2010年11月9日火曜日

菊水の家 充填断熱工事


外貼り断熱工事が終了し、今度は室内側からGW(グラスウール)を充填してゆきます。このとき大切なのはグラスウールと、防湿ポリフィルムの間に極力空隙を作らないこと。丁寧に丁寧に充填してゆきます。

こうした空隙は、手直しが必要です。充填断熱の監理は少し神経質すぎるくらいにやります。品質第一、こうした部分の積み重ねが普及型の300mm断熱プロジェクトを支えています。

がんばれ!チーム菊水のみんな。 南あいの里は強敵だぜ~っ!

菊水の家の開口部の設計を担当する㈱エンヴェロッブさんがチョイスしたのは既製品と特寸サッシを上手に組み合わせた方法論。こうすることで性能とコストを高い位置でバランスさせられます。

菊水の家は既成の木製サッシを上手に用いて普及型300mm断熱仕様としての高い費用対効果を狙います。写真はスウェーデン製のトリプルガラスのサッシですがガラス同士をつないでいるグレーの部分に注目。以前はこの部分にアルミを用いていましたが、新製品は熱伝導率の低い樹脂に変更されています。これによりガラスの四周面からの熱がずっと逃げづらくなります。ペアのLOW-Eアルゴンのガラスと比べると手で触っても明らかに表面温度が違います。北海道の建築をさらに進化させるためには、このように高い性能を有する開口部を地場で作ることが必要です。そのためにはいつもこのブログで訴えているように、ユーザーの皆さんが正しく断熱の意味を理解して、窓に対する意識の高い建築主になってほしいと思います。みなさんのニーズが素晴らしい地場産品を育てることをけして忘れないでいたただけたら、こんなに嬉しいことはありません。
トリプル断熱サッシ ガデリウスエリートフェンスター HP http://www.gadelius.com/

こちらは北海道製の㈱エンヴェロープのトリプルガラス仕様。菊水の家では規格品をメインに使いますが、特寸が必要なものは、断熱仕様を揃えて旭川の工場で生産しています。設計チームに開口部のスペシャリストを加えることで、建物全体の設計の自由度が飛躍的に向上します。性能とコストを両立させるアイディアの多彩さにはいつも脱帽です。担当者のMr.平井氏は北海道屈指の窓のスペシャリスト。勤め人時代から弊社の無理難題を解決してくれた仲間の一人でもあります。2004年の宮の沢の家や星置の家のカーテンウォールも同氏の仕事です。

直接ガラスを柱に貼り付けシャープに簡単にガラスの大壁面を作っていただいた星置の家2005

ビルのカーテンウオールよろしくガラスのつなぎ目に大きな部材を用いない納まり。
宮の沢の家2004

木造だからと言って柱と柱の間に小さく窓を作る必要はありません。柱の外側に大きなガラスを貼り付け壁面全体をガラスにすることも可能です。 グループホーム夏桜2005