業ですが数字というやつはその地道さに最も弱いのです。そうやって複数の見積もりを分解してゆくと見積もりを作った人の様々な気性や性格まで見えてきます。基本は最もお安いところ(会社)となりますが、忘れてはいけないのがこの性格。そう安くても安いだけで忘れ物だらけ、おまけに荒っぽかったり...以前はサッシをまるっきり忘れた工務店さんもいましたっけ(笑)、そりゃ~一番安いけど仕事は頼めないわね~(笑) 

もちろん価格も大切ながら、質の良し悪しだって無視できません。ここが建築物価の難しいところ、細かく図面を見てくれていて忘れ物が少ないばかりか価格も納得!そんな最高の作り手を退屈な数字の中から見つけ出すためには公正な競争も必用です。相手に勝つためには複数の仕入先から見積もりを取る。今まで当たり前と思っていた工程や作り方をもう一度見直す、工夫に工夫を重ねてなんとか結果を出そうとする。その創意工夫の源泉が「クライアントさんの夢」なんです。そうすることで、工務店はノウハウと競争力を、設計者は本物をかぎ分ける嗅覚を維持することが出来るのです。まあ~持ちつ持たれつ産業の代表みたいな感じでしょうか。

さてさて見積もりの傾向と中味が一通り分かったところで、最も有効な方法で価格調整に入ります。
もちろん、ここから先は きぎょうヒ.ミ.ツ!(笑)

今日はレインボー な気分ですね~ キルザキング!







西野里山の家 地盤調査

写真は「西野里山の家」の地盤調査の風景です。西野地区は地盤が比較的良い地域として知られていますが、現在は地域を問わず全ての新築について地盤調査が実質的に義務付けられています。「昔から地盤の良いところだし、近所もそんな調査してたっけ?」とお思いのみなさん、お気持ちは分かりますが、現在では骨組みに対して完成から10年間の保障を目的とする瑕疵担保責任賠償保険への加入条件として地盤のデーターが必用になっています。

思ったとおり、地盤はガチガチ。凄く良い地盤です。人が立って歩くぶんにはどこでも変わりませんが何十トンもある家を建てるとなると、たとえば西区の山側と北区では大きく違います。極端な話、地域によっては杭代だけで100万円オーバーなんてところもたくさんあります。そんな意味では最近世代交代が進む西野地区は古屋付きの物件も多く、中々買いな地域といえるかもしれません。なにより川と緑に恵まれてのどかな田舎の風景がありながら、都市施設も充実しているのは子育て世代にとっては嬉しい限り。 基礎にもお金がかかりませんし~(笑)